上野の森美術館の春の恒例企画 “VOCA展” に行ってきました。
VOCA展 (ヴォーカ展) とは・・・
全国の美術館学芸員、ジャーナリスト、研究者などに40才以下の若手作家の推薦を依頼し、
その作家が平面作品の新作を出品するという方式で、全国各地の未知の優れた才能を紹介する美術展
です。
ちなみに、平面作品とありますが、絵画に限らず、写真や映像も可。
“厚さ20㎝以内であれば平面とみなす” ので、薄い立体作品もルール上は可です。
過去には、村上隆さん、奈良美智さん、会田誠さん、蜷川実花さんらもVOCA展に出展。
いうなれば、若手の登竜門的な展覧会です。
さてさて、VOCA展は、今年でちょうど25年目。
そんなメモリアルな回に見事VOCA賞を受賞したのは、碓井ゆいさんです。
実は、約1か月前に、とある仕事で碓井さんご本人にインタビューを敢行し、
受賞作の 《our crazy red dots》 については、もろもろお話を伺っていたのですが。
(そのインタビューの模様はこちらに↓
【特別インタビュー】碓井ゆい(2018年VOCA賞)&木川博史(ホルン・NHK交響楽団))
実物を目にするのは、今回が初めて!
HP上の画像や図版で見るよりも、断然、実物のほうが良かったです。
「日の丸」 を連想させるさまざまな素材が、
クレイジーキルトの技法で縫い付けられています。
若き日の草間彌生さんらしき姿もあれば、
血痕のようなものも。
ポップであったり、不穏であったり、政治的であったり。
赤い丸というシンプルなデザインが、いろんな意味を持っていることを実感させられます。
見た目のオモシロさ美しさだけでなく、きちんと考えさせられる作品。
VOCA賞を受賞するのも納得の完成度です。
そんな碓井さんの作品の印象が強すぎて、
他の作品がうっすら霞んでしまった感は、否めませんが。
ここからは、個人的に気になった作品をいくつかご紹介いたしましょう。
まずは、アニメーション作家として知られる水江未来さん。
今回のVOCA展には、ドローイング作品を出展していました。
画面上にビッシリと描かれているのは、謎の記号。
その数、なんと3700個。
顔のようであり、生物のようであり、古代の文字のようであり。
驚くべきは、1つも同じものがないということ。
無意味な記号の羅列であるはずなのに、
これほどの数が並ぶことで、何か宇宙や神からのメッセージであるような気すらしてきました。
解読してみたくなります。
カラフルで大きな作品が多く出展されていた中で、
異彩を放っていたのが、田幡浩一さんの 《one way or another(white asparagus)》 でした。
画面が左右で分断されてはいるものの、
全体的な印象としては、シンプルでオーソドックスな絵画作品です。
特別、新しい感じはしません。
しかし、印象的だったのは、その展示スタイル。
作家はこの小さな絵画作品を、あえて広い壁面に展示するよう指示しました。
展示光景としては、こんな感じ↓
白い巨大な壁に白い小さなパネル、そこにポツンとホワイトアスパラガス。
なんだか全てが意味ありげに思えます。
なんか意味深。
惹かれるわけでもないし、作品から迫ってくるものがあるわけでもなし。
でも、ついその存在が気になってしまう。
今までに食べたことがない味がする作品でした。
ちなみに、“未知の優れた才能を紹介する美術展” と言いつつも、
つい先日まで東京都庭園美術館での展覧会にも参加していた双子のアーティストユニット、
髙田安規子・政子さん (←普通に売れっ子アーティスト) の新作も出展されていました。
エアメールの切手がジグソーパズルになっている、
なんとも儚げで、なんともセンチメンタルな作品です。
最後に紹介したいのは、今回一番グッと・・・いや、ドキッとした作家・林葵衣さんです。
パッと見、口紅みたいと思ったら、本当に口紅を使った作品でした。
林さんは、声を発しながらカンヴァスに口紅の痕跡をとどめる、
「唇拓」 という独自の手法で、話された言葉と音を形として定着させるアーティストとのこと。
あの赤い部分は、まさにルージュの伝言というわけです。
実際、どんな風に 「唇拓」 しているのか。
気になって調べてみたところ、Youtubeに映像がありました。
早速、再生。
・・・・・・・。
妙にドキドキしてしまいました (笑)
1位を目指して、ランキングに挑戦中。
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VOCA展 (ヴォーカ展) とは・・・
全国の美術館学芸員、ジャーナリスト、研究者などに40才以下の若手作家の推薦を依頼し、
その作家が平面作品の新作を出品するという方式で、全国各地の未知の優れた才能を紹介する美術展
です。
ちなみに、平面作品とありますが、絵画に限らず、写真や映像も可。
“厚さ20㎝以内であれば平面とみなす” ので、薄い立体作品もルール上は可です。
過去には、村上隆さん、奈良美智さん、会田誠さん、蜷川実花さんらもVOCA展に出展。
いうなれば、若手の登竜門的な展覧会です。
さてさて、VOCA展は、今年でちょうど25年目。
そんなメモリアルな回に見事VOCA賞を受賞したのは、碓井ゆいさんです。
実は、約1か月前に、とある仕事で碓井さんご本人にインタビューを敢行し、
受賞作の 《our crazy red dots》 については、もろもろお話を伺っていたのですが。
(そのインタビューの模様はこちらに↓
【特別インタビュー】碓井ゆい(2018年VOCA賞)&木川博史(ホルン・NHK交響楽団))
実物を目にするのは、今回が初めて!
