現在、東京都現代美術館では、“あそびのじかん” が絶賛開催中ですが。
地下2Fの企画展示室では、ひっそりと (?)、
“MOTサテライト2019 ひろがる地図” が開催されています。
“MOTサテライト” とは、東京都現代美術館の休館中に始動したシリーズ企画。
美術館と街とを繋げ、街の魅力をもっと掘り起こそうというものです。
休館中は、清澄白河エリアの工場跡地や店舗、
図書館などを活用して展示を行なっていたそうですが。
今年はリニューアルオープンしたばかりの美術館がメイン会場となっています。
展覧会のテーマは、街を散策する時の強い味方である 『地図』。
地図をモチーフにした作品や世界の変わった地図などが紹介されていました。
まずはじめに紹介されていたのは、こちらの地図。
一見すると、何の変哲もない地方都市の地図のように見えますが・・・。
実は、こちらは、今和泉隆行さん (通称、地理人) が制作した架空の都市の地図。
今和泉さんの頭の中にしか存在しない架空の都市、
中村市 (“なかむらし” と書いて、“なごむるし” と読むのだそう) の地図です。
街の区画も地形も交通網の配置も、すべて今和泉さんが創造 (想像?) したもの。
中村市にあるコンビニやスーパーなどのお店も、今和泉さんの創造 (想像?) の産物です。
しかし、会場には、それらの中村市の架空のコンビニやスーパーのレジ袋も展示されていました。
さらには、中村市のゴミ袋や粗大ごみの収集券も!
ここまで徹底して作り込まれていると、
中村市が実際に存在しているような気がしてきました。
なお、これらの中村市のスーパーの袋や粗大ごみの収集券は、
東京都現代美術館のミュージアムショップでも販売されています。
どこまでがフィクションで、どこまでが現実なのか。
もはや何が何だかよくわからなくなってきました。
ちなみに、中村市の人口は156万人。
その市民一人一人の生活にリアリティを与えるべく、
今和泉さんは、こんなものまで制作してしまったようです。
意外と、掘り出し物の物件もありましたよ (笑)
・・・と、そんな冒頭の今和泉さんの作品が、
がっつり地図 (or間取り図) をモチーフにしているため、
地図好き (or間取り図好き) 向けのマニアックな展覧会かと思いきや。
布や糸を使った参加型インスタレーションに定評のあるマリー・コリー・マーチの作品や、
(↑参加者が毛糸を選び、一方を自分の生まれた土地に結ぶ。
そして、壁に散りばめられたプレートの中で、自分に当てはまると思うものに毛糸をかけていく。
最終的には壁面全体が大きな織物のようになるのだそう)
10歳の頃に失明し、30歳を越えた頃から、
「触る絵画」 を発表している光島貴之さんの新作など、
(↑こちらは、清澄白河駅から東京都現代美術館までの道のりをモチーフにした作品。
木製パネルに打たれた釘の間隔や傾きが、光島さんが実際に歩いた感じや道すがらで聴いた音なを表しているのだそう。
作品に実際に触ってみることも可能です)
広い意味で、「地図」 を連想させるアート作品も紹介されていました。
“地図が読めない” という方もどうぞご安心くださいませ。
また、展覧会には、参加作家の作品だけでなく、
「地図」 というキーワードでセレクトされた現美の所蔵品も紹介されていました。
その中で特に印象的だったのが、ナイジェル・ホールの 《無名の土地への入口》 です。
ナイジェル・ホールは、イギリスの現代アーティスト。
抽象的な彫刻作品で知られる作家です。
こちらの作品も特に何か特定のモチーフは無いのでしょうが、
この作品に出会うまで、さまざまな地図を観てきたので、どうにも地図に見えてきました。
地図をくまなく探せば、どこかにこういうルートがありそうです。
・・・・・なんて思っていたら、作品の近くに、こんなハンドアウトが。
こちらは、浜元信行さん (浜ちゃん) とやっさんの2人が作成した、
《無名の土地への入口》 と全く同じ形を、GPS絵画で描くための指示書です。
東京都現代美術館を出発して、この指示書通りに進み、
その軌跡をGPSに記録しておけば、《無名の土地への入口》 がマップ上に現れるのだとか。
よくぞ、こんなルートを見つけたものです。
ちなみに、全行程は17㎞以上!
