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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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吉岡徳仁 スペクトル

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資生堂ギャラリーで開催中の “吉岡徳仁 スペクトル” に行ってきました。

資生堂


会場に入る前から、期待で胸が高まっています。
というのも、“吉岡徳仁―クリスタライズ” (東京都現代美術館 2013年) での吉岡徳仁体験 (?) が、
あまりにも鮮烈で、今でも光に包まれたあの展示空間をハッキリと覚えているほど、だからです。
きっと今回も、スゴい体験が待っているに違いありません!


そう思って、階段を下りていくと・・・・・あれっ?

「もしかしたら、資生堂ギャラリーじゃないところに来ちゃった (汗)??」

何度も通っている場所なのに、初めて訪れたかのような感覚に陥りました。
逆デジャヴ?

しばらく階段の踊り場に佇んで、その理由に気が付きました。

「あ、ここに壁が出来て、地下空間を見下ろせなくなっているのか!」

ちなみに、今回のために設置された壁には、吉岡徳仁さんのドローイングが描かれています。

壁


そして、その壁のわきには、謎の仕切り。
なんだか食品工場のようです。

食品工場


仕切りを抜けると、展示空間であった。
それも、霧が立ち込める展示空間でした。

切り


なるほど!
だから、吹き抜け空間を塞ぐように壁が設置されていたのですね。
だから、階段の途中に仕切りがあったのですね。
ちなみに、霧のため、エレベーターは極力使用出来ません。徹底しています。

エレベーター


と、そんな霧で満たされた空間で展開されているのが、
吉岡徳仁さんの新作インスタレーション作品、その名も 《スペクトル》

スペクトル


無数に伸びる虹の光線が会場を満たしていました。
幻想的というよりも、神秘的。
一瞬、「天国に来ちゃった?」 とマジで思って、焦ってしまったほど。

鑑賞者


逆光に照らされた他の鑑賞者さんが、あっちの国の世界の住人に見えました。
もしくは、『プロジェクトX』 のオープニングの人たちに見えました。




この無数の虹を生み出しているものの正体は、一辺10cmの三角柱のプリズムガラス。

プリズム


このプリズムガラスの背後から、ゆっくりと動く光を放つことで、
さまざまな大きさの虹の光線が、何十本何百本と誕生しているのだそうです。

壁


発表されているのは、この作品オンリー。
1点豪華主義な展覧会です。
ただ、物足りなさは全く感じません。
ひたすらボーっとこの空間に浸るも良し、無数の虹の光線を浴びるも良し、
オルセー美術館の展示室にも常設されているベンチ 《Water block》 に座って瞑想するも良し。

ベ地


楽しみ方は無数にありそうです。
何度も通えば、何度も新しい発見に出会えそう。
違う見え方に出会えそうです。
それこそ、プリズムのように。
星星
一つだけ残念なのが、展覧会が3月26日に終わってしまうということ。
この素敵な空間がそのうち無くなってしまうことに、早くもロス状態です。




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