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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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アルプスの画家 セガンティーニ

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今回は、こちらの曲がピッタリな美術展をご紹介いたします。




アルプスに魅せられ、アルプスを舞台にした作品を描き続けた画家・セガンティーニ。
その彼の回顧展 “アルプスの画家 セガンティーニ ―光と山―” が、
12月27日まで、損保ジャパン東郷青児美術館で開催中です。
41歳という若さで亡くなったため、作品数が非常に少ないセガンティーニ。
そんな彼の作品が、約60点も集結した奇跡の展覧会!

これは、本当に貴重な機会です!!

大事なことなので、文字を大きくしてみました。
ちなみに、どれくらい貴重かといえば、
日本でセガンティーニ展が開催されるのは、33年ぶりとのこと。
この機会を逃すと、次は、33年後になってしまうかもしれません。
星星星
今年下半期のとに~イチオシ美術展です。
3ツ星。


もちろん、

「貴重だから=素晴らしい美術展」

…というわけではありません。
作品が、本当に素晴らしい!
何も余計なことを考えずに、絵を観ても、
純粋に感動できる稀有な画家だと思います。

まずは、今回の目玉作品から、ご紹介。

《アルプスの真昼》

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-アルプスの真昼


一度も、アルプスに行ったことはありませんが、

「あ~、アルプスって、こんな空気なんだろうなぁ」

と、思わず感じ入ってしまう逸品。
日差しも眩しいくらいで、サングラスが欲しくなります。

この画像でも、十分に、それは伝わると思いますが、
実際の作品は、この100倍は、
空気感と眩しさを感じることが出来ると思ってくださいませ。
この表現は、もはや尋常ではありません。

《アルプスの真昼》 は、なぜ、そんなにも眩しいの~


その理由を、おじいさんとアルムのもみの木の代わりにお答えしましょう。
セガンティーニが独自に用いた技法である “分割主義” に秘密があります。

分割主義。またの名を、ディヴィジョニスム。
ごく簡単に、その技法を説明すると、
“絵具を混ぜずに、そのままの色を使用して作品を仕上げる” 技法のこと。

“・・・あれっ、それって、この絵もそうでは??”

(参考/スーラ作 《グランド・ジャット島の日曜日の午後》
アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-グランド・ジャット島の日曜日の午後


と思われた方もいらっしゃることでしょう。
確かに、スーラの 《グランド・ジャット島の日曜日の午後》 も、
絵の具を混ぜずに、そのままの色を使用して作品を仕上げた作品です。
しかし、スーラとセガンティーニの技法が決定的に違うのは、
スーラの場合は、たくさんの点で描いていますが、
セガンティーニの場合は、平行に並べた多数の細い線で描いているのです。
(例えるなら、畳の目みたいな感じでしょうか)
このセガンティーニ独自の分割主義で描くと、あら不思議。
スーラのようなボヤ~ンとした明るさとは違って、
本物の太陽光のようなスッキリとした明るさが表現されるのです。
蛍光灯とLED照明の違いに似ています。
是非、実物を目にして、その明るさをご体験くださいませ。


ちなみに、上で紹介した 《アルプスの真昼》 の一年後に描かれた 《アルプスの真昼》 も展示されています。
こちらは、現在は、大原美術館に所蔵されている一枚。

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-アルプスの真昼


相変わらず、女性は、宮崎アニメチックな服を着ていますね (笑)
上のセガンティーニ美術館ver.も良いですが、
大原美術館ver.の方が、羊の行動に愛嬌があって、僕は好きです。
絵の眩しさは、どちらも同じくらいに秀逸。


正直、この2点の 《アルプスの真昼》 を観るだけも、十二分に価値はあると思いますが。
せっかくなので、他のオススメ作品もご紹介。
まずは、脱力系No.1作品です。

《日陰の憩い》

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-日陰の憩い


他の人にどう見られるか。
そんなことは全く気にしていない寝姿です (笑)
あられもない、とは、まさにこのこと。

ただ、 《日陰の憩い》 というタイトルがなかったから、

「死体?!」

と勘違いしていたかもしれません。
この曲を聴きながら観ると、イメージがグッと変わります (笑)




アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-日陰の憩い


続いては、のどかさNo.1作品です。
都会でのせかせかした生き方に、疑問を持つこと必至な1枚。

《水を飲む茶色い雌牛》

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-水を飲む茶色い雌牛


和むわ~


インパクトNo.1作品は、セガンティーニの 《自画像》

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-自画像


・・・マキシマムザホルモン?


最後は、優しさNo.1作品。

《生の天使》

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-生の天使


幼いころに母を亡くしたセガンティーニ。
それだけに、母性愛は、人一倍強かったのだとか。
嵐から、我が子を守る母。
母の愛が、とても感じられる一枚です。
色鉛筆で描かれているのも、また優しげな印象でした。



余談ですが。
出展されている作品ではないですが、
パネルで紹介されていたセガンティーニ美術館の建物が、とても可愛くて、それも印象に残りました。
いつか行ってみたい!

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-セガンティーニ美術館




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