日本の写実絵画ブームをけん引する “写実の殿堂” ホキ美術館。
2011年にバルセロナに開館した現代の具象絵画、
つまりフィギュラティブアートを積極的に紹介しているヨーロッパ近代美術館 (通称MEAM)。
そんな世界を代表する2大写実専門美術館が、提携したのは2015年のこと。
以来、写実絵画の2トップ同士で交流を続け、
ついに2018年に、まずはMEAMにて初となる交換展が実現されました。
その際、ホキ美術館コレクションの中から、選りすぐりの60点がMEAMへ!
初めて海外で公開されたホキ美術館コレクションは、
それはそれは、バルセロナの地にて大きな反響を起こしたそうです。
そして、2019年春。
今度はMEAMより、そのお返しとばかりに、
いま第一線で活躍するスペインの写実作家59名による59点が初来日!
現在、ホキ美術館で開催中の “スペインの現代写実絵画―MEAM” で、一挙公開されています。
対象物を写実的に描く写実絵画。
それだけに、日本人であろうが、スペインであろうが、
それほどまでに、大差はないだろうと思っていたのですが。
やはりお国柄というものが、それぞれあるよう。
スペインの写実絵画は、日本の写実絵画とは似て非なるものでした。
まず何と言っても、圧が強い!
日本の写実絵画が “静” なら、スペインの写実絵画は “動”。
全体的に日本の写実絵画は、どこか内向的で、
作品の前に立つと、その世界にスーッと引き込まれるような印象を受けます。
対して、スペインの写実絵画の作品の前に立つと、
画面から溢れる熱いパッションのようなものを浴びせられるような印象。
“奥へ奥へ” の日本に対し、“前へ前へ” のスペインといったところでしょうか。
そんなスペインの写実絵画の中で、とりわけパワーを感じたのが、
ゴルチョ (本名ミゲル・アンヘル・マヨ) の 《眠らない肖像》 という作品です。
老人の生首がゴロンと横たわる、強烈なインパクトの一枚。
こちらに向かって、今にも何かを訴えてきそうな迫力があります。
これが日本の怪談話なら、老人のセリフは 「お前だー!」 で決まりでしょう。
作品全体から近づきがたいオーラがびんびんに発せられていますが。
勇気を出して近づいてみると・・・
画面に大きな傷が走っていたり、
表面がボロボロになっていたり、ダメージ加工 (?) されているのがわかります。
ゴルチョの作品以外にも、画面の表面が特徴的なものがチラホラありました。
日本の写実絵画では、あまり見られない表現。
これもまたスペイン写実絵画の一つの特徴といえそうです。
さてさて、今回の出展作品の中で、
個人的にお気に入りのものをいくつかご紹介いたしましょう。
まずは、ハイメ・ヴァレロの 《ポートレートNo.5》。
ハイメ・ヴァレロ 《ポートレートNo.5》 2013年 MEAM
ここ近年は、水に包まれる、水と触れ合う肖像画の制作に挑んでいるという彼の渾身の一枚です。
残念ながら、画像ではほとんど伝わりませんが、
実物は、もっとウエッティーで瑞々しい印象を受けます。
まさに、水も滴るイイ女です。
ゴルチョの作品の老人同様に、この女性も何かを強く訴えているようでした。
「シャワーの温度が上がらないんだけど!」 でしょうか。
訴えかけるといえば、ダヴィッド・ナイローによるこちらの作品も。
タイトルは、《私に話しているのかい!!??》。
いやいや、何もそこまでビックリしなくても。
“うわ~・・・途中から全然話聞いてなかった・・・”
そんな焦りが見て取れるようです。
スペインの写実絵画は “動” の印象とは言いましたが、
中には、もちろん “静” のイメージで描く作家もいました。
その代表的な人物が、カルロス・モラゴです。
カルロス・モラゴ 《版画工房》 2013年 MEAM
描かれているのは、誰もいない版画工房。
誰もいないはずなのに、
どこからともなく、版画を刷る作業の音や職人の話声が聞こえてくるような。
実に不思議な作品でした。
ちなみに。
現在、ホキ美術館のギャラリー1では、
昨年秋のMEAMでの展覧会で先行して公開されたホキ美術館の代表作家の新作も公開されています。
日本とスペイン。
写実絵画界の2強、夢の競演!