さすがの僕でも、チャレンジする気が起きません(笑)
が、世の中には物好きはいるそうで、実際にチャレンジした方もすでにいる模様。
そして、その方は、指示に一か所間違いがあったのを見つけてしまったそうです。
ご指摘は大変ありがたいのですが、
一体、あと何人がこんな不毛な (?) チャレンジに挑むのでしょうか (笑)
そうそう。街でのチャレンジといえば、こんな作品もありました。
壁一面に、センテンスがビッシリと書かれています。
センテンスを読み進めると、文末に選択肢が提示されていました。
どの選択肢を選ぶかで、次に読むセンテンスが決まります。
こちらはいわゆるゲームブックをモチーフにした、
orangcosong+進士遙さんによる 《演劇クエスト》 という作品です。
しばらく読み進めていると、中央に置かれた・・・
こちらの本を手に取るように指示されました。
パラパラとめくってみるとその中には、
清澄白河の街を舞台にした様々な指示が書かれています。
なるほど。脱出ゲームのように、実際に街を巡って冒険できるようです。
実によくできています。
“この本を持って、街を旅したら楽しいだろうなァ♪”
と思いつつ、本を戻したところ、「持って行っていいですよ」 とのこと。
展覧会の鑑賞者へのプレゼントなのだそうです。
えっ、この展覧会、鑑賞料無料なのに?!
《演劇クエスト》 をプレイするだけでも、訪れる価値のある展覧会ですよ。
1位を目指して、ランキングに挑戦中。
下のボタンをポチッと押して頂けると嬉しいです!
地下2Fの企画展示室では、ひっそりと (?)、
“MOTサテライト2019 ひろがる地図” が開催されています。
“MOTサテライト” とは、東京都現代美術館の休館中に始動したシリーズ企画。
美術館と街とを繋げ、街の魅力をもっと掘り起こそうというものです。
休館中は、清澄白河エリアの工場跡地や店舗、
図書館などを活用して展示を行なっていたそうですが。
今年はリニューアルオープンしたばかりの美術館がメイン会場となっています。
展覧会のテーマは、街を散策する時の強い味方である 『地図』。
地図をモチーフにした作品や世界の変わった地図などが紹介されていました。
まずはじめに紹介されていたのは、こちらの地図。
一見すると、何の変哲もない地方都市の地図のように見えますが・・・。
実は、こちらは、今和泉隆行さん (通称、地理人) が制作した架空の都市の地図。
今和泉さんの頭の中にしか存在しない架空の都市、
中村市 (“なかむらし” と書いて、“なごむるし” と読むのだそう) の地図です。
街の区画も地形も交通網の配置も、すべて今和泉さんが創造 (想像?) したもの。
中村市にあるコンビニやスーパーなどのお店も、今和泉さんの創造 (想像?) の産物です。
しかし、会場には、それらの中村市の架空のコンビニやスーパーのレジ袋も展示されていました。
さらには、中村市のゴミ袋や粗大ごみの収集券も!
