アートテラー・とに~が信じる美術に関する説を検証していく企画 『水曜日のアートテラー』。
【検証2日目】
この日は、内覧会に出席する予定が3件もある過密スケジュール。
内覧会で出会えればラッキーですが、出会えない可能性のが大。
合間を縫って、いかに食べ物が描かれた絵画を観られるかがポイントになります。
この日、1件目の内覧会は、パナソニック汐留ミュージアムの “ヘレンド展”。
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております。)
ハンガリーを代表する高級磁器窯ヘレンドの歴史的名品およそ150件が一堂に会する展覧会です。しかし、今回のチャレンジは、あくまで絵画限定。
絵付けされた磁器は、ノーカウントとなります。
つまり、この展覧会で食料をゲットする可能性は、はなから0%です。
“あー、この皿に何か載せ (て食い) たいなァ・・・。
あー、このカップに何か入れ (て飲み) たいなァ・・・。”
今の僕には、目に毒な展覧会でした (笑)
さてさて、次の予定は、14時より。
時間的には、1館くらいは訪れられる余裕があります。
どこを選ぶか。
この日最初の食事がかかった大事な決断です。
「よし、東京ステーションギャラリーにしよう!」
開催されていたのは、“鉄道絵画発→ピカソ行 コレクションのドア、ひらきます” という展覧会。
東京ステーションギャラリー初となる大規模なコレクション展です。
当たり前ですが、鉄道をテーマにした絵画が多め。
やっぱり食べ物なんて描かれてないよなぁ・・・と思った次の瞬間です。
「あ、バナナだ!」
中村宏さんの 《ばななと車窓》 という、
まさにこの企画のために描かれたような絵画と遭遇。
見事、バナナをゲットしました。
・・・・・とは言ったものの。
もしも、『新・食わず嫌い王決定戦』 に出演する日が来たなら、
バナナを正解にしようと思っていたくらいに、実は、バナナが大の苦手な僕。
しかし、この日は朝から何も食べていないので、背に腹は代えられません。
無理やり押し込むように食べました。
さらに、東京ステーションギャラリーでは、もう一つの奇跡が
斎藤吾朗さんの 《軽井沢駅物語》 という作品を、じーっと観ていたところ・・・
立ち食いそばを発見!
まさか、このチャレンジ中に立ち食いそばが食べられるとは!!
斎藤吾朗さん、ありがとう。
僕はあなたのことを一生忘れないでしょう。
立ち食いそばを食べ、身も心も温まった後は、
世田谷美術館の “ボストン美術館 パリジェンヌ展” の内覧会へ。
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております。)
ポスターのメインビジュアルにもなっている・・・
マネの 《街の歌い手》 で女性が食べているのは、ブドウだと信じて疑わなかったのですが。
なんと、ブドウでなく、さくらんぼとのこと。
ガーン。サクランボは、この時期、売ってないのです (泣)
ブドウで水分を確実にゲットしようとした当初の目論見は崩れましたが、
ルイ=レオポルド・ボワイー 《アイロンをかける若い女性》 という絵 (手前) を何気なく見ていると、
水差しに入った水が描かれているのを発見。
チャレンジ2日目にして、待望の水をゲットです。
これで生き長らえます。
水、うめー。
さてさて、この日ラストの内覧会は、国立新美術館の “20th DOMANI・明日展” 。
文化庁の在外研修制度 (新進芸術家海外研修制度) により、
海外派遣された若手芸術家の成果発表の場として、1998年より毎年開催されている美術展です。
ここ10年ほど毎年のように訪れているので、大体イメージは湧きます。
“まぁ、この展覧会には食べ物が描かれた絵画なんて無いよなァ・・・”
と、全く期待していなかったのですが。
予想だにしなかった展開が、僕を待ち受けていました。
「えっ?えっえっ??食べ物だらけじゃーん!!」
クロワッサンにチョコレートに寿司に。
他にも、美味しそうなものが沢山。
これらの絵を描いたのは、フランス在住の田中麻記子さん。
フランスでの生活を機に始めた水彩画による 「食べ物シリーズ」 で、
アートブック 『La collection gastronomique』 を出版しているという、
まさにこの企画のために生まれたかのようなアーティストです (←んなわけない!)
La collection gastronomique/HeHe
こちらが、田中麻記子さんご本人。
感激のあまり、今チャレンジ中の企画のことを、田中さんにお伝えしました。
すると、
「それ、面白い!」
と、ノリノリ。
面白がって、「カクテルもあるよ」 「これはチーズね」 と、いろいろと教えてくれました。
女神にのようなお方です。
さてさて、そんな女神のおかげで、今日は食べ物選びに困ってしまうほど。
今の気分は、カレーライスです。
念のため、田中さんに、
「これって、カレーですよね?」 と確認してみたところ・・・
「カレーじゃなくて、フェジョアーダ。ブラジルの国民食の」
とのこと。
レア度が高すぎる食べ物です。
・・・・・フェジョアーダは、諦めます。
というわけで、この日の夕食は、以下の通り。
ご馳走さまでした。
“この企画、結構余裕なんじゃないの?”
そんな風に思ってられたのも、この日まで。
3日目4日目に待ち受けていた展開とは?!
チャレンジは、現在も続いています。
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