東京ステーションギャラリーで開催中の・・・
“君が叫んだその場所こそがほんとの世界の真ん中なのだ。
パリ・リトグラフ工房idemから―現代アーティスト20人の叫びと囁き” に行ってきました。
こちらは日本初、いや、おそらく世界初となる小説と連動した展覧会です。
その小説というのが、『ロマンシエ』。
ロマンシエ/原田 マハ
『楽園のカンヴァス』 で知られる原田マハさんの最新作です。
小説の舞台は、実在するパリの有名なリトグラフ工房 「idem(イデム)」 。
「idem」 の前身は、ピカソやシャガールが版画制作を行ったことでも知られるムルロー工房です。
当時のプレス機は、今でも大事に使われているとのこと。
そんな 「idem」 の芸術的磁力に引き付けられ、
JRやデヴィット・リンチなど多くの現代アーティストが自然と集まっては、リトグラフを製作しています。
『ロマンシェ』 の主人公、心は乙女な男の子のアーティスト・美智之輔も、
美智之輔が敬愛する小説の作者・羽生光晴も 「idem」 の芸術的磁力に引き寄せられた面々。
その小説内で、主人公らは、「idem」 で制作された、
現代アーティストによるリトグラフ作品の数々を日本で紹介しようと展覧会を企画します。
その展覧会こそが、なんと東京ステーションギャラリーで開催されている、こちらの展覧会なのです。
実は、“君が叫んだ~” という長い展覧会のタイトルは、
『ロマンシエ』 のクライマックスシーンで羽生光晴が発する重要なセリフから取られています。
小説世界の中のフィクションの展覧会が、
現実世界で、しかも、ちゃんとした美術館で開催されるという試みは、純粋に面白いと思いました。
『ロマンシエ』 を読んでから、会場を訪れれば、
「あっ、物語に (その名が) 登場したジャン=ミシェル・アルベロラだ!やなぎみわさんだ!」
と、テンションが上がること間違いなしです。
ただ、小説を読んでなかったら (下知識が全く無かったら) 、
現代アーティストによるリトグラフ作品オンリーの展覧会というのは、
ちょっと地味に感じられたかもしれません。
ということで、展覧会会場だけ見れば、1ツ星。
小説を読んでから見れば、きっと2ツ星。人によっては、3ツ星。
個人的には、コミック形式の作品を発表しているというピエール・ラ・ポリスがツボでした。
ピエール・ラ・ポリス 《夜に光る君の巨大なステッカー》
2007年 courtesy Item éditions, Paris
彼の作品をデザインしたTシャツが、ユニクロで展開してくれればいいのになァ。
さらに、『ロマンシエ』 の小説のラストでは、2015年12月4日に行われた内覧会の場面も描かれます。
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております。)
原田さんとは、昨年のトークショーで対談したこともあり、僕もちゃっかり出席。
小説で描かれた世界の中に自分がいる、という貴重で不思議な体験を味わさせて頂きました。
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君が叫んだその場所こそがほんとの世界の真ん中なのだ。
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