県立美術館なのに、年間に1本~3本しか、特別展を開催しない千葉県立美術館。
そのため、今日まで一度も訪れる機会が無く、
千葉出身の身として、 「もっと他の県立美術館くらいに頑張れよ」 と不甲斐なく思っていました。
そんな千葉県立美術館で、現在、
“魔法の美術館 光のアート展” という何やら楽しげな美術展が開催中とのこと。
実家に帰りがてら、初めて千葉県立美術館に立ち寄ってみました。
建てられたのは、約40年ほど前ということで、
多少、古臭い…もとい、重厚感と年季の感じられる建物でしたが。
現在、開催中の美術展は、
千葉県立美術館の建物の雰囲気とは、まったく合っていない (?)
堅苦しくなく、純粋に楽しめる美術展でした。
この美術展に出展されているのは、
すべて、 『光』 をテーマにした体験型のメディアアート。
“第14回文化庁メディア芸術祭” で優秀賞を受賞した、
クワクボリョウタさんの 《10番目の感傷(点・線・面)》 も出展されていましたが。
その多くは、あまり有名でない作家さん (←失礼!) の作品でした。
しかし、あまり有名でない作家さん (←失礼!!) の作品だからと言って、スルーするなかれ。
出展されていたメディアアートは、
どれも楽しくて、かつ驚きの体験が出来るものばかり。
それだけに、子どもたちの笑い声や驚きをあげる声が、展示会場には満ちていました。
あと、会場にいたカップルは、軒並み幸せそうでした。
自分は、悲しいかな、母と訪れてしまったので、
「母以外の人と来れば良かった・・・」 と、軽く後悔したほどです (笑)
(ちなみに、母は楽しそうでしたw)
「こういう美術展を、毎回頑張ればいいじゃん!」 の2ツ星。
さてさて、今回出展されていた作品は、全部で17点。
どれも面白かったのですが、全部は紹介しきれないので、
あえて5点に絞って、ベスト5形式で、ご紹介いたしましょう。
『“魔法の美術館 光のアート展” で体験したいアート作品は、これだ!ベスト5』
第5位 真鍋大度 / 比嘉了 《happy halloween!》
暗い会場の中にポツンと置かれた一脚の椅子。
その手前に、カメラとプロジェクター。
突如出現したサスペンスホラー映画のような一式に、戸惑いは隠せません。
恐る恐る、椅子に座ってみると、
向かいのプロジェクターに、椅子に座っている自分の姿が投影されました。
と、次の瞬間!!
自分の顔が、ピエロに!
・・・と思ったら、猫に!!
・・・と思ったら、怪物に!!
と、画面の自分の顔が次々に、変化していくではないですか。
まさしく、サスペンスホラー体験。
実は、こちらは、ハロウィンの仮装疑似体験をコンピューター上で体験するアート作品。
画面上で顔が変わる様を、
子供たちに指差され、ちょっと気恥ずかしかったです (笑)
第4位 森脇裕之 《Lake Awareness》
暗闇に蒼く浮かび上がる謎の発行物体。
この物体に近き、手をかざしてみると・・・
そこがボワンと光ります。
まるで、この発行物体が生きていて、
僕らとコミュニケーションを取っているかのような錯覚を覚えました。
何となく、 映画 『アビス』 を連想してしまいました。
第3位 浅野耕平 《Garden》
とある一室の中に入ると、
その床には、バーチャルな庭が一面広がっていました。
(写真がブレブレで、すいません)
今は、何も咲いていない土のみのガーデン。
しかし、係員さん曰く、
庭の中の紙吹雪を舞い上げれば、植物が育つとのこと。
早速、子供たちに交じって、やってみました。
すると、芽が出始めたではないですか♪
さらに、紙吹雪を舞い上げるという単調作業を繰り返します (笑)
芽が、どんどん増えてきました。
ちなみに、右下の数字は、カウンター。
目標数である200を目指して、延々、紙吹雪を舞い上げ続けました。
その努力が実り・・・
ようやく花が咲きました!
単調作業の後に感動必至のアート作品です
第2位 プラプラックス(近森基 / 久納鏡子 / 筧康明 / 小原藍) 《Kage's Nest》
暗闇に現れた光の円。
そこに足を踏み入れれば、当然、自分の影が現れます。
でも、次の瞬間・・・
なんか変なの出てきた!!!
これは、マンタっぽい影ですが。
他にも、妖しげな木がニョキニョキ伸びたり、
蝶が現れたり、トカゲが現れたり、小人たちが顔をのぞかせたり…etc
不思議な影たちが、この光の世界で、うごめき出すのです。
怖いけど可愛い。不思議で愛おしい “かげ” たちを、ついつい眺めていたくなる作品。
第1位 プラプラックス(近森基 / 久納鏡子 / 筧康明 / 小原藍) 《イシムシの標本》
床に、無造作に置かれた無数の石。
まずは、この中から、自分の好きな石を見つけます。
見つけたなら、この謎のマシーンの引き出しに入れましょう。
ちなみに、僕が見つけたのは、こんな石↓
お気に入りの石を入れたら、引き出しを閉めます。
すると、手前の画面に・・・
その石の形をした虫・・・イシムシが現れます。
僕の石は、 『ゴマワタン』 というイシムシに変身した模様です (笑)
そして、かくして誕生したイシムシは、
画面いっぱいを飛び回り始めたとさ。
めでたしめでたし。
第2位も第1位も、プラプラックスなるアーティスト集団の作品。
彼らの他の作品も、とても気になるところです。
まだまだ紹介したい作品は、数多くありますが、
それらは、是非、皆さま自身で体験くださいませ。
この夏、親子にオススメの美術展です。
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魔法の美術館 光のアート展
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