ここまで徹底して作り込まれていると、
中村市が実際に存在しているような気がしてきました。
なお、これらの中村市のスーパーの袋や粗大ごみの収集券は、
東京都現代美術館のミュージアムショップでも販売されています。
どこまでがフィクションで、どこまでが現実なのか。
もはや何が何だかよくわからなくなってきました。
ちなみに、中村市の人口は156万人。
その市民一人一人の生活にリアリティを与えるべく、
今和泉さんは、こんなものまで制作してしまったようです。
意外と、掘り出し物の物件もありましたよ (笑)
・・・と、そんな冒頭の今和泉さんの作品が、
がっつり地図 (or間取り図) をモチーフにしているため、
地図好き (or間取り図好き) 向けのマニアックな展覧会かと思いきや。
布や糸を使った参加型インスタレーションに定評のあるマリー・コリー・マーチの作品や、
(↑参加者が毛糸を選び、一方を自分の生まれた土地に結ぶ。
そして、壁に散りばめられたプレートの中で、自分に当てはまると思うものに毛糸をかけていく。
最終的には壁面全体が大きな織物のようになるのだそう)
10歳の頃に失明し、30歳を越えた頃から、
「触る絵画」 を発表している光島貴之さんの新作など、
(↑こちらは、清澄白河駅から東京都現代美術館までの道のりをモチーフにした作品。
木製パネルに打たれた釘の間隔や傾きが、光島さんが実際に歩いた感じや道すがらで聴いた音なを表しているのだそう。
作品に実際に触ってみることも可能です)
広い意味で、「地図」 を連想させるアート作品も紹介されていました。
“地図が読めない” という方もどうぞご安心くださいませ。
また、展覧会には、参加作家の作品だけでなく、
「地図」 というキーワードでセレクトされた現美の所蔵品も紹介されていました。
その中で特に印象的だったのが、ナイジェル・ホールの 《無名の土地への入口》 です。
ナイジェル・ホールは、イギリスの現代アーティスト。
抽象的な彫刻作品で知られる作家です。
こちらの作品も特に何か特定のモチーフは無いのでしょうが、
この作品に出会うまで、さまざまな地図を観てきたので、どうにも地図に見えてきました。
地図をくまなく探せば、どこかにこういうルートがありそうです。
・・・・・なんて思っていたら、作品の近くに、こんなハンドアウトが。
こちらは、浜元信行さん (浜ちゃん) とやっさんの2人が作成した、
《無名の土地への入口》 と全く同じ形を、GPS絵画で描くための指示書です。
東京都現代美術館を出発して、この指示書通りに進み、
その軌跡をGPSに記録しておけば、《無名の土地への入口》 がマップ上に現れるのだとか。
よくぞ、こんなルートを見つけたものです。
ちなみに、全行程は17㎞以上!
さすがの僕でも、チャレンジする気が起きません(笑)
が、世の中には物好きはいるそうで、実際にチャレンジした方もすでにいる模様。
そして、その方は、指示に一か所間違いがあったのを見つけてしまったそうです。
ご指摘は大変ありがたいのですが、
一体、あと何人がこんな不毛な (?) チャレンジに挑むのでしょうか (笑)
そうそう。街でのチャレンジといえば、こんな作品もありました。
壁一面に、センテンスがビッシリと書かれています。
センテンスを読み進めると、文末に選択肢が提示されていました。
どの選択肢を選ぶかで、次に読むセンテンスが決まります。
こちらはいわゆるゲームブックをモチーフにした、
orangcosong+進士遙さんによる 《演劇クエスト》 という作品です。
しばらく読み進めていると、中央に置かれた・・・
こちらの本を手に取るように指示されました。
パラパラとめくってみるとその中には、
清澄白河の街を舞台にした様々な指示が書かれています。
なるほど。脱出ゲームのように、実際に街を巡って冒険できるようです。
実によくできています。
“この本を持って、街を旅したら楽しいだろうなァ♪”
と思いつつ、本を戻したところ、「持って行っていいですよ」 とのこと。
展覧会の鑑賞者へのプレゼントなのだそうです。
えっ、この展覧会、鑑賞料無料なのに?!
《演劇クエスト》 をプレイするだけでも、訪れる価値のある展覧会ですよ。
1位を目指して、ランキングに挑戦中。
下のボタンをポチッと押して頂けると嬉しいです!