ラッセンより普通にゴッホが好きな皆様、お待たせいたしました (←?)!
この秋話題の展覧会、“ゴッホとゴーギャン展” が、いよいよ東京都美術館で始まりました。
展覧会の主役は、フィンセント・ファン・ゴッホ (1853~1890) と、
フィンセント・ファン・ゴッホ 《自画像》 1887年4-6月 クレラー=ミュラー美術館 ©Kröller-Müller Museum, Otterlo
そして、ポール・ゴーギャン (1848~1903)です。
ポール・ゴーギャン 《自画像》 1885年前半 キンベル美術館 ©Kimbell Art Museum, Fort Worth, Texas
どちらも日本でも特に人気の高い画家ゆえ、
それぞれピンでの展覧会 (=回顧展) は何度も日本では開催されていますが。
意外にも、ゴッホとゴーギャンのコンビでの展覧会は日本では初めてとのこと (アジア圏でも初!)。
実は貴重な機会なのです。
さてさて、2人の南仏の街アルルでの共同生活に関しては、
以前こんな記事を書いたことがありますので、そちらを読んで頂くとしまして。
(参考URL⇒http://ameblo.jp/artony/entry-11479913034.html)
今回の展覧会では、そんな約2か月間の共同生活を中心に、
2人の出会いから別れまでのドラマが、世界中から集められた名作の数々を通じて紹介されています。
もちろん作品単体も素晴らしかったのですが。
作品を通じて、2人の交流のドラマがありありと伝わってきた展覧会の構成が素晴らしかったです。
出口に辿り着いた際には、演劇や映画を1本見終えたような充実感がありました。
ここ数年で一番ドラマチックな展覧会だった気がします。
展覧会のハイライトは何と言っても、ゴッホとゴーギャンがそれぞれに、
「最高傑作!」 と認めた2点のアルルの “収穫” が並べて展示されていたところでしょうか。
1点は、日本初公開となるゴーギャンの 《ブドウの収穫、人間の悲惨》。
ポール・ゴーギャン 《ブドウの収穫、人間の悲惨》 1888年11月 オードロップゴー美術館 ©Ordrupgaard, Copenhagen Photo: Anders Sune Berg
中央の女性が、どうにも千秋にしか見えませんが。
ゴーギャン曰く、
「このブドウ園の風景はアルルで目にしたものだ。
そこに、ブルターニュの女性を配した。実際にないことだがかまわない。
今年描いた最高の絵画だ。乾いたらすぐにパリに送る予定だ」
とのこと。
本人には自信作のようです。
そして、その隣に飾られていたのが、《収穫》。
ゴッホが、「他のすべての作品を完全に圧倒する」 と豪語した作品です。
フィンセント・ファン・ゴッホ 《収穫》 1888年6月 ファン・ゴッホ美術館 (フィンセント・ファン・ゴッホ財団)
©Van Gogh Museum, Amsterdam (Vincent van Gogh Foundation)
アルルどころかフランスにも行った経験はないのですが。
この絵を前にした瞬間、
「あー、アルルに着いた!」
と錯覚してしまうくらいのリアリティがありました。
温度や匂いといったものが感じられたのです。
ゴッホの絵画はいろいろ見てきましたが、こんな作品もあっただなんて。
この作品に出逢えたことが、今回の一番の収穫です。
ちなみに、個人的に一番感動したのは、
おそらくゴッホの 《ゴーギャンの椅子》 にインスパイアされたと思われる・・・
フィンセント・ファン・ゴッホ 《ゴーギャンの椅子》 1888年11月 ファン・ゴッホ美術館 (フィンセント・ファン・ゴッホ財団)
©Van Gogh Museum, Amsterdam (Vincent van Gogh Foundation)
ゴーギャンの 《肘掛け椅子のひまわり》 という作品です。
ポール・ゴーギャン 《肘掛け椅子のひまわり》 1901年 E.G. ビュールレ・コレクション財団 ©Foundation E. G. Bührle Collection, Zurich
こちらは、今回の展覧会のトリを飾る作品で、
ゴッホの死から11年後、ゴーギャンが友人に頼んで、
ひまわりの種をヨーロッパからわざわざタヒチに取り寄せ、完成させたものなのだそうです。
“ケンカ別れしても、ゴーギャンはゴッホのことを忘れてなかったんだなぁ (じーん)”
その気持ち、よ~くわかります。
お笑いコンビを解散した経験がある人なら、誰しもが共感できるはずです。
これまでゴーギャンのこと、あまり好きでなかったですが (ふてぶてしい顔も含めて)。
この絵を観て、初めて好きになりました。
実は、イイ奴だったのですね。
タヒチ時代のゴーギャンは、現地の女性を多く描いているイメージがありますが。
《肘掛け椅子のひまわり》 の右上に描かれている2人の人物は、男性のように見えます。
もしかしたら、ゴッホとゴーギャンなのかも。
絵の中でコンビ再結成していたのかもしれないですね。
そう考えると、また泣けてきました。
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ゴッホとゴーギャン展
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