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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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若冲と蕪村 江戸時代の画家たち

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入場者数・・・約44万6千人!
最高待ち時間・・・約320分!



そのあまりの熱狂ぶりに尻込みし、
“生誕300年記念 若冲展” 行きを泣く泣く断念されたという方は、意外と少なくありません。
そんな (若冲展鑑賞の夢を) 諦めた皆様、千載一遇のチャンスです!

現在、箱根の美の殿堂・岡田美術館では、
“―生誕300年を祝う― 若冲と蕪村 江戸時代の画家たち” が開催されていますよ。


先日の若冲展に出展されていた6点 (前期3点、後期3点) に、
秘蔵の (?) 1点を加えた計7点の岡田美術館蔵の伊藤若冲作品が一挙公開!
さらには、同い年の与謝蕪村の作品の数々も公開されています。
さらにさらに、円山応挙、長沢蘆雪、曾我蕭白といった若冲と同時代に活躍した画家たちの作品も。
この秋、大本命の日本美術展です。
星星星


さてさて、《花卉雄鶏図》 や、

伊藤若冲 花卉雄鶏図
伊藤若冲 《花卉雄鶏図》 江戸時代中期 岡田美術館蔵


芸術新潮の若冲特集の号の表紙を飾った 《月に叭々鳥図》 をはじめ、

月に八々鳥図
伊藤若冲 《月に叭々鳥図》 江戸時代中期 岡田美術館蔵


どの作品も本当に見ごたえがあったのですが。
やはり何と言っても一番目を惹かれたのは、
今年1月に83年ぶりの再発見が話題となった幻の名作 《孔雀鳳凰図》 でしょう。

孔雀鳳凰図
伊藤若冲 《孔雀鳳凰図》 江戸時代 宝暦5年(1755) 頃


圧倒的な描きこみっぷり。
隅から隅まで、羽や葉っぱの1枚1枚に至るまで、丁寧に (執拗に?) 描かれています。
あの若冲展とは違って、作品とじっくり対峙することが出来たので、しっかりどっぷり鑑賞しました。
その結果・・・

1点の作品を鑑賞したとは思えないくらいに、疲れました (笑)

展覧会を1本鑑賞したくらいの充足感です。
この作品を鑑賞したら、そのまま次の作品に向かうのではなく、
一旦、美術館の外に出て、岡田美術館名物の足湯でリフレッシュするのがベターかもしれません。


ちなみに、個人的にお気に入りの若冲作品は、《三十六歌仙図屏風》 です。

三十六歌仙図屏風」(右隻)
伊藤若冲 《三十六歌仙図屏風》(右隻) 寛政8年(1796) 岡田美術館蔵


若冲のユーモアセンスが爆発した作品。
和歌の才能あふれる三十六歌仙のメンバーのオフショット (?) が描かれています。
右隻の中央に描かれている5人は豆腐料理を作っているそうな。
豆腐を串に差し、焼いている後姿で描かれているのは、絶世の美女・小野小町なのだとか。
頭が絶壁にもほどがあります (笑)


一にも二にも、若冲が目当てで訪れた展覧会でしたが。
若冲以外の作品にも、尾形光琳の 《雪松群禽図屏風》 を筆頭に、
柳沢淇園の 《彩竹図》 、長沢芦雪の 《群犬図屏風》 など、心奪われるものが多数ありました。
個人的に印象に残っているのは、池大雅による 《関帝像》 です。

⑩池大雅 関帝図
池大雅 《関帝像》 明和8年(1771)


なんというか、全体的にぶよぶよしていました (笑)
関帝、すなわち関羽もぶよぶよしていますが、
それに輪をかけて、青龍偃月刀がぶよぶよしています。
切れ味は相当に悪そうです。
この隣に与謝蕪村による勇ましい 《関帝像》 が飾ってあったので、その差がより際立っていた気がします。
ちなみに、絵のいたるところに渦のような線が見て取れました。
もしかしたら、ゴッホの絵と何か関係があるのかもしれません! (・・・たぶん関係ない)


それともう一つ印象に残っているのが、曾我蕭白による 《飲中八仙図屏風》 です。

曾我蕭白 飲中八仙図屏風(右隻
曾我蕭白 《飲中八仙図屏風》(右隻) 江戸時代中期 岡田美術館蔵


「飲中八仙」 とは、中国唐時代の伝説の酒豪8人のこと。
そんな彼らを描いた屏風絵なのですが、
右隻と左隻あわせて12曲、どう考えても4人オーバーしています。
きっとニセモノが混じっているのでしょう (←?)
そう思って見てみると、右隻の右から2番目に、今にも消えそうな人を発見。
乗っている馬も含めて、薄いです。幽霊かも?

さらに、左隻にて、もっと薄い人を発見!!

曾我蕭白 飲中八仙図屏風
曾我蕭白 《飲中八仙図屏風》(左隻) 江戸時代中期 岡田美術館蔵


左から3番目の人物です。
完全に透けてます。たぶん幽霊で間違いない。




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