福岡市博多区にある大型商業施設・博多リバレインモール。
その7階・8階に位置するのが、福岡アジア美術館です。通称、アジ美。
日本で・・・いや、世界でも唯一の 「アジア美術」 を専門とする美術館です。
今年でちょうど開館20周年。
そのコレクション数は、約3000点を数えます。
現在は、ちょうどコレクション展が開催中。
出展作家の中には、火薬を用いたアート作品でお馴染みの蔡國強 (さい こっきょう) や、
2012年に森美術館で大々的な個展が開催された韓国の女性芸術家イ・ブル、
出身のシンガポールのみならず、東南アジアの現代美術を牽引してきた美術作家タン・ダウなど、
アジア各国を代表する現代アーティストたちも、もちろん名を連ねていますが。
そこは、さすが世界唯一のアジア美術専門美術館。
初めてその名を知るアジアの現代アーティストの作品が数多く紹介されていました。
特に印象的だったのは、シュ・ビン (徐冰) の 《析世鑑 解字卷一》 。
一見すると、何の変哲もない中国の古文書です。
登場するどの漢字も、義務教育で習った記憶がないため、
「《析世鑑 解字卷一》 の文字は難しすぎて、読めないっ!」
と、手にしていたものをブチまけそうになりましたが、
実は、この中に登場する漢字は、すべて “偽漢字” とのこと。
まず作者は、世の中には存在しない “偽漢字” をいくつも生み出し、
そして、膨大な時間と労力をかけ、一つひとつの “偽漢字” を版木に彫ったのだそうです。
漢字圏である日本人には、それなりに面白く感じられますが、
漢字に馴染みのない欧米の人々にとっては、いまいちピンとこないはず。
コスパが相当悪い作品です。
また、作者不明のこちらの作品も印象的な一枚。
とりあえずは、広東で制作されていることはわかっているのだとか。
しかし、広東は暖かな地域で、雪は降らないのだそうです。
ということは、おそらく作者は他の人が描いた絵画と想像だけで、この絵を制作したことになります。
なるほど。どうりで不思議な違和感を覚えるはずです。
画中の人物がもう少し着込んでいるほうが、リアリティがあるような。
さてさて、開催中のコレクション展は、3本立てだったのですが。
とりわけインパクトがあったのは、“対決!アジアの肉体派”。
こちらは、筋骨隆々からムチムチまで、
さまざまな肉体派アートを紹介した展覧会です。
なお、『筋肉体操』 ブームに乗っかって開催されているのかと思いきや、
福岡も会場地の一つであるラグビーワールドカップ2019にちなんだものとのこと。
出展作品には、ラグビーのラの字も感じられませんでしたが、
そんな強引さも含めて、“肉体派” な展覧会という印象を受けました。
さてさて、トップバッターを飾っていたのは、
タイのタゥイーサック・シートンディーの 《力》 という一枚。
間違いなく、あのキャラクターをモチーフにしているのでしょうが。
腹筋と胸筋がとんでもないことになっています。
シックスパックを越えて、テンパック。
超人です。
個人的にツボだったのは、中国のプロパガンダ・ポスター。
中華人民共和国の建国後、共和党の政治的スローガンを、
民衆に分かりやすく伝えるため、政府主導で制作されたポスターの数々です。
「健全な国家を目指すからには、国民も健全な体型に。」
そういうことなのでしょうか?
因果関係は不明ですが、描かれている人物は皆一様に、良い身体をしていました。
ただ、どうしても気になってしまったのが、こちらのポスター。
描かれているのは、明らかに中国人ではありません。
「欧米かっ!」 とツッコまざるを得ないポスターです。
ポスターと言えば、バングラディシュ (当時は英領インド) の映画ポスターもツボでした。
中でも気になったのが、こちらの映画ポスターです。
映画のタイトルは、『これも人生』。
飛び降りたり、銃を構えたり、
ガスバーナーみたいなのを手にしたり、女性に関節技を決められたり。
まさに、これも人生。
駄作の匂いしかしないですが、それでも観てみたくなります。
それも人生。
ちなみに、その向かいには、
パキスタンの映画ポスターも展示されていました。
映画のタイトルは、『鞭をもつ女』 とのこと。
・・・・・・・いや、鞭を持つだけかーい!!
鞭で戦う女であれ。
最後に、今回もっともインパクトがあった作品をご紹介。
ラヴィンダル・レッディなるインドを代表する彫刻家の作品です。
タイトルは、ズバリ 《胸を持ち上げる女》。
キャプションには、このようにありました。
「おおらかで通俗的でありながらも、
どこか冒しがたい神聖な母性も兼ねそなえている。」
・・・・・・・・神聖なのか??
