現在、横浜美術館では、開館30周年記念として、
“オランジュリー美術館コレクション ルノワールとパリに恋した12人の画家たち” が開催されています。
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を得ております)
こちらは、1998年に東京を含む全国5会場で開催され、
計100万人以上を動員した伝説の展覧会 “パリ・オランジュリー美術館展” 以来、
実に21年ぶりとなるオランジュリー美術館コレクションです。
今回来日を果たしているのは、ルノワールを筆頭に、
モネやピカソ、セザンヌやユトリロ、モディリアーニなど13人の画家たち。
いずれも、西洋美術界のスーパースターばかりです。
言うなれば、『オーシャンズ13』 ならぬ 『オランジュリー13』 。
ハリウッド映画並みの豪華共演が楽しめる展覧会です。
展覧会の目玉は何と言っても、《ピアノを弾く少女たち》 。
言わずもがな、ルノワールの代表作中の代表作です。
オーギュスト・ルノワール 《ピアノを弾く少女たち》 1892年頃
Photo © RMN-Grand Palais (musée de l'Orangerie) / Franck Raux / distributed by AMF
こんなメジャークラスの作品が1点来日するだけでも奇跡的なことですが。
今展ではさらに、ルノワールによるもう1組のピアノを弾く少女たち、
《ピアノを弾くイヴォンヌとクリスティーヌ・ルロル》 も併せて来日しています。
2組の演奏を同時に聴ける (?) 貴重な機会といえましょう。
どちらも名作だけあって華がありますが、個人的には、
より優しく親密な印象の 《ピアノを弾く少女たち》 のほうがお気に入りです。
なお、ここだけの情報ですが、《ピアノを弾く少女たち》 の2人は、
「オラン」 と 「ジュリ姉」 の名前で、それぞれTwitterアカウントを持っている模様。
その正体は、まだ明らかにされていませんが (笑)。
ユルいやり取りを不定期に行っているそうです。
気になる方は、是非、フォローしてみてくださいませ。
また、今回の展覧会のもう一組の主役といえるのが、こちらのご夫妻。
ポール・ギヨームとドメニカ夫人です。
ポール・ギヨームは、元自動車の修理工という異色の経歴を持つ画商。
彼は、当時無名だった若い作家たちも、画商として積極的に支援したのだそう。
また自身でも作品を収集し、いずれは美術館を設立することを夢見ていました。
しかし、残念ながら、ポールは若くして亡くなります。
その遺志を妻のドメニカが受け継ぎ、最終的には、
「ジャン・ヴァルテル&ポール・ギヨーム コレクション」 としてフランス国家に譲渡しました。
そのコレクションが、オランジュリー美術館コレクションの中核となっているのです。
(ジャン・ヴァルテルは、ドメニカの2番目の夫)
つまり、この2人がいなければ、今回の展覧会は無かったといっても過言ではないのです。
会場には、そんな夫妻の邸宅を再現した模型も展示されていました。
壁という壁に絵がビッチリ。
まさに、売るほど絵を持っていたのですね。
さてさて、今回紹介されていた13人の画家の中で、
個人的にオススメなのは、やはりアンリ・ルソーでしょうか。
基本的にもれなくユルいアンリ・ルソーの作品ですが、
オランジュリー美術館が所蔵するアンリ・ルソー作品は、ユルさが3割増し。
来日した作品のどれもが強烈なユルさを放っていました。
例えば、こちらの 《婚礼》。
アンリ・ルソー 《婚礼》 1905年頃
Photo © RMN-Grand Palais (musée de l'Orangerie) / Hervé Lewandowski / distributed by AMF
花嫁が完全に宙を浮いています。
まるで心霊写真のような仕上がりです。
そして、それ以上に異彩を放っているのが、手前の犬。
いや、正確には、犬のような生き物です。
一体どんな座り方をしているのか。
その構造が謎すぎます。
犬といえば、《ジュニエ爺さんの二輪馬車》 もかなりのインパクトがあります。
アンリ・ルソー 《ジュニエ爺さんの二輪馬車》 1908年
なぜか馬車の死角の位置に黒い犬が一匹。
画面の右には、蟻くらいのサイズの犬が描かれています。
そして、よく見ると、馬車の中にも犬みたいな生物が。
しかも、画面のこっちを見ています。こっち見んな!
