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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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MOTコレクション ただいま / はじめまして

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約3年間という長い長い休館期間を経て、
東京都現代美術館が、ついにリニューアルオープンしました!




外観こそ、そこまで大きな変化はなかったですが。
エントランス部分は、さりげなくイメチェンされていました。
受付やサインボードが、温もりのある什器へと一新。




レストランやカフェも一新。
密かにお気に入りだったベトナム料理カフェは、
サンドイッチ専門のカフェ 「二階のサンドイッチ」 となっていました。
こちらはこちらで美味しそうなカフェでした。





一つ残念だったのは、隠れた名物だったエントランスのソファ、
ふかふかすぎて寝入っている人が続出のソファは、姿を消していました。
代わりに設置されていたのは、特に寝れる気はしない腰掛け。




いつか、あのソファが復活することを個人的には願っています (笑)


さてさて、そんな現美のリニューアル1発目に開催されているのが、
“MOTコレクション ただいま / はじめまして” という展覧会です。




東京都現代美術館が所蔵する現代美術コレクション、通称、MOTコレクション。
その中でも、特に代表的なリキテンスタインの 《ヘア・リボンの少女》 や、
アルナルド・ポモドーロの 《太陽のジャイロスコープ》 といったおなじみの作品が・・・




「ただいま」 とばかりに出迎えてくれる展覧会です。
3年前までは、ほぼ毎回のように顔を合わせており、
なんなら、若干のマンネリを感じていた作品たちですが。
かつて、郷ひろみが言っていたように、会えない時間が愛を育てるのでしょう。
久しぶりの再会に、思わずハグしたくなるほどの情愛を感じてしまいました。
(注:作品にはお手を触れませぬように)


特に展覧会のラスト。
リニューアル前とまったく同じ展示室で、
同じようにデジタルカウンターが動き続ける宮島達男さんの作品の姿を目にしたときには・・・




自然と口から、「おかえり」 の声が洩れ出てしまいました。
この宮島達男作品がある光景を目にして、
ようやく東京都現代美術館が帰ってきたのだということを実感。
またこれから、定期的に清澄白河を訪れることになりそうです。
おかえり。そして、よろしく。
星星


ところで、今回のコレクション展は、
ただ懐かしの作品が顔を揃えているだけではありません。
実は、約3年間の休館中、美術館の “中の人” は休むことなく業務を続けていました。
そう、MOTコレクションは着々と増え続けていたのです。
会場では、そんな新たにコレクションに加わった作品が、
「はじめまして」 のお披露目もかねて数多く紹介されています。
新加入したメンバーには、日本古来の技法・一木造りで少年や少女の像を作る棚田康司さんや、




身近な日用品をアッと驚く作品へと大変身させる双子のアーティスト髙田安規子・政子さんなど、




人気・実力ともに申し分ない現代アーティストたちが、名を揃えています。
その中で、個人的に注目しているのは、中園孔二。





2015年に25歳という若さで夭逝した天才アーティストで、
今、国内外でもっとも注目を集めている日本人作家の一人です。
その生涯で残した作品の多くが、個人コレクターの手元に渡る可能性も大いにありましたが。
このたび、パブリックな美術館のコレクションに、まとまった形で加わった奇跡に感謝。
MOTコレクションの新戦力として、今後どのように紹介されていくのか楽しみです。


ちなみに。
「はじめまして」 の作家の 「はじめまして」 な作品の中で、もっとも印象に残ったのがこちら。





手のひらサイズの小さな作品なので、素通りしそうになってしまいますが。
実は、気が遠くなるような作業を経て制作されている作品です。
作品に近づいて、よくよく見てみると、小さな粒粒で構成されているのがわかります。
これらの粒は、なんと磁器土を一滴一滴スポイトで垂らしたもの。
その小さな粒を集積させることで、独特の建造物のような形が生み出されているのです。
作者は、ひらがなで、「さかぎし よしおう」 さん。
とても気になるアーティストだったので、早速ネットで調べようとしたところ、
大変失礼ながら、うろ覚えのため、「さかざき よしおう」 という名でググってしまいました。
すると、ちょっと面白いことになりました。
気になった方は、「さかざき よしおう」 を今すぐ検索!




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