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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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2018 イタリア・ボローニャ 国際絵本原画展

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夏の風物詩といえば、高校野球、稲川淳二、
そして、“イタリア・ボローニャ 国際絵本原画展” です。

毎年ボローニャで開催される児童書専門の見本市 “ボローニャ・チルドレン・ブックフェア” 。
それに伴うイベントとして、1967年から開催されているのが、
世界最大規模の絵本原画コンクールといわれる 「ボローニャ国際絵本原画展」です。
子どもの本のために描かれた作品 (5枚一組) であれば、誰でも応募が可能とのこと。
そのため、新人イラストレーターの登竜門になっているのだそう。
いうなれば、絵本界のM-1のようなコンクールです。

52回目となる今年2018年のボローニャ国際絵本原画展には、
世界約70ヶ国から、なんと3000 (!) を超える応募があったそうです。
入選したのは、25か国77人 (組) の作家。


フランシスコ・クニャ(ウルグアイ) 「ネコたちのある1日」


アリレザ・コルドゥズィヤン(イラン) 「玉ねぎの伝説」


それらの入選作を日本で一挙公開するのが、“イタリア・ボローニャ 国際絵本原画展”
毎年この時期に、板橋区立美術館で開催されているのですが。
あいにく板橋区立美術館は、2019年6月頃まで改修工事のためお休み中です。




そこで、今年は、会場を移しての開催。





成増駅より徒歩3分。
成増アートギャラリーが会場となっています。




池袋駅からドア・ツー・ドアで約15分というアクセスの良さ。
正直なところ、会場はやや手狭にはなっていますが、
アクセスに関していえば、板橋区立美術館での開催よりも、遥かにありがたかったです。
毎年、ここでもいいのに (笑)
これまで、この展覧会は気になっていたものの、
「板橋区立美術館は遠いからなァ・・・」 と二の足を踏んでいた皆様。
今年は、“イタリア・ボローニャ 国際絵本原画展” デビューする大チャンスですよ!
星


ちなみに、今回紹介されていた作品の中で、個人的に一番印象に残ったのは、
イタリアのダヴィデ・ボナッツィによる 『都会のなかの野生』 という作品です。


ダヴィデ・ボナッツィ(イタリア) 「都会のなかの野生」


都市景観の中に動物が潜んでいるというイラストシリーズ。
観覧車がクジャクだったり、ハイウェイがタコだったり。
(全点はこちらに掲載されています→http://www.davidebonazzi.com/urban-wildlife.html
発想自体はメルヘンチックなのですが、
イラストの雰囲気はその逆で、白昼夢のような寂寥感がありました。
どことなくデ・キリコの世界観に通ずるような。

日本の作家の作品では、大越順子さんの 『チーズ大作戦』 がお気に入り。


大越 順子(日本) 「チーズ大作戦」


2匹のネズミが、猫の目をかいくぐってチーズを盗もうとするお話です。
ネズミの姿がとてもキュートなのですが、
原画からは、ただ可愛いだけでない迫力めいたものが感じられました。
技法をよく見ると、アクアチントとのこと。
なんと、銅版画の作品だったのですね。
独特の質感や絵から滲み出る雰囲気は、ただものではなかったです。


“子どもの本のために描かれた作品” ということで、
子どもにウケそうなイラストが多いのかと思いきや。
むしろ、大人ウケしそうなイラストも多々ありました。
子どもも楽しめる、大人も楽しめる展覧会です。




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