浦澤直樹の漫画 『PLUTO』 。
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その原作にもなっている 『鉄腕アトム』 の名エピソード…
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『地上最大のロボット』 をもじった “「地上最大の手塚治虫」展” が、7月1日まで開催されています。
手塚治虫を取り上げた展覧会と言えば・・・。
3年前に江戸東京博物館で開催された “手塚治虫展~未来へのメッセージ~” が、記憶に新しいところ。
正直に言って、あの展覧会は、大規模なわりには、イマイチ乗り切れない内容でした。
それだけに、今回も、イマイチなのではないでしょうか。
そもそも開催場所が、世田谷文学館というのも、不安要素です。
漫画も文学に含めちゃっていいのでしょうか。
と、不安ながらも、気にはなる性分なので、
自分の目で確かめるべく、世田谷文学館を訪れてきました。
・・・で、自分の目で確かめた率直な感想は、
「星2つです!!()」
手塚治虫の魅力を最大限に引き出した素晴らしい展覧会でした。
江戸博での手塚治虫展を観終わった後は、特に手塚作品を読みたいとは思わなかったのですが。
今は、無性に、手塚治虫作品が読みたい!
というか、すでに、展覧会の影響を受けて、手塚治虫作品を何冊か読んじゃいました。
今回の手塚治虫展の地上最大のポイントは、その切り口にあります。
“「マンガの神様」とも呼ばれた手塚治虫に、〈読者〉はどう向きあうのか。
本展ではこの問いに挑みます。(公式HPより抜粋)”
ただ単に、手塚治虫は、どういう人物かを掘り下げるのではなく。
手塚治虫作品の読み手側に主題を置いたのは、
文学館ならではの切り口で、非常に新鮮に感じました。
全部で5章からなる、今回の展覧会。
一番最後の章が、実際の手塚治虫の作品を手に取って読める読書コーナーに設定されています。
でも、そこに辿り着く前に、
・手塚治虫という人間は、どんな人物なのか。
・手塚治虫が生きた時代背景は、どうだったのか。
・手塚治虫が考案した “スターシステム” とは何か。
・手塚治虫が漫画で重視したストーリー性とは何か。
手塚作品を読むための基礎ガイドとして4つの章が、展開されています。
その4つのプロセスを経た上で、手塚治虫作品を実際に手に取る。
この展覧会の構成のおかげで、
僕のように手塚治虫作品ビギナーでも、十分に楽しめる内容になっていました。
また、ガイドは、パネルだけではなく、
自筆原稿・原画、掲載誌、愛用品、関連資料など約350点にも及ぶ展示品を交えてのもの。
そのラインナップには、手塚治虫ファンも納得の内容ではないでしょうか。
実に、あらゆる読者を想定して考えられた展覧会です。
手塚治虫ガイドとして、真面目に楽しめる一方で。
『リボンの騎士』 のサファイアがいたり、
ブラック・ジャックがいたり、
僕が唯一リアルタイムで見てた手塚アニメ 『見つ目がとおる』 に登場する・・・
「赤いコンドル」 の実物大模型などが展示されていたり。
手塚ワールド全開の賑やかな会場は、純粋に楽しかったです。
まさに、 “地上最大” の名に相応しい手塚治虫展と言えましょう。
ちなみに。
今回の展覧会のハイライトは何と言っても、
『ブラック・ジャック』 の第49話 「二つの愛」 が、まるまる生原稿で読めるところ。
生原稿ということだけで、十分、感動的でしたが。
ストーリーにも、普通に感動。
また、スターシステムが用いられている回で、
『リボンの騎士』 のサファイアが、登場人物のひとりとして出ているのにも必見です。
(スターシステム…他の漫画の登場人物が、映画のスターのように、別の役で登場するシステム)
さてさて、展覧会で手塚治虫展を、存分に楽しんだ帰りのこと。
宝くじ売り場で、火の鳥のスクラッチくじが発売されているのが、目に留まりました。
普段なら、くじ運のなさを自覚しているので、絶対に宝くじは買わないのですが。
タイミングの良さに運命のようなものを感じて購入。
そして、その結果・・・
見事にハズれました。
「マンガの神様」 の力をもってしても、
くじ運はアップしなかったらしいです(笑)
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「地上最大の手塚治虫」展
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