他にも、馬車のサイズとか馬の立ち方とか、
大きさといい表情、ポーズといい人形にしか見えない女の子とか、ツッコミどころが満載です。
ツッコミ気質の人は、体力を消耗しますので、ご注意を。
なお、そんなアンリ・ルソーに負けず劣らず、
ツッコミどころの多い絵を発表していたのが、意外にも、アンリ・マティスでした。
こっちの 「アンリ」 もかい!
中でも、《三姉妹》 はじわじわ衝撃的。
アンリ・マティス 《三姉妹》 1917年
3姉妹とも、髪型が変なことになっています。
特に緑色の服の女性!
前髪の下、おでこからもビッシリと毛が生えています。
『子連れ狼』 の大五郎スタイルです。
ちなみに、アンリ・ルソーやマティスの作品以外にも、
今回来日していた作品は、ユルめのタッチの絵画が多かったように思います。
おそらく、ポール&ドメニカ夫妻の好みなのでしょうね。
そんな2人のテイストが反映されたのでしょうか、展覧会オリジナルグッズにもユルいものが。
それは、マリー・ローランサン 《マドモアゼル・シャネルの肖像》 をモチーフにしたグッズです。
マリー・ローランサン 《マドモアゼル・シャネルの肖像》 1923年
Photo © RMN-Grand Palais (musée de l'Orangerie) / Hervé Lewandowski / distributed by AMF
シャネルが抱いている犬が、クッションとなっていました。
税抜き3000円。
お値段は、そこまでユルくありませんでした。
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“オランジュリー美術館コレクション ルノワールとパリに恋した12人の画家たち” が開催されています。
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を得ております)
こちらは、1998年に東京を含む全国5会場で開催され、
計100万人以上を動員した伝説の展覧会 “パリ・オランジュリー美術館展” 以来、
実に21年ぶりとなるオランジュリー美術館コレクションです。
今回来日を果たしているのは、ルノワールを筆頭に、
モネやピカソ、セザンヌやユトリロ、モディリアーニなど13人の画家たち。
いずれも、西洋美術界のスーパースターばかりです。
言うなれば、『オーシャンズ13』 ならぬ 『オランジュリー13』 。
ハリウッド映画並みの豪華共演が楽しめる展覧会です。
展覧会の目玉は何と言っても、《ピアノを弾く少女たち》 。
言わずもがな、ルノワールの代表作中の代表作です。
オーギュスト・ルノワール 《ピアノを弾く少女たち》 1892年頃
Photo © RMN-Grand Palais (musée de l'Orangerie) / Franck Raux / distributed by AMF
こんなメジャークラスの作品が1点来日するだけでも奇跡的なことですが。
今展ではさらに、ルノワールによるもう1組のピアノを弾く少女たち、
《ピアノを弾くイヴォンヌとクリスティーヌ・ルロル》 も併せて来日しています。
2組の演奏を同時に聴ける (?) 貴重な機会といえましょう。
どちらも名作だけあって華がありますが、個人的には、
より優しく親密な印象の 《ピアノを弾く少女たち》 のほうがお気に入りです。
なお、ここだけの情報ですが、《ピアノを弾く少女たち》 の2人は、
「オラン」 と 「ジュリ姉」 の名前で、それぞれTwitterアカウントを持っている模様。
私の名前は、オラン。パリに住むどこにでもいる普通の女の子。ちょっぴりでドジでおっちょこちょいだけど、今日もルノワールさんが描いた《ピアノを弾く少女たち》って絵の中で大好きなピアノを弾いています🎵
— オランちゃん (@oranchan_0921) August 9, 2019
ちょっとちょっと、オラン!何よ、その日本の少女漫画の第一話みたいな自己紹介!
