現在、東京国立博物館の本館特別5室では、
日韓国交正常化50周年記念特別展として、“ほほえみの御仏―二つの半跏思惟像―” が開催中です。
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております。)
日本を代表する半跏思惟像、中宮寺門跡に伝わる国宝の 《半跏思惟像》 と、
国宝 《半跏思惟像》 (全身正面) 奈良 中宮寺門跡
韓国国立中央博物館が所蔵する金銅製の国宝78号像 《半跏思惟像》 。
韓国国宝78号 《半跏思惟像》 (全身正面) 韓国国立中央博物館
写真:韓国国立中央博物館
2つの国宝の半跏思惟像が、歴史的初対面を果たした貴重な展覧会です。
しかも、この初対面が、もしかしたら最後の対面になるかもしれないとのこと。
くわえて、会期は、たったの3週間のみ。
貴重どころか、超超超貴重な展覧会なのです。
ところで。
「半跏思惟像って、どんな像なんだろう??」
と思っていらっしゃる方も、少なくないはず。
簡単に説明しますと、半跏思惟像の 「半跏」 とは、
左足を踏み下げ、右足をその膝の上に組んで坐る座り方のこと。
そのポーズで思惟する、つまり物思いにふけっているのが、半跏思惟像です。
さて、今回の展覧会を訪れて、まず率直に驚いたのは、
韓国国宝78号の 《半跏思惟像》 が・・・
想像していたより小さかったこと。
いや、むしろ、中宮寺門跡の 《半跏思惟像》 が、想像していたより大きかったのか。
ともあれ、ポスターでは同サイズのように並べられて紹介されているので、
2体の 《半跏思惟像》 のサイズに、ここまで開きがあるとは、全くの想定外でした。
「大きいことはいいことだ」 ではありませんが、
中宮寺門跡の 《半跏思惟像》 のほうが、圧倒的に立派に感じられました。
そして、想定外と言えば、
確かに、サブタイトルに 「二つの半跏思惟像」 とありますが・・・
まさか、本当に 「二つの半跏思惟像」 しか展示されていないとは!
他に、関連する仏像の2体や3体、もしくは関連資料かなんかが出展されていると思っていました。
日本と韓国の国宝の 《半跏思惟像》 が向き合う。
西部劇の決闘のように。
他には何もなし。演出もなし。
潔すぎるくらいにシンプルな展覧会でした。
究極にシンプルな展示スタイルだからこそ、
いつも以上に真剣に、それぞれの 《半跏思惟像》 を、隅から隅まで鑑賞したのも事実なのですが。
(鑑賞料の元を取ろうという気持ちも含めてw)
「展覧会に、せめてあともう一つくらい、ポイントがあったらなぁ。」
・・・と言ってみたところで、具体的な提案がパッと思いつくわけでもなく。
二つの 《半跏思惟像》 に挟まれながら、思惟してしまいました。
結局、その結論は出ませんでしたが、
二つの 《半跏思惟像》 が素晴らしかったことだけは、事実です。
ちなみに、個人的には、中宮寺門跡の 《半跏思惟像》 のほうに軍配。
表情の上品な美しさや、衣服のひだのリズミカルな表現が絶品です。
そして、何よりも目を惹くのは、
国宝 《半跏思惟像》 (顔斜め) 奈良 中宮寺門跡
あの美顔ローラーみたいな独特のヘアスタイル。
双髻というそうです。
「KAWAII」 の元祖なのかもしれません。
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ほほえみの御仏―二つの半跏思惟像―
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