今年2016年に開館90周年を迎える東京都美術館。
それを記念して、“木々との対話―再生をめぐる5つの風景” という展覧会が開催されています。
展覧会のテーマは、「木と再生」。
木という素材で制作を続ける5人のアーティスト、
國安孝昌さん、須田悦弘さん、田窪恭治さん、土屋仁応さん、舟越桂さんの作品を紹介する展覧会です。
国際的にも活躍する彫刻家・舟越桂さんと、
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております。)
現代美術展や芸術祭の常連組である須田悦弘さんに関しては、
さすがの安定感、といった印象。
それぞれ新作も観られて、ファンとしては嬉しい限りでした。
ちなみに、例によって、須田悦弘さんの作品のいくつかは、意外な場所に設置されています。
『ポケモンGO』 ばりに、東京都美術館内を探索する必要がありました (笑)
特に美術情報室内のどこかにある 《露草》 は、激ムズです!
頑張って、探してみてくださいませ。
さてさて、この手のグループ展というのは、
心惹かれる当たりの (?) 作家がいる一方で、そうでもないハズレの (?) 作家がいるものなのですが。
今回の展覧会に限っては、全員大当たり!
余すことなく面白かったです。
例えば、田窪恭治さん。
廃材の上に金箔を貼ることで、
気品すら漂うオブジェに生まれ変わらせる過去のシリーズ作品も良かったのですが。
やはり、インパクトが強かったのは、今回のための新作 《感覚細胞-2016・イチョウ》 です。
東京大空襲で被災しながらも、見事に復活した東京都美術館の大イチョウ。
その根元一帯に、コルテン鋼のブロックを敷き詰めたというインスタレーション作品です。
見慣れた景色が、一変。
それも、違和感を覚えるレベルではなく、
「あっ、ちょっと変わった?」 くらいの絶妙な変化でした。
いい感じのイメチェンです。
インパクトが強いインスタレーション作品と言えば、國安孝昌さんも。
天井高10メートルの展示空間を埋め尽くすように、
彼の代名詞とも言える木と陶ブロックを積み上げた作品が設置されていました。
何の心の準備もなく、いきなりこの光景が目に飛び込んできた時の衝撃は、計り知れないものがありました。
4tトラックに轢かれたのかと思いました。
それは言い過ぎかもしれませんが、ガツンとやられた気分です。
こんなとんでもないスケールの作品を制作した國安さんも、もちろんスゴいですが。
こんなとんでもないスケールの作品を制作することを許可した東京都美術館もスゴいです。
久しぶりに、シンプルに 「アートって、スゴい!」 と感銘を受けました。
今回最も心惹かれたのは、気鋭の木彫作家・土屋仁応さんの手によって生み出された作品たちでした。
土屋仁応 《森》(部分) 2012年 個人蔵 撮影:竹之内祐幸
可愛さと神聖さ、その両方の魅力を併せ持つ生き物たちに、思わず一目ぼれ。
どうしても、この子らを家に連れて帰りたくてなりませんでした。
土屋さんの展示空間は、ペットショップに匹敵するくらいに、立ち去り難かったです。
ちなみに、一番のお気に入りは、《豹》。
会期終了までに、何度か会いに行くと思います。
この作品の前に張り付いている男がいたら、僕かもしれません。
もし見かけたとしても、そっとしておいてあげてください (笑)
┃会期:2016年7月26日(火)~10月2日(日)
┃会場:東京都美術館 ギャラリーA・B・C
┃http://90th.tobikan.jp/exhibition.html
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住所・氏名・電話番号を添えて、以下のメールフォームより応募くださいませ。
http://homepage3.nifty.com/art-teller/tony_contact.htm
(〆切は、8月10日。当選は発送をもって代えさせていただきます)
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