横浜美術館で開催中の “篠山紀信展 写真力 THE PEOPLE by KISHIN” に行ってきました。
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております。)
こちらは、激写でおなじみの篠山紀信さんがこれまでに撮影した膨大な写真群の中から、
本人自らが選んだ約120点を紹介するもので、2012年より全国各地を巡回している展覧会です。
横浜美術館は、その27会場目。
横浜出身の美空ひばりや、
美空ひばり 1986年
伊勢佐木町の路上ライブから国民的デュオとなったゆずなど、
ゆず ゆっぴ 2008年
横浜にゆかりある人物の写真も新たにプラスされた横浜美術館オリジナルver.となっています。
会場に入って、まず何より驚かされるのが、写真の大きさ!
展示室の壁ギリギリまで引き伸ばされていました。
ものすごい画力 (えぢから) 。
ものすごい迫力。
写真を観る展覧会というよりも、
写真集の中に入ってしまったかのような感覚になる体験型展覧会といった印象を受けました。
さてさて、展覧会は、「GOD 鬼籍に入られた人々」 や、
「STAR すべての人々に知られる有名人」、「BODY 裸の肉体―美とエロスと闘い」 など、
全部で5つの章で構成されています。
ラストに待ち受けるのは、「ACCIDENTS 2011年3月11日―東日本大震災で被災された人々の肖像」 の章。
空間ごとに照明の雰囲気を変えているのが印象的な展覧会でしたが。
この最終章の照明は、特に印象的。
多くを語らない篠山さん流の3・11の写真の力強さを、より引き立てていました。
被写体となった人々の心の声がダイレクトに届いてくるかのような不思議な空間でした。
さて、今回の展覧会を通じて、何よりも実感させられたのは、
篠山紀信さんが、いかに長い年月、第一線を走り続けてきたのか、ということ。
舟木一夫から羽生結弦まで。
三島由紀夫からAKB48まで。
それぞれの被写体の活躍した時代には、大きな開きがあります。
その間、一人の写真家がずっと第一線で活躍していたというのは、改めて考えると驚異的な事実です。
そして、さらに、この先もまだまだ第一線で活躍しそうな気配。
とんでもない写真家です。
なぜ、こんなにも篠山さんが第一線で活躍できるのか。
沢山の写真を前に、自分なりに考えてみました。
被写体の 「こう撮って欲しい!」 が、ちゃんと満たされた写真であること。
そして、それと同時に、その写真が、
「こういう被写体の姿を見たい!」 という、観る側のニーズも満たしていること。
この絶妙なバランス感覚が、一番の理由である気がしました。
役者の 「こう描いて欲しい!」 と、
庶民の 「こういう役者の姿を見たい!」 を同時に満たした浮世絵の役者絵に近いものを感じます。
ちなみに。
“篠山紀信展 写真力 THE PEOPLE by KISHIN” の開催に合わせて、
横浜美術館のコレクション展では、約400点の写真作品を一挙大放出!
会場を写真作品が埋め尽くしています。
つまり、全館あげて大々的な写真展を開催しているような状況!
やりきり感が、ハンパありません。
横浜美術館は、今日もフルスロットル全開です。
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篠山紀信展 写真力 THE PEOPLE by KISHIN
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