— ジュリ姉 (@geriene_0921) August 9, 2019
その正体は、まだ明らかにされていませんが (笑)。
ユルいやり取りを不定期に行っているそうです。
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また、今回の展覧会のもう一組の主役といえるのが、こちらのご夫妻。
ポール・ギヨームとドメニカ夫人です。
ポール・ギヨームは、元自動車の修理工という異色の経歴を持つ画商。
彼は、当時無名だった若い作家たちも、画商として積極的に支援したのだそう。
また自身でも作品を収集し、いずれは美術館を設立することを夢見ていました。
しかし、残念ながら、ポールは若くして亡くなります。
その遺志を妻のドメニカが受け継ぎ、最終的には、
「ジャン・ヴァルテル&ポール・ギヨーム コレクション」 としてフランス国家に譲渡しました。
そのコレクションが、オランジュリー美術館コレクションの中核となっているのです。
(ジャン・ヴァルテルは、ドメニカの2番目の夫)
つまり、この2人がいなければ、今回の展覧会は無かったといっても過言ではないのです。
会場には、そんな夫妻の邸宅を再現した模型も展示されていました。
壁という壁に絵がビッチリ。
まさに、売るほど絵を持っていたのですね。
さてさて、今回紹介されていた13人の画家の中で、
個人的にオススメなのは、やはりアンリ・ルソーでしょうか。
基本的にもれなくユルいアンリ・ルソーの作品ですが、
オランジュリー美術館が所蔵するアンリ・ルソー作品は、ユルさが3割増し。
来日した作品のどれもが強烈なユルさを放っていました。
例えば、こちらの 《婚礼》。
アンリ・ルソー 《婚礼》 1905年頃
Photo © RMN-Grand Palais (musée de l'Orangerie) / Hervé Lewandowski / distributed by AMF
花嫁が完全に宙を浮いています。
まるで心霊写真のような仕上がりです。
そして、それ以上に異彩を放っているのが、手前の犬。
いや、正確には、犬のような生き物です。
一体どんな座り方をしているのか。
その構造が謎すぎます。
犬といえば、《ジュニエ爺さんの二輪馬車》 もかなりのインパクトがあります。
アンリ・ルソー 《ジュニエ爺さんの二輪馬車》 1908年
なぜか馬車の死角の位置に黒い犬が一匹。
画面の右には、蟻くらいのサイズの犬が描かれています。
そして、よく見ると、馬車の中にも犬みたいな生物が。
しかも、画面のこっちを見ています。こっち見んな!
他にも、馬車のサイズとか馬の立ち方とか、
大きさといい表情、ポーズといい人形にしか見えない女の子とか、ツッコミどころが満載です。
ツッコミ気質の人は、体力を消耗しますので、ご注意を。
なお、そんなアンリ・ルソーに負けず劣らず、
ツッコミどころの多い絵を発表していたのが、意外にも、アンリ・マティスでした。
こっちの 「アンリ」 もかい!
中でも、《三姉妹》 はじわじわ衝撃的。
アンリ・マティス 《三姉妹》 1917年
3姉妹とも、髪型が変なことになっています。
特に緑色の服の女性!
前髪の下、おでこからもビッシリと毛が生えています。
『子連れ狼』 の大五郎スタイルです。
ちなみに、アンリ・ルソーやマティスの作品以外にも、
今回来日していた作品は、ユルめのタッチの絵画が多かったように思います。
おそらく、ポール&ドメニカ夫妻の好みなのでしょうね。
そんな2人のテイストが反映されたのでしょうか、展覧会オリジナルグッズにもユルいものが。
それは、マリー・ローランサン 《マドモアゼル・シャネルの肖像》 をモチーフにしたグッズです。
マリー・ローランサン 《マドモアゼル・シャネルの肖像》 1923年
Photo © RMN-Grand Palais (musée de l'Orangerie) / Hervé Lewandowski / distributed by AMF
シャネルが抱いている犬が、クッションとなっていました。
税抜き3000円。
お値段は、そこまでユルくありませんでした。
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