根津美術館で開催中の展覧会、“香合百花繚乱” に行ってきました。
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております。)
こちらは、手のひらサイズというその愛らしさから、
茶の湯の道具のなかでも特に人気の高い香合に焦点を当てた展覧会で、
根津美術館が所蔵するものを中心に約170点の香合が紹介されています。
香合とは、その名の通り、香を収納する蓋付きの容器のこと。
今回の展覧会では、参考として香の数々も紹介されていました。
さてさて、一口に、香合といっても、その素材や形状はさまざま。
やきもののシブい香合もあれば、
蒔絵のゴージャスな香合もあります。
また、日本製だけでなく中国製、つまり唐物の香合もあります。
これだけバリエーションがあると、コレクター魂が疼くというもの。
事実、江戸時代 (1885年) には、「形物香合番付表」 なるものが出版されていたようで、
当時のコレクターの垂涎の的だった200種以上の香合が順位付けされ、楽しまれていたようです。
ところで、上のパネルのなかで赤文字になっているのは、
今回の展覧会で出展されている根津美術館所蔵の香合とのこと。
根津美術館が、これほどまでに人気香合を多くコレクションしていたとは!
そして、今回、惜しげもなく公開しているとは。
香合好き、茶道具好きには、たまらない展覧会です。
ちなみに、番付で最高位の大関クラスの香合が、こちらの 《交趾大亀香合》 です。
《交趾大亀香合》 漳州窯 施釉陶器 中国・明時代 17世紀 根津美術館蔵
サイズ感やフォルムも可愛かったですが、
それ以上に可愛かったのが、その口元でした。
「ミッ●ィー?!」
あっちはウサギで、こっちはカメ。
バッテンの口というキャラ設定に辿り着いたのは、カメのほうが早かったようです。
その他に、今回出展されていた中で印象的だった香合は、
やはり一度耳にしたら忘れないネーミングの 《色絵ぶりぶり香合》 でしょうか。
野々村仁清 《色絵ぶりぶり香合》 施釉陶器 日本・桃山時代 16世紀 根津美術館蔵
ぶりぶりざえもん的なものを想像していたのですが、案の定、違いました (笑)
平安時代から江戸時代くらいまで、
木製の毬を相手陣に打ち込む、今でいうホッケーのような遊びがあったそうです。
その毬を打つための木製の杖のことをぶりぶり、
または、振々毬杖 (ぶりぶりぎっちょう) と呼んでいたのだとか。
正しい意味を知った途端、面白みが半減してしまいました (笑)
個人的に一番印象に残っているのは、こちらの 《染付象型香合》 です。
鼻が長いということ以外、象感なし。
ポーズもなんだし、目つきもなんだし。
全身の模様は、気持ち悪いし。
でも、なぜか不思議な魅力はあります。
どことなく、さくらももこを彷彿とさせるものがありました。
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香合百花繚乱
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