HP上の画像や図版で見るよりも、断然、実物のほうが良かったです。
「日の丸」 を連想させるさまざまな素材が、
クレイジーキルトの技法で縫い付けられています。
若き日の草間彌生さんらしき姿もあれば、
血痕のようなものも。
ポップであったり、不穏であったり、政治的であったり。
赤い丸というシンプルなデザインが、いろんな意味を持っていることを実感させられます。
見た目のオモシロさ美しさだけでなく、きちんと考えさせられる作品。
VOCA賞を受賞するのも納得の完成度です。
そんな碓井さんの作品の印象が強すぎて、
他の作品がうっすら霞んでしまった感は、否めませんが。
ここからは、個人的に気になった作品をいくつかご紹介いたしましょう。
まずは、アニメーション作家として知られる水江未来さん。
今回のVOCA展には、ドローイング作品を出展していました。
画面上にビッシリと描かれているのは、謎の記号。
その数、なんと3700個。
顔のようであり、生物のようであり、古代の文字のようであり。
驚くべきは、1つも同じものがないということ。
無意味な記号の羅列であるはずなのに、
これほどの数が並ぶことで、何か宇宙や神からのメッセージであるような気すらしてきました。
解読してみたくなります。
カラフルで大きな作品が多く出展されていた中で、
異彩を放っていたのが、田幡浩一さんの 《one way or another(white asparagus)》 でした。
画面が左右で分断されてはいるものの、
全体的な印象としては、シンプルでオーソドックスな絵画作品です。
特別、新しい感じはしません。
しかし、印象的だったのは、その展示スタイル。
作家はこの小さな絵画作品を、あえて広い壁面に展示するよう指示しました。
展示光景としては、こんな感じ↓
白い巨大な壁に白い小さなパネル、そこにポツンとホワイトアスパラガス。
なんだか全てが意味ありげに思えます。
なんか意味深。
惹かれるわけでもないし、作品から迫ってくるものがあるわけでもなし。
でも、ついその存在が気になってしまう。
今までに食べたことがない味がする作品でした。
ちなみに、“未知の優れた才能を紹介する美術展” と言いつつも、
つい先日まで東京都庭園美術館での展覧会にも参加していた双子のアーティストユニット、
髙田安規子・政子さん (←普通に売れっ子アーティスト) の新作も出展されていました。
エアメールの切手がジグソーパズルになっている、
なんとも儚げで、なんともセンチメンタルな作品です。
最後に紹介したいのは、今回一番グッと・・・いや、ドキッとした作家・林葵衣さんです。
パッと見、口紅みたいと思ったら、本当に口紅を使った作品でした。
林さんは、声を発しながらカンヴァスに口紅の痕跡をとどめる、
「唇拓」 という独自の手法で、話された言葉と音を形として定着させるアーティストとのこと。
あの赤い部分は、まさにルージュの伝言というわけです。
実際、どんな風に 「唇拓」 しているのか。
気になって調べてみたところ、Youtubeに映像がありました。
早速、再生。
・・・・・・・。
妙にドキドキしてしまいました (笑)
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