現在、ポーラ美術館では、開館以来初となる現代アート展、
“シンコペーション:世紀の巨匠たちと現代アート” が開催されています。
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「えー・・・モネとかピカソとか、ポーラ美術館コレクションは観れないの?!」
と不安になった方もいらっしゃるでしょうが、どうぞご安心くださいませ。
今回の展覧会では、国内外の現代美術家が、
ポーラ美術館コレクションにインスパイアされ制作した新作と、
そのもととなったモネやピカソといった巨匠たちの作品と、が併せて展示されています。
なお、タイトルにある “シンコペーション”(切分法) とは、
あえてリズムをズラすことで、楽曲に表情や緊張感を与える音楽の手法のこと。
ポーラ美術館が収蔵するお馴染みの名画たちには、
いい意味で心地よいマンネリ感を覚えていましたが。
今回、あえて現代アート作品と並べられたことで、また新鮮な気持ちで鑑賞することができました。
ちなみに、今回参加している現代美術家は、12組。
しかし、蜷●実花さんとか名●晃平さんとか、
現代美術展や芸術祭の常連の作家は、ほぼ選ばれていません。
日本での知名度が高く、確実に注目されそうなアーティストではなく、
あえて実力重視で作家を選んだ “シンコペーション” な人選に、ポーラ美術館の本気を見ました。
これまでポーラ美術館を訪れたことがある方も、
まだ訪れたことがなかった現代アートファンも、新鮮に感じられること請け合いの展覧会です。
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さてさて、今回出展されていた中で、
特に印象的だった作品をいくつかご紹介いたしましょう。
まずは、モネの 《睡蓮》 とペアリングされていた・・・
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クロード・モネ 《睡蓮》 1907年 油彩/カンヴァス ポーラ美術館蔵
フランス人作家セレスト・ブルシエ=ムジュノの 《クリナメン v.7》 という作品から。
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©Céleste Boursier-Mougenot
眼にも涼やかなプールの水面に大量に浮かんでいるのは、
思わず 『ヤマザキ春のパンまつり』 を連想してしまう (←?) 白い陶磁器。
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©Céleste Boursier-Mougenot
プールは常に水の流れがあり、その流れに乗った陶磁器たちが、
時おり、ぶつかっては 「カン!」 という綺麗な音を響かせます。
ただそれだけのシンプルな作品なのですが、
不思議なほどに、ズーッとボーッと見ていられました。
眼と耳、両方で楽しむ作品です。
これの卓上版があったら (?) 、家に欲しいほどでした。
目と耳で楽しむと言えば、マティスの 《リュート》 と同じ空間で展示されていた・・・
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アンリ・マティス 《リュート》 1943年 油彩/カンヴァス ポーラ美術館蔵
イギリスの作家オリヴァー・ビアの 《悪魔たち》 という作品も。
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©Oliver Beer
古代から現代まで古今東西のさまざまな器にマイクを当て、
それらの器の内部で反響する音を増幅させているという作品です。
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©Oliver Beer
展示空間では、「ボワーンボワーン」 というハウリングのような音が響き渡り続けています。
他に特に動きや展開はなく、ただそれだけのシンプルな作品ではあるのですが、
セレストの 《クリナメン v.7》 同様に、この展示空間でズーッとボーッとしていられました。
もし壺の中に入ったとしたら、おそらくこんな感じになるのではないでしょうか。
壺中天の仙人の気分を味わえました。
音に関するアート作品をもう一つ。
2010年のターナー賞を受賞した女性作家スーザン・フィリップスの 《ウインド・ウッド》 という作品です。
その作品が設置されているのは、ポーラ美術館内ではなく、森の遊歩道。
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森のあちこちに11個のスピーカーが設置されています。
そして、そのスピーカーから断片的に聞こえてくるのは、
“音の印象派” ともいわれるラヴェルが作曲した、
『シェヘラザード』 「魔法の笛」 のフルートの旋律です。
そんなフルートの旋律にセッションするかのように、時おり、鳥のさえずりが聞こえてきます。
(↑こちらはスピーカーからではなく、本物の鳥の鳴き声)
それらの音が森全体で響き渡る様子は、実に感動体験。
まさに大自然のサラウンドシステム状態です。
他にも印象的な作品は多々ありましたが、
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©Abdelkader Benchamma, Courtesy of Galerie Templon, Paris
最後に紹介したいのは、渡辺豊さん (1981~) の新作群。
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ここ近年、渡辺さんは、人の名前をインターネット上で検索し、
ヒットしたイメージの要素を組み合わせながらポートレートを描いているのだそう。
今展では、ピカソ、セザンヌ、フジタとそのモデルたちを検索。
そして、どこかキュビスムを思わせる新作のポートレートを約50点 (!) も制作しました。
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1点1点の力はピカソやセザンヌらの作品に及ばずとも、
数が集まれば、美術界の巨匠の作品にも匹敵するパワーを持つ。
まるで 『スイミー』 のような新作群でした。
┃会期:2019年8月10日(土)~12月1日(日)
┃会場:ポーラ美術館
┃https://www.polamuseum.or.jp/sp/syncopation/
~読者の皆様へのプレゼント~
こちらの “シンコペーション” の無料鑑賞券を、5組10名様にプレゼントいたします。
住所・氏名・電話番号を添えて、以下のメールフォームより応募くださいませ。
https://ws.formzu.net/fgen/S98375463/
なお、〆切は、8月25日です。当選は発送をもって代えさせていただきます。
1位を目指して、ランキングに挑戦中。
下のボタンをポチッと押して頂けると嬉しいです!
