今年2017年は、ロシア革命から100年、
そして、ロマノフ王朝が滅亡してから100年目という節目の年・・・・・なのだそうです。
それを記念して、現在、東洋文庫ミュージアムでは、
“ロマノフ王朝展―日本人の見たロシア、ロシア人の見た日本―” が開催されています。
なんとなく名前は耳にしたことがありますが、名前以外、特に何も知らないロマノフ王朝。
そんな僕のように、ロマノフ王朝に疎い方も、どうぞご安心を。
イラスト満載のわかりやすいキャプションが、会場の随所に用意されています。
歴代の皇帝もイラストで紹介。
これだと、頭にすっと入ってきます。
ちなみに、エルミタージュ美術館とかかわりの深いあの人も、ロマノフ王朝の皇帝です。
愛人が数百人もいたのだとか。
美術品だけでなく、愛人のコレクションもスゴかったのですね。
さてさて、展覧会には、ロマノフ王朝に関するあれやこれやが展示されているわけですが。
目玉は何と言っても、全10巻が初公開されている 《魯西亜国漂舶聞書》 です。
ロシアへの漂流民として知られる大黒屋光太夫ら。
彼ら17人は、漂流ののち、愛人が数百人いるエカチェリーナ2世に帰国を願い出るため、
足かけ10年 (!) 、距離にして1万キロ (!) にも及ぶ真冬のシベリアを横断しました。
《魯西亜国漂舶聞書》 には、そんな彼らの奮闘ぶりが綴られています。
『猿岩石日記』 よりも、涙なしには読めない本です。
また、昨年12月にプーチン大統領が来日した際に、
安倍首相が複製をプレゼントして話題となった 《プチャーチン来航図》 の原本も出展されています。
盛大に見送られているので、さぞ大きな船なのだろうと思いきや・・・
意外と小さ目。
実は、こちらの船は、安政の大地震に襲われ、
船を失ってしまったプチャーチン一行のために、日本の人々が作ってあげたものなのだそうです。
つまり、日本とロシアの友情が生んだ船。
描かれているのは、それを見送る感動的な場面です。
こちらも泣けます。
他にも、ドストエフスキーの 《カラマーゾフの兄弟》 の初版本や、
江戸時代後期にシベリアに漂流した太十郎に、
皇帝アレクサンドル1世がプレゼントしたという上着など、
貴重な品の数々が展示されていました。
ロシアがきっと好きになる、
ピロシキかボルシチがきっと食べたくなる展覧会です。
ちなみに、個人的に一番印象に残っているのは、《環海異聞》 。
ロシアに漂流したのち、日本に送ってもらうついでに、
日本人で初めて世界一周を果たすこととなった15人の船員による記録です。
その中には、観覧車らしきものの姿が。
この本が出版された1807年には、世界には、すでに観覧車的なものが存在していたのですね。
そして、謎の船も存在していたようです。
何だコレ?
そうそう。教科書でお馴染みのあの絵も展示されていました。
初めて実物を目にして、ちょっと感動すら覚えました。
ロシアが漁夫の利を狙ってますね。
でも、こんなに近くにいたら、気づきそうなものですが。
日本、清、まったく気づかず。
「志村うしろ!」 状態です。
あと、改めて、鑑賞してみて気づいたのですが、日本、足短すぎ。
もしかして、そこもディスられてた??
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ロマノフ王朝展―日本人の見たロシア、ロシア人の見た日本―
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