絶対に見逃せない戦いがホキにはある。
1位を目指して、ランキングに挑戦中。
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2011年にバルセロナに開館した現代の具象絵画、
つまりフィギュラティブアートを積極的に紹介しているヨーロッパ近代美術館 (通称MEAM)。
そんな世界を代表する2大写実専門美術館が、提携したのは2015年のこと。
以来、写実絵画の2トップ同士で交流を続け、
ついに2018年に、まずはMEAMにて初となる交換展が実現されました。
その際、ホキ美術館コレクションの中から、選りすぐりの60点がMEAMへ!
初めて海外で公開されたホキ美術館コレクションは、
それはそれは、バルセロナの地にて大きな反響を起こしたそうです。
そして、2019年春。
今度はMEAMより、そのお返しとばかりに、
いま第一線で活躍するスペインの写実作家59名による59点が初来日!
現在、ホキ美術館で開催中の “スペインの現代写実絵画―MEAM” で、一挙公開されています。
対象物を写実的に描く写実絵画。
それだけに、日本人であろうが、スペインであろうが、
それほどまでに、大差はないだろうと思っていたのですが。
やはりお国柄というものが、それぞれあるよう。
スペインの写実絵画は、日本の写実絵画とは似て非なるものでした。
まず何と言っても、圧が強い!
日本の写実絵画が “静” なら、スペインの写実絵画は “動”。
全体的に日本の写実絵画は、どこか内向的で、
作品の前に立つと、その世界にスーッと引き込まれるような印象を受けます。
対して、スペインの写実絵画の作品の前に立つと、
画面から溢れる熱いパッションのようなものを浴びせられるような印象。
“奥へ奥へ” の日本に対し、“前へ前へ” のスペインといったところでしょうか。
そんなスペインの写実絵画の中で、とりわけパワーを感じたのが、
ゴルチョ (本名ミゲル・アンヘル・マヨ) の 《眠らない肖像》 という作品です。
老人の生首がゴロンと横たわる、強烈なインパクトの一枚。
こちらに向かって、今にも何かを訴えてきそうな迫力があります。
これが日本の怪談話なら、老人のセリフは 「お前だー!」 で決まりでしょう。
作品全体から近づきがたいオーラがびんびんに発せられていますが。
勇気を出して近づいてみると・・・
画面に大きな傷が走っていたり、
表面がボロボロになっていたり、ダメージ加工 (?) されているのがわかります。
ゴルチョの作品以外にも、画面の表面が特徴的なものがチラホラありました。
日本の写実絵画では、あまり見られない表現。
これもまたスペイン写実絵画の一つの特徴といえそうです。
さてさて、今回の出展作品の中で、
個人的にお気に入りのものをいくつかご紹介いたしましょう。
まずは、ハイメ・ヴァレロの 《ポートレートNo.5》。
ハイメ・ヴァレロ 《ポートレートNo.5》 2013年 MEAM
ここ近年は、水に包まれる、水と触れ合う肖像画の制作に挑んでいるという彼の渾身の一枚です。
残念ながら、画像ではほとんど伝わりませんが、
実物は、もっとウエッティーで瑞々しい印象を受けます。
まさに、水も滴るイイ女です。
ゴルチョの作品の老人同様に、この女性も何かを強く訴えているようでした。
「シャワーの温度が上がらないんだけど!」 でしょうか。
訴えかけるといえば、ダヴィッド・ナイローによるこちらの作品も。
タイトルは、《私に話しているのかい!!??》。
いやいや、何もそこまでビックリしなくても。
“うわ~・・・途中から全然話聞いてなかった・・・”
そんな焦りが見て取れるようです。
スペインの写実絵画は “動” の印象とは言いましたが、
中には、もちろん “静” のイメージで描く作家もいました。
その代表的な人物が、カルロス・モラゴです。
カルロス・モラゴ 《版画工房》 2013年 MEAM
描かれているのは、誰もいない版画工房。
誰もいないはずなのに、
どこからともなく、版画を刷る作業の音や職人の話声が聞こえてくるような。
実に不思議な作品でした。
ちなみに。
現在、ホキ美術館のギャラリー1では、
昨年秋のMEAMでの展覧会で先行して公開されたホキ美術館の代表作家の新作も公開されています。
日本とスペイン。
写実絵画界の2強、夢の競演!
絶対に見逃せない戦いがホキにはある。
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