今年で、60回目を迎える “世界報道写真展”。
毎年、世界中の約100会場で開催される世界最大規模の写真展です。
今年2017年は、125の国と地域から5034人 (!) のフォトグラファーが参加。
80408点 (!!) の応募作品から選ばれた45人の受賞作品が、
現在、約100会場のうちの1つ東京都写真美術館で紹介されています。
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております。)
栄えある大賞に選ばれたのは、トルコのブルハン・オズビリジ氏の作品。
昨年12月、トルコの首都・アンカラで開かれた写真展で、
現地の警察官が駐トルコ・ロシア大使を射殺するというショッキングな事件がありました。
その会場にたまたま居合わせたのが、ブルハン・オズビリジ氏。
自分も撃たれるかもしれないという恐怖と闘いながらも、その様子を撮影し続けのだそうです。
それが、この1連の写真作品。
目にした瞬間に、現場の緊迫とした空気が、ダイレクトにヒリヒリと伝わってきました。
不謹慎なようですが、まるでハリウッド映画や、
『24 -TWENTY FOUR-』 のワンシーンを見ているかのように感じられました。
でも、もちろん、これは現実に起きたこと。
そう思って改めて見てみると、より衝撃的。
報道写真家の性を感じずにはいられない、
そして、報道写真家の必要性を感じずにはいらなれない作品でした。
さてさて、世界各地の “現在” を写した写真で構成される世界報道写真展。
この他にも、シリアやウクライナでの紛争や
“フィリピンのトランプ” ことドゥテルテ大統領による麻薬撲滅戦争、
イスラム国(IS) や難民問題などを題材にした、
思わず目を背けたくなるような (でも、目を背けてはならない!) 写真の数々が紹介されています。
展示作品はそう多くないですが、精神的にジワジワと効いてくる展覧会でした。
ちなみに、それらの写真に交じって、こんな写真作品も。
“うわ~・・・テロ??”
凄惨な光景に、ドン引きしてしまったのですが。
え?あ?ん??キャプションを思わず二度見。
実は、こちらは、スペイン南東部のイビで、毎年12月28日に行われている祭りの光景とのこと。
住民が2チームに分かれて、小麦粉や卵を投げ合い、
爆竹などを打ち鳴らして “クーデターごっこ” を繰り広げるのだとか。
何も、ここまで本格的にやらなくても。。。
ドン引きして損しました。
いつか、『世界の果てまでイッテQ!』 で取り上げてもらいたいものです。
・・・とこのように、“報道写真=凄惨な写真” というわけではありません。
ボルトの余裕っぷりを余すことなく伝えるスポーツ写真や、
なぜかグラビアポーズを取る野生のパンダを紹介した動物写真もありました。
個人的に一番惹かれたのは、ハンガリーのベンセ・マテ氏による幻想的な動物写真です。
あまりにファンタジックな光景なので、CGのように思えますが。
なんと実写。
動物たちの自然な姿を映し出すために、水飲み場にカメラとフラッシュだけを設置。
1分に1回のペースで、自動的にカメラがシャッターを切るそうです。
そうして撮影された膨大な写真の中で、偶然に映し出されていた奇跡のショット。
カバ、グッジョブです。
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世界報道写真展2017
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