昨日に引き続き、本日も “さいたまトリエンナーレ2016” のレポートです。
岩槻エリアの次に訪れたのは、与野本町駅~大宮駅周辺エリア。
与野本町駅から徒歩15分の位置にある彩の国さいたま芸術劇場で展示されていたのは、
チェ・ジョンファの 《息をする花》。
ポスターのメインビジュアルに使われている作品です。
この会場には、チェ・ジョンファの作品がもう一つ紹介されていましたが。
その2つを観るためだけに、与野本町駅で降りて、往復30分の道を歩くのは・・・う~ん。
ややコスパが悪い気がしました (笑)
さらに、大宮駅に移動して、会場の一つとなる大宮タカシマヤや、
大宮区役所の作品も観ましたが・・・う~ん (本日2回目)。
そこは、もうバッサリ割愛で。
与野本町駅~大宮駅周辺エリアで唯一印象的だった作品は、
市民会館おおみやで展開されている秋山さやかさんの 《雫》 です。
この作品のために約110日間も、大宮に滞在したという秋山さんが、
街で見つけた物や、自分宛てに毎日投函した手紙などを素材に制作したインスタレーション作品。
いい意味で、白昼夢のような光景が広がっていました。
まるで、秋山さんの頭の中、記憶の中の世界に入り込んでしまったようです。
さて、全体的に不発だった与野本町駅~大宮駅周辺エリアのあとは、
いよいよラストとなる武蔵浦和駅~中浦和駅周辺エリアへと移動しました。
武蔵浦和駅と別所沼公園を結ぶ 「花と緑の散歩道」 は、ダニエル・グェティンと、
ウィスット・ポンニミットの2人のアーティストによって、アートな散歩道に変身しています。
ちなみに、上の女の子のキャラクターの名前は、さいたマムアンちゃん。
さいたまトリエンナーレ2016のマスコットキャラも務めています。
街のいたる所に、さいたマムアンちゃんの姿が。
主催者は、さいたマムアンちゃん使いが荒いです (笑)
そんなアートの散歩道をしばらく歩くと現れるのが、
ラトビアのアーティスト、アイガルス・ビクシェによる 《さいたまビジネスマン》。
「ニッポン人、働キ過ギネー」 という驚きから制作されたという巨大なサラリーマンオブジェ。
“ひとやすみひとやすみ” とばかりに、お昼寝しています。
ゆっくり休んでほしいとの思いから、
虫が這い上がっているのにも気づかないくらいに寝入っているのだとか。
・・・・・いやいや、こんなに虫まみれになるくらいなら、働いたほうがマシだわ (笑)
武蔵浦和駅~中浦和駅周辺エリアで最も見ごたえがあった会場は、何と言っても旧部長公舎です。
かつては公務員の上級職の方のために作られた公舎で、今は無人の場所とのこと。
今回のさいたまトリエンナーレでは、そのうちの4棟が会場に。
それぞれ1人 (組) のアーティストが担当し、1棟ごとにプロジェクトが展開されています。
印象的だったのは鈴木桃子さんの 《Untiled Drawing Project》。
鈴木桃子さんによって、会期中にこの白い壁一面が、
繊細なドローイングで埋め尽くされるのだそうです。
基本、毎日鈴木さんはここに通って制作するとのこと。
(僕が訪れたときには、体調不良でお休みでした。。。)
完成目標は11月なのだそうです。
・・・・・って、さいたまトリエンナーレの会期は12月11日まであります。
「11月からは何をするの?」
と思ったら、
観客の手によって消しゴムで消されていくのだとか。
消したい貴方は是非会場へ!
高田安規子&政子さんの 《土地の記憶を辿って》 もオススメのプロジェクト。
かつてこの地が海だったことに着想を得て制作された1階の作品群も良かったのですが。
主に2階で展開されている障子を素材にした作品が素敵すぎました。
モチーフになっているのは、さいたま市の絶滅危惧種の生物たちなのだそうです。
ちなみに、切り絵に使われている茶色い紙の正体は、もともとの障子紙。
部長公舎に長い間あって変色してしまった障子紙を、丁寧に丁寧に切り取りながら、切り絵を制作。
それを新しく張り替えた障子紙の上に貼って完成させたのが、この作品なのです。
その繊細さに、思わず息をのむほどでした。
というわけで。
たっぷり時間をかけて、全会場を制覇しました。
すべてが無料で観られるというのは、嬉しい限り。
さいたま市さん、ありがとうございます。
ただ、会場が広範囲にわたりすぎて、移動が大変なのは難点。
さらに言えば、会場となっていたどの場所も、特にさいたま感があるわけではなく。
地元の人以外にとっては、何の馴染みもないところばかり。
全体を通じて、ほとんど観光した感じにはなりませんでした。
氷川神社とかさいたまスーパーアリーナとか、もう少し観光できそうな場所が会場になれば。。。
とは言え、全体的に見れば、無料とは思えないクオリティ。
今後への期待も込めて、2ツ星です。
さいたまへのライバル心から、3ツ星にしてないわけじゃないからねっ!
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さいたまトリエンナーレ2016(後編)
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