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特別展『禅-心をかたちに-』

本日ご紹介するのは、東京国立博物館で開催中の “特別展『禅-心をかたちに-』”
あのスティーブ・ジョブズも惹かれたという 「禅」 をテーマにした展覧会です。

知っているようで、あんまり知らない、禅。
一体どんな展覧会なのか、会場を訪れるまで全く想像がつきませんでした。
もしかしたら、広い会場に何も展示されておらず、

「これこそが禅、無の境地である!」

という感じだったりして・・・・・とも思いましたが、さすがにそんなことはありませんでした。
むしろ逆で、ボリューム満点。
国宝22件、重要文化財102件を含む約240件が日本各地から集結しています。
質、量ともに過去最大規模の 「禅」 の展覧会と言えましょう。


第一会場では、「禅宗の成立」 と 「臨済禅の導入と展開」 を紹介。
もちろん展示されているのは、禅宗美術の名品ばかりではありますが。
お勉強感がやや強めな展示となっていました。

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会場


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会場

(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております。)


また、南禅寺や東福寺をはじめ、

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南禅寺


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東福寺



臨済・黄檗十五派の至宝が一堂に会していました。
まさに、禅宗の見本市状態。
もしくは、禅宗のフェス状態。
なんとも有難い空間になっています。


さて、第二会場に入ると、まず待ち受けていたのは、

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織田信長像

狩野永徳 《織田信長像》 安土桃山時代 天正12年(1584) 京都・大徳寺蔵 (注:展示は10/18~11/6)


意外にも、狩野永徳の 《織田信長像》 を筆頭に、豊臣秀吉や伊達政宗といった戦国武将の肖像画でした。

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肖像画



「戦国武将と近世の高僧」 というテーマで、
戦国武将とそのブレーンとして活躍した禅僧たちが紹介されています。
歴史好き、戦国好きにはたまらないコーナーと言えましょう。

続いて、待ち構えていたのは、禅の仏たち。

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禅の仏たち


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禅の仏たち



正統派な仏像とは、ちょっと一線を画すユニークな仏像が多く出展されていました。
ここは、もちろん仏像好き、造形好きにはたまらないコーナーと言えましょう。

ラストは、「禅文化の広がり」 という切り口で、茶の湯の文化をご紹介。

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玉垣文琳

《唐物文琳茶入 銘「玉垣文琳」》 中国・南宋時代 12~13世紀 埼玉・遠山記念館蔵 (注:展示は11/8~11/27)


茶道具の名品の数々が紹介されていました。
そういう意味では、茶道具好きにはたまらないコーナーと言えますし、
併せて紹介されていた禅宗のお寺を飾る障壁画の数々。

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障壁画



それらの障壁画の作者の中には、伊藤若冲や長谷川等伯といったビッグネームの名前がありましたので。
日本美術好きにはたまらないコーナーと言えましょう。


つまりは、今回の禅の展覧会は、仏教美術ファンだけでなく、
戦国ファン、フィギュアファン、茶道具ファン、日本画ファンと、多くの人が楽しめる内容に。
日本美術のあらゆるジャンル、ほぼ全点を網羅した禅展といった感じでした。
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星
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星

禅の展覧会と聞いて、「地味そう・・・」 「難しそう・・・」 と敬遠していた皆様。
見逃すには惜しすぎる展覧会ですよ。


ちなみに、余力のある方は、会期中に2度訪れられることをオススメします。
というのも、会期の前半と後半で、ほぼ作品が入れ替わります。
もはや別の展覧会といってもいいくらいの入れ替わりようです。

個人的に後半の出展作で楽しみなのは、国宝の 《慧可断臂図》

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国宝 慧可断臂図

国宝 雪舟等楊 《慧可断臂図》 室町時代 明応5年(1496) 愛知・齊年寺蔵 (注:展示は11/8~11/27)


少林寺において座禅修行中の達磨。
そこに、慧可という僧が、参禅を請いにやってきます。
しかし、「だるまさんが転んだ」 のように振り返ってくれることはありません。
そこで、決意を伝えるべく、男気を見せた (?) 慧可は、自らの左腕を切断。
その左腕を見せたところ、ようやく達磨に入門を許されたそうな。
めでたしめでたし・・・・・なのか?な場面が描かれています。
画面からでも緊張感がひしひしと伝わってくる傑作。
実物の緊張感やいかに?




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