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と不安になった方もいらっしゃるでしょうが、どうぞご安心くださいませ。
今回の展覧会では、国内外の現代美術家が、
ポーラ美術館コレクションにインスパイアされ制作した新作と、
そのもととなったモネやピカソといった巨匠たちの作品と、が併せて展示されています。
なお、タイトルにある “シンコペーション”(切分法) とは、
あえてリズムをズラすことで、楽曲に表情や緊張感を与える音楽の手法のこと。
ポーラ美術館が収蔵するお馴染みの名画たちには、
いい意味で心地よいマンネリ感を覚えていましたが。
今回、あえて現代アート作品と並べられたことで、また新鮮な気持ちで鑑賞することができました。
ちなみに、今回参加している現代美術家は、12組。
しかし、蜷●実花さんとか名●晃平さんとか、
現代美術展や芸術祭の常連の作家は、ほぼ選ばれていません。
日本での知名度が高く、確実に注目されそうなアーティストではなく、
あえて実力重視で作家を選んだ “シンコペーション” な人選に、ポーラ美術館の本気を見ました。
これまでポーラ美術館を訪れたことがある方も、
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クロード・モネ 《睡蓮》 1907年 油彩/カンヴァス ポーラ美術館蔵
フランス人作家セレスト・ブルシエ=ムジュノの 《クリナメン v.7》 という作品から。
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眼にも涼やかなプールの水面に大量に浮かんでいるのは、
思わず 『ヤマザキ春のパンまつり』 を連想してしまう (←?) 白い陶磁器。
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プールは常に水の流れがあり、その流れに乗った陶磁器たちが、
時おり、ぶつかっては 「カン!」 という綺麗な音を響かせます。
ただそれだけのシンプルな作品なのですが、
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眼と耳、両方で楽しむ作品です。
これの卓上版があったら (?) 、家に欲しいほどでした。
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アンリ・マティス 《リュート》 1943年 油彩/カンヴァス ポーラ美術館蔵
イギリスの作家オリヴァー・ビアの 《悪魔たち》 という作品も。
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©Oliver Beer
古代から現代まで古今東西のさまざまな器にマイクを当て、
それらの器の内部で反響する音を増幅させているという作品です。
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展示空間では、「ボワーンボワーン」 というハウリングのような音が響き渡り続けています。
他に特に動きや展開はなく、ただそれだけのシンプルな作品ではあるのですが、
セレストの 《クリナメン v.7》 同様に、この展示空間でズーッとボーッとしていられました。
もし壺の中に入ったとしたら、おそらくこんな感じになるのではないでしょうか。
壺中天の仙人の気分を味わえました。
音に関するアート作品をもう一つ。
2010年のターナー賞を受賞した女性作家スーザン・フィリップスの 《ウインド・ウッド》 という作品です。
その作品が設置されているのは、ポーラ美術館内ではなく、森の遊歩道。
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そして、そのスピーカーから断片的に聞こえてくるのは、
“音の印象派” ともいわれるラヴェルが作曲した、
『シェヘラザード』 「魔法の笛」 のフルートの旋律です。
そんなフルートの旋律にセッションするかのように、時おり、鳥のさえずりが聞こえてきます。
(↑こちらはスピーカーからではなく、本物の鳥の鳴き声)
それらの音が森全体で響き渡る様子は、実に感動体験。
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最後に紹介したいのは、渡辺豊さん (1981~) の新作群。
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ヒットしたイメージの要素を組み合わせながらポートレートを描いているのだそう。
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数が集まれば、美術界の巨匠の作品にも匹敵するパワーを持つ。
まるで 『スイミー』 のような新作群でした。
┃会期:2019年8月10日(土)~12月1日(日)
┃会場:ポーラ美術館
┃https://www.polamuseum.or.jp/sp/syncopation/
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こちらの “シンコペーション” の無料鑑賞券を、5組10名様にプレゼントいたします。
住所・氏名・電話番号を添えて、以下のメールフォームより応募くださいませ。
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