昨年の “はじめての古美術鑑賞 絵画の技法と表現” に引き続き、
今年も根津美術館では、“はじめての古美術鑑賞” と銘打った展覧会が7月2日まで開催されています。
シリーズ第2弾となる今回のテーマは・・・
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております。)
「紙の装飾」
古美術・・・いや、あらゆる美術のジャンルの中で、
もっともスルーされがちな “書” の作品に、少しでも興味を頂いてもらうべく、
文字は一旦脇に置いて、とりあえず書かれている紙の装飾に注目してみようと提唱した展覧会です。
・・・・・と、言われましても。
“紙を見て、何が楽しいのやら ┐(´ー`)┌”
正直なところ、半信半疑でした。
というか、完全に疑っていました。
さて、展示ケースをよく見ると、書の作品の手前に、何だか見慣れない器具が。
どうやら紙にピンポイントで光を当てるための照明器具のようです。
“いやいや、照明を当てたからって何があるってわけでも・・・・・って、え?! ”
伝小野道風 《本阿弥切》 平安時代 11−12世紀 根津美術館蔵 植村和堂氏寄贈
伝藤原公任 《尾形切》 平安時代 12世紀 根津美術館蔵
「めちゃめちゃキレイやないかい!!」
雲母 (うんも) の粉を混ぜた紙、
金泥や金箔、銀泥の装飾が施された紙が、こんなにも美しいものだったとは!
目からウロコの衝撃体験。
こんなにも食い入るように紙を鑑賞したのは、はじめてです。
伝藤原顕輔 《鶉切》 鎌倉時代 13世紀 根津美術館蔵
そもそも、この時代は、今とは違って、紙が貴重だったわけで。
さらに、その紙に、豪華な装飾が施されているわけで。
紙そのものが、一種の美術品、工芸品であることに、ハッと気づかされた展覧会でした。
古美術鑑賞が “はじめて” の方にはもちろん、馴染みがあるという方にもオススメ。
紙展覧会、もとい神展覧会です。
ちなみに、展覧会では、金や銀、雲母のキラキラ系だけでなく、
藍や丁子で染めた紙をはじめ、いろんなパターンの装飾が紹介されていました。
特に感銘を受けたのが、継紙 (つぎがみ) という技法。
藤原定信 《石山切(貫之集下)》 平安時代 12世紀 個人蔵
1枚の紙に見えますが、実は異なる紙をパッチワークのように貼り継いだものなのだそうです。
そう言われてみれば、マティスのカットアウト (切り絵) 作品のようにも見えてきました。
モダンです。
また、冷泉為恭の 《相生橋図》 の紙に用いられていたのは、墨流しという技法。
冷泉為恭 《相生橋図》 江戸時代 19世紀 根津美術館蔵 植村和堂氏寄贈
墨汁を水に垂らした際に出来る模様を紙に写し取る技法です。
西洋絵画でいうマーブリング技法に近いかもしれません。
そう言われてみれば、シュルレアリスム絵画のようにも見えてきました。
最後に、今回の展覧会の目玉作品の一つをご紹介。
国宝の 《無量義経》 です。
国宝 《無量義経》 平安時代 11世紀 根津美術館蔵
罫線は金泥で引かれ、さらに紙の全体に金箔が散らされています。
なんともゴージャスな紙に書かれたお経です。
ちなみに、『名是経第一功徳不可思議力』 の部分は、
写経する際に書き忘れるというミスがあったそうで、後から書き足されたもの。
それも、金泥で。
フォローの仕方も贅沢です。
1位を目指して、ランキングに挑戦中!(現在8位です)
下のボタンをポチッと押して頂けると嬉しいです!
今年も根津美術館では、“はじめての古美術鑑賞” と銘打った展覧会が7月2日まで開催されています。
シリーズ第2弾となる今回のテーマは・・・
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております。)
「紙の装飾」
古美術・・・いや、あらゆる美術のジャンルの中で、
もっともスルーされがちな “書” の作品に、少しでも興味を頂いてもらうべく、
文字は一旦脇に置いて、とりあえず書かれている紙の装飾に注目してみようと提唱した展覧会です。
・・・・・と、言われましても。
“紙を見て、何が楽しいのやら ┐(´ー`)┌”
正直なところ、半信半疑でした。
というか、完全に疑っていました。
さて、展示ケースをよく見ると、書の作品の手前に、何だか見慣れない器具が。
どうやら紙にピンポイントで光を当てるための照明器具のようです。
“いやいや、照明を当てたからって何があるってわけでも・・・・・って、え?! ”
伝小野道風 《本阿弥切》 平安時代 11−12世紀 根津美術館蔵 植村和堂氏寄贈
伝藤原公任 《尾形切》 平安時代 12世紀 根津美術館蔵
「めちゃめちゃキレイやないかい!!」
雲母 (うんも) の粉を混ぜた紙、
金泥や金箔、銀泥の装飾が施された紙が、こんなにも美しいものだったとは!
目からウロコの衝撃体験。
こんなにも食い入るように紙を鑑賞したのは、はじめてです。
伝藤原顕輔 《鶉切》 鎌倉時代 13世紀 根津美術館蔵
そもそも、この時代は、今とは違って、紙が貴重だったわけで。
さらに、その紙に、豪華な装飾が施されているわけで。
紙そのものが、一種の美術品、工芸品であることに、ハッと気づかされた展覧会でした。
古美術鑑賞が “はじめて” の方にはもちろん、馴染みがあるという方にもオススメ。
紙展覧会、もとい神展覧会です。
ちなみに、展覧会では、金や銀、雲母のキラキラ系だけでなく、
藍や丁子で染めた紙をはじめ、いろんなパターンの装飾が紹介されていました。
特に感銘を受けたのが、継紙 (つぎがみ) という技法。
藤原定信 《石山切(貫之集下)》 平安時代 12世紀 個人蔵
1枚の紙に見えますが、実は異なる紙をパッチワークのように貼り継いだものなのだそうです。
そう言われてみれば、マティスのカットアウト (切り絵) 作品のようにも見えてきました。
モダンです。
また、冷泉為恭の 《相生橋図》 の紙に用いられていたのは、墨流しという技法。
冷泉為恭 《相生橋図》 江戸時代 19世紀 根津美術館蔵 植村和堂氏寄贈
墨汁を水に垂らした際に出来る模様を紙に写し取る技法です。
西洋絵画でいうマーブリング技法に近いかもしれません。
そう言われてみれば、シュルレアリスム絵画のようにも見えてきました。
最後に、今回の展覧会の目玉作品の一つをご紹介。
国宝の 《無量義経》 です。
国宝 《無量義経》 平安時代 11世紀 根津美術館蔵
罫線は金泥で引かれ、さらに紙の全体に金箔が散らされています。
なんともゴージャスな紙に書かれたお経です。
ちなみに、『名是経第一功徳不可思議力』 の部分は、
写経する際に書き忘れるというミスがあったそうで、後から書き足されたもの。
それも、金泥で。
フォローの仕方も贅沢です。
1位を目指して、ランキングに挑戦中!(現在8位です)
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