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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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AUDIO ARCHITECTURE:音のアーキテクチャ展

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現在、21_21 DESIGN SIGHTで開催されているのは、
“AUDIO ARCHITECTURE:音のアーキテクチャ展” という展覧会です。




アーキテクチャ、つまり構造物。
構造物と聞くと、自然と建築を連想してしまいますが。
音色やリズムなど、さまざまな要素によって緻密にデザインされた音楽もまた、実は構造物。
そんな 「構造物としての音楽」 に焦点を当てた、
おそらく世界初の・・・少なくとも僕が知る限りでは初の展覧会です。


今回の展覧会の会場デザインは、こんな感じ↓




音楽がテーマということで、会場はまるでライブハウスのよう。
いや、若干パリピーなクラブのようでした。
全体的に、照明は暗めなので、足元には要注意。


さてさて、まず最初の展示室 (赤く丸で囲んだ部分) で紹介されているのは・・・




この展覧会のために制作された新曲 『AUDIO ARCHITECTURE』 のスタジオライブ映像です。
この曲を作曲、演奏しているのは、フリッパーズ・ギターを経て、
現在はソロユニットCornelius (コーネリアス) として活動している小山田圭吾さん。
実際の曲をご紹介できずに残念ですが、なかなかに実験的な曲です。
構造物と言えば、構造物のような。
そうでないと言えば、そうでないような。


続く展示室に設置されていたのは、巨大なモニター (赤く丸で囲んだ部分) !
そして、その向かいには、巨大な観客席も設置されています。





モニターに流れているのは、アニメーション作家の折笠良さんや、パフォーマーの梅田宏明さんら、




気鋭の8組のアーティストによる映像作品です。
それらはすべて、『AUDIO ARCHITECTURE』 を、
アーティストそれぞれの視点から解釈し、制作した映像作品。
いうなれば、『AUDIO ARCHITECTURE』 のミュージックビデオのような感じです。
抽象的でデジタルな映像作品もあれば、
街をコラージュしたような映像作品や、どこか生命体を思わせる映像作品も。




同じ楽曲でも、クリエイターによって、
こんなにもイメージがガラッと違うものなのですね。
非常に興味深かったです。
また作品によっては、かなりアガるものも。
スタイリッシュなチームラボ、といった感じでした。


ちなみに、8本の映像作品は、順番に上映されていますが、
1本あたりが、まぁまぁ長いこともあり、全て鑑賞するには、それなりに時間が必要となります。
それから、曲自体は同じなので、それなりに忍耐力も必要となります。

サクッと見たいという人は、巨大なモニターの裏側 (赤く丸で囲んだ部分) へ。




東京ビッグサイトのブースを彷彿とさせる展示スペースで、
それぞれの映像作品が、ブース (?) ごとに、ループ再生されています。
ただし、狭いし暗いので、腰を据えてゆっくりと見られる環境にはありません。。。
自然と足早に進むことになりましょう。

そんなバックヤードみたいな展示スペースがあったり、
展示空間が暗いにもかかわらず、入り口と出口が一緒だったり (ぶつかっている人も)。
音楽の構造うんぬんの前に、展示会場の構造に、やや難のある展覧会でした。
星
テーマは面白くなりそうだっただけに、なんか残念です。


ちなみに、8本の映像作品の中で、
個人的に一番しっくりきたのは、アニメーション作家の水尻自子さんが制作したもの。




『AUDIO ARCHITECTURE』 の音楽に官能性を感じたのでしょうか。
触覚を重視した映像作品に仕上げています。
確かに、『AUDIO ARCHITECTURE』 の音楽は、執拗にまとわりついてくる印象がありました。
それにしても、映像のクセがすごい。
寿司を指で撫でる、って。
新感覚のエロティシズムです。




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