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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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ジュリアン・オピー

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現在、東京オペラシティアートギャラリーでは、
イギリスを代表するアーティスト、ジュリアン・オピーの大型個展が開催されています。




もし、ジュリアン・オピーの名前は知らずとも、
対象物を太い輪郭線でミニマムに表現する、その独特的な作風は、
ユニクロのTシャツやCDジャケットなどで、一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。





日本でも人気の高い現代アーティストの一人ではありますが、
意外にも、彼の個展が日本で開催されるのは、2009年に水戸芸術館以来なのだそう。
しかも、東京の美術館で開催されるのは、なんと今回が初めてなのだとか。
そんなファン待望のジュリアン・オピー展のタイトルは、ズバリ “ジュリアン・オピー”
彼の作風同様、めちゃめちゃシンプルです。

さてさて、展覧会そのものも、めちゃめちゃシンプルでした。
出展作は、オール新作。キャプションなし。

まず、最初の展示室は、高さ約6mの巨大な作品をはじめとする、
オピーの代名詞ともいうべき行き交う人々をモチーフとした作品で構成されています。




続く広大な展示スペースでは、行き交う人々はもちろんのこと、
カラスや羊といった動物、田園都市やビル群といった風景をモチーフにした作品が一堂に。




そこを抜けると、長い一直線の通路スペースがあります。
そちらには、20台のLEDスクリーンに、
鯉がゆったりと泳ぐ 《Carp》 という作品が展示されていました。




・・・・・展覧会は以上。
出展作数は、25点(+会場内に流れるサウンド作品が2点) 。
シンプルかつ明快なオピーの作品は、特にじっくり眺めるタイプの作風ではないので、
基本的には、パッと見て 「おっ!」 と思ってハイ次の作品、といった鑑賞スタイルとなります。
それゆえ、展覧会全てを観終えるのに、20分とかかりませんでした。
おそらく、僕史上、展覧会鑑賞時間最短記録です。
とは言え、鑑賞時間が短い=物足りない、ということではないので、そこは誤解のなきように。
星新一の良質のショートショートと通ずるところのある展覧会です。
星


とは言え、さすがにこのまますぐに帰るのも何なので、会場の冒頭に戻ることにました。
2周目は、もう少しじっくり作品と向き合ってみることに。
その中で特に印象に残ったのは、《Jada Teresa Yasmin teresa Julian 2》 という作品です。




LEDのスクリーンに、ループで映し出されていたのは、
左から右へ、右から左へと、人々が走り抜けるというシンプルなアニメーション。
人々の顔は〇で表現されているので、特定の人物とは結び付かないはずなのですが。
皆一様に、曲げた肘を固定するスタイルで走っているため、
どうしても、かつてのビートたけしの走り方を連想せざるを得ませんでした。


ちなみに、じっくりと鑑賞した2周目での話。




どこかチチヤスヨーグルトのキャラクターを彷彿とさせる、
オピーのシンプルな人々を見過ぎてしまったからでしょうか。




一瞬、非常口のマークを、オピーの作品かと思ってしまいました。
だいぶ非常事態。




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