美術館というより、秘宝館にありそうな作品なのに。
1位を目指して、ランキングに挑戦中。
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その7階・8階に位置するのが、福岡アジア美術館です。通称、アジ美。
日本で・・・いや、世界でも唯一の 「アジア美術」 を専門とする美術館です。
今年でちょうど開館20周年。
そのコレクション数は、約3000点を数えます。
現在は、ちょうどコレクション展が開催中。
出展作家の中には、火薬を用いたアート作品でお馴染みの蔡國強 (さい こっきょう) や、
2012年に森美術館で大々的な個展が開催された韓国の女性芸術家イ・ブル、
出身のシンガポールのみならず、東南アジアの現代美術を牽引してきた美術作家タン・ダウなど、
アジア各国を代表する現代アーティストたちも、もちろん名を連ねていますが。
そこは、さすが世界唯一のアジア美術専門美術館。
初めてその名を知るアジアの現代アーティストの作品が数多く紹介されていました。
特に印象的だったのは、シュ・ビン (徐冰) の 《析世鑑 解字卷一》 。
一見すると、何の変哲もない中国の古文書です。
登場するどの漢字も、義務教育で習った記憶がないため、
「《析世鑑 解字卷一》 の文字は難しすぎて、読めないっ!」
と、手にしていたものをブチまけそうになりましたが、
実は、この中に登場する漢字は、すべて “偽漢字” とのこと。
まず作者は、世の中には存在しない “偽漢字” をいくつも生み出し、
そして、膨大な時間と労力をかけ、一つひとつの “偽漢字” を版木に彫ったのだそうです。
漢字圏である日本人には、それなりに面白く感じられますが、
漢字に馴染みのない欧米の人々にとっては、いまいちピンとこないはず。
コスパが相当悪い作品です。
また、作者不明のこちらの作品も印象的な一枚。
とりあえずは、広東で制作されていることはわかっているのだとか。
しかし、広東は暖かな地域で、雪は降らないのだそうです。
ということは、おそらく作者は他の人が描いた絵画と想像だけで、この絵を制作したことになります。
なるほど。どうりで不思議な違和感を覚えるはずです。
画中の人物がもう少し着込んでいるほうが、リアリティがあるような。
さてさて、開催中のコレクション展は、3本立てだったのですが。
とりわけインパクトがあったのは、“対決!アジアの肉体派”。
こちらは、筋骨隆々からムチムチまで、
さまざまな肉体派アートを紹介した展覧会です。
なお、『筋肉体操』 ブームに乗っかって開催されているのかと思いきや、
福岡も会場地の一つであるラグビーワールドカップ2019にちなんだものとのこと。
出展作品には、ラグビーのラの字も感じられませんでしたが、
そんな強引さも含めて、“肉体派” な展覧会という印象を受けました。
さてさて、トップバッターを飾っていたのは、
タイのタゥイーサック・シートンディーの 《力》 という一枚。
間違いなく、あのキャラクターをモチーフにしているのでしょうが。
腹筋と胸筋がとんでもないことになっています。
シックスパックを越えて、テンパック。
超人です。
個人的にツボだったのは、中国のプロパガンダ・ポスター。
中華人民共和国の建国後、共和党の政治的スローガンを、
民衆に分かりやすく伝えるため、政府主導で制作されたポスターの数々です。
「健全な国家を目指すからには、国民も健全な体型に。」
そういうことなのでしょうか?
因果関係は不明ですが、描かれている人物は皆一様に、良い身体をしていました。
ただ、どうしても気になってしまったのが、こちらのポスター。
描かれているのは、明らかに中国人ではありません。
「欧米かっ!」 とツッコまざるを得ないポスターです。
ポスターと言えば、バングラディシュ (当時は英領インド) の映画ポスターもツボでした。
中でも気になったのが、こちらの映画ポスターです。
映画のタイトルは、『これも人生』。
飛び降りたり、銃を構えたり、
ガスバーナーみたいなのを手にしたり、女性に関節技を決められたり。
まさに、これも人生。
駄作の匂いしかしないですが、それでも観てみたくなります。
それも人生。
ちなみに、その向かいには、
パキスタンの映画ポスターも展示されていました。
映画のタイトルは、『鞭をもつ女』 とのこと。
・・・・・・・いや、鞭を持つだけかーい!!
鞭で戦う女であれ。
最後に、今回もっともインパクトがあった作品をご紹介。
ラヴィンダル・レッディなるインドを代表する彫刻家の作品です。
タイトルは、ズバリ 《胸を持ち上げる女》。
キャプションには、このようにありました。
「おおらかで通俗的でありながらも、
どこか冒しがたい神聖な母性も兼ねそなえている。」
・・・・・・・・神聖なのか??
美術館というより、秘宝館にありそうな作品なのに。
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