■ルノワール 陽だまりの裸婦
監督:ジル・ブルドス
出演:ミシェル・ブーケ、クリスタ・テレ、バンサン・ロティエ
2012年/フランス/111分/PG12
印象派を代表する画家で、
日本でも高い人気を誇るピエール=オーギュスト・ルノワールの晩年を描いたドラマ。
南仏コート・ダジュールを舞台に、
自由のきかない手で懸命に創作を続ける晩年のルノワールと、
後に仏映画界の巨匠となる息子ジャン・ルノワール、
そして、父子2人のミューズとなったモデルのアンドレが織りなすドラマや、
画家ルノワールの最高傑作 「浴女たち」 誕生に秘められた真実を描き出していく。
ルノワールのひ孫で、写真家としても活躍する
ジャック・ルノワールが執筆した画家ルノワールの伝記小説が原作。
ウォン・カーウァイ監督作品などで知られるリー・ピンビンが撮影を担当。
(「映画.com」より)
「最晩年の傑作 《浴女たち》 の誕生秘話を描いた映画ということで、
なんとな~く予感はしていましたが、その予感はまさに的中どんぴしゃり!
映画に登場するルノワールは、リウマチで苦しむヨボヨボのお爺ちゃん。
芸術家の映画というよりは、まるで介護の映画のようでした。
特に、女中たちにルノワールがお風呂に入れられるシーンは、涙なしには見られません。
・・・・・冷静に考えて、このシーン必要です??
タイトルこそ、ルノワールですが、
主役はルノワールではなく、モデルのアンドレ、通称デデ。
こちらも、なんとな~く予感はしていましたが、予想通りにヌードシーンが多かったです。
いや、正確には、予想以上に、ヌードシーン満載。
かつての 『志村けんのバカ殿様』 くらいの頻度で、ヌードシーンが飛び出します。
間違えて、ルノワールモノ (←?) のそういうDVDを借りてきてしまったのかと思いました。
ただ、エロい気持ちを排除して、
あくまで冷静にアートテラーとして見ましたが (←ウソつけ!)。
アンドレを演じた女優は、顔もヌード姿も、そのままルノワールの絵画から飛び出したかのよう。
よくぞ、ここまでイメージ通りの人物が存在していたものです。
イメージといえば、ルノワールの三男ココが登場するのですが。
絵に描かれたイメージとは裏腹に、映画では不気味な少年として描かれていました。
そんなブラックココは、劇中で、寝ているデデに、
とある行動を起こすのですが、その真意は最後まで明かされぬまま。
とんだサイコパス野郎です。
《浴女たち》 のモデル、アンドレが、
実は、息子で映画監督のジャン・ルノワールと結婚していた (のちに離婚) ことなど、
ルノワールの周辺人物の話が、次々に登場するのは、興味深かったですが。
全体を通して、何を伝えたいのかよくわからない映画でした。
終始、フワフワ。
ラストの尻切れトンボ感もハンパなし。
まるで、ルノワールという人物の印象を描いているような映画。
印象派映画。
(星1.5つ)
~映画に登場する名画~
《浴女たち》
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Film:37 『ルノワール 陽だまりの裸婦』
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