カレンダーを少し戻しまして、2012年5月21日。
この日、神秘的な金環日食の姿に、感動した日本人は多いのではないでしょうか。
その時、僕は、と言いますと。
「いよいよ。金環日食かぁ。家のベランダから、バッチリ見えるぞ!
早く、始まらないかな♪
あれっ、雲が太陽の前に
その上、大量の飛行機が
何なんだよ、この雲と飛行機は
全く、太陽が見えないじゃないか」
・・・・・ハッ、夢か∑ヾ( ̄0 ̄;ノ
まさかの夢オチ。
そう。時計を見れば、10時過ぎ。
日本中が沸いた、この奇跡の天体ショーを、寝過ごすと云う、
しょーもない結末を迎えていたのです。トホホ。
あれから数週間が経ちましたが。
“金環日食良かったよねぇ” という話を、
人から聞くたびに、いまだに凹む毎日を過ごしています。
このままでは、日常に差しさわりが出ます。
そこで!
アートテラーなら、悩みをアートの力で解決しようと、
金環日食的なアート作品を観ることで、金環日食への欲を霧散させようと思い立ったのです。
さてさて、そんな作品があるものやら・・・ありました!
“画壇の仙人” と呼ばれた熊谷守一の 《夕暮れ》 です。
(作品画像は、こちら)
厳密には、金環日食ではないかもしれませんが。
太陽と、それよりも小さな影が描かれているのですから、おおむね金環日食です (…と思いこむ)
というわけで (←前置き、長っ!)
《夕暮れ》 を観るために、 “熊谷守一美術館27周年展” を訪れてきました。
6月17日まで。
“熊谷守一美術館24周年展” の時にも訪れていますので、実に3年ぶり。
ただ、改めて、我ながら思うのは、なぜ、25周年の節目の年に行かなかったのか。
24周年に、27周年では、中途半端も中途半端です (笑)
今回の美術展には、熊谷守一美術館の所蔵品だけでなく、
個人所蔵の作品を29点借りて、合計でおよそ100点の守一作品が展観されています。
めったなことでは目にできない個人所蔵の作品が見られる貴重な美術展と言えましょう。
その中でも、一番のオススメは、 《海の図》
海に、大きな鯉。
・・・・・って、あれあれ、鯉って、淡水魚じゃない??
そんな自然界の理を、簡単に吹き飛ばしてしまうのが、守一パワー。
ごちゃごちゃしたことは考えず、
「何かもう、これでイイ!」 と思えてしまうのです。
《海の図》 にも、鯉が描かれているのですが。
今回の美術展のポスターに使われている 《どろ人形》 にも鯉が。
このどろ人形は、守一の家にあったものだそうで。
何度も、それを描いているのだとか。
その影響で、 《海の図》 にも、鯉を描いてしまったのかもしれませんね。
ユーモラスかつ力強さも感じる 《どろ人形》 の絵。
当初の目的である 《夕暮れ》 よりも、すっかり気に入ってしまい、
じ~~~~っと観ていたところ、あることに気が付いてしまいました
どろ人形のおちん○んの部分を、よ~く見ると、
パスネットにもなっている守一の代表作 《白猫》 に酷似しているのです (笑)
《どろ人形》 に隠された猫の顔。
ダ・ヴィンチ・コードならぬ守一・コードではなかろうか。
(↑大げさw)
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熊谷守一美術館27周年展
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