昔、あるところに一人の貧乏な男がいた。
貧乏な生活を抜け出そうと観音様に願掛けしたところ、偶然1本のわらしべを手に入れる。
やがて、そのわらしべはミカンと交換することになり、ミカンは反物と交換することになり。
最終的に、男は大きな屋敷を手に入れるに至る。
人は彼を、こう呼んだ。
わらしべ長者と。
先日、ついに 「アートテラー的お茶漬け生活」 が完結。
多くの方からメッセージまで頂き、それはそれは感動的なフィナーレだったのですが。
一つだけ、頭を抱えたくなる現実がありました。
それは、出費の大きさ。
ハガキを大量に購入したり、最後に箱買い+10袋購入したりで、5万円近くかかりました。
それ以外にも、美術館の鑑賞料やら交通費やら、
国宝ハンターでの高速バス代やら、とかくこのブログは出費が多い!
にもかかわらず、アフィリエイトなどとは無縁なので1円も収入がありません。
このままでは限界を迎えてしまう!!
そんなブログのピンチを救うべく、本日より新企画が始動します。
それが・・・
ルールは単純。
美術品を手に、銀座を代表するギャラリーの数々を訪問し、
昔話 『わらしべ長者』 のように、物々交換してもらおうという企画です。
最終的に、どんな作品に変わるのか。
実に夢のある企画です。
さて、元手 (?) となるのは、我が家に唯一あるアート作品。
日本画家・阿部瑞樹さんの 《月の声》 という作品です。
今から8年前に、当時の生活費を削りに削って、
オークションで落としたという思い入れの強い作品。
(その奮闘の模様は、こちらに⇒Mission4 オークションで落札せよ!)
落札以来、ずっと我が家に飾ってあります。
嬉しいことも悲しいこともみな知ってるこの作品とお別れするのは寂しいですが。
これも企画のため。
致し方ありません!
というわけで、記念すべき最初の画廊にやってきました。
いつも元気いっぱいの山田聖子社長がオーナーを務める靖山画廊。
歌舞伎座の真向かいにあるギャラリーです。
ちなみに、靖山画廊の 「靖山画廊」 という文字は、
片岡球子が揮毫してくれたのだとか。
確かに、言われてみれば、文字に味わい深さがあります。
さて、僕が訪れたときは、
“中島敦子 漆展” という漆芸の展覧会が開催されていましたが。
(現在は、“ワタべカズ展”[10月10日(火)~2017年10月20日(金)] が絶賛開催中!)
漆芸に限らず、日本画、洋画、油絵、写真、彫刻など、古典も現代アートも関係なく、
山田社長が純粋に 「面白い!」 と思った作家を紹介しているのが、靖山画廊の一番の特徴です。
では、いよいよ本題。
「とに~さんが、どんな絵を持ってくるのか、今日は楽しみにしていましたー♪」
と、いつものように明るく元気な山田社長。
しかし、一たび絵を前にすると、途端に口数が少なくなりました。
“えっ?!僕はお気に入りの絵なんだけど、プロの目から見るとそうでもないのかなァ・・・”
と不安でいっぱいに。。。
すると、山田社長の口から、こんな言葉が飛び出しました。
「いや、予想していたより、イイ絵!ビックリした!」
ホッと一安心です。
アートテラーとしても、なんとか面目を保てそうです。
「たいしたことない絵を持ってこられたら、どうしようかと思ってたけど (笑)
でも、これはこれで困ったわね。交換する絵を真剣に考えなきゃ」
そう言って、収蔵庫へと消える山田社長。
15分経過
1枚の絵を抱えて、山田社長が戻ってきました。
「何と交換するか、すっごく悩んだけど、この作品はどうかしら?
阿部瑞樹さんって作家さんは、若いのに日本画の基礎がしっかりしてるのよ。
だから、同じくらいの年齢で、かつ日本画の基礎がしっかりしているツジモトコウキ先生の作品」
人気急上昇中で、これからさらにブレイクすること間違いなしの作家。
そう山田社長が太鼓判を押すだけあって、完成度が抜群に高いです。
しかも、世界観も確立しています。
交換によりサイズこそ小さくなりましたが、その分、ギュッと濃縮した印象です。
ちなみに、阿部瑞樹さんは普段は自動車を日本画で描く作家であって、
彼による美人画は、おそらくこの1点であることを山田社長に伝えたところ・・・
(彼のHPを見るに、どうやらいまだに描いていないようです)
「この子は、人物を描いたほうが、絶対もっと売れると思う。
とに~さんのせいで人物を描いていないんだったら、早く本人に伝えてあげたほうがいいわよ!」
阿部さん、申し訳ありません。
もし、このブログを読まれていたら、
これからは僕に気にせず、好きな絵を描いてください!
というわけで、月の女神の絵から、月のクジラの絵に。
意外な変身を遂げました。
この先、どう変身していくのか。
今後の展開にご期待くださいませ。
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わらしべ長者生活
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