現在、埼玉県立近代美術館で開催されているのは、
”森田恒友展 自然と共に生きて行かう” という展覧会。
埼玉県熊谷市出身の画家・森田恒友 (1881~1933) の大々的な回顧展です。
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を得ております。)
おそらく、この記事を読んでる大半の方が、
「森田恒友って誰??」 と思ったことでしょう。
森田恒友と交流の深かった画家の一人、
小杉放庵は、恒友について、こう証言しています。
一度も人気作家となつた事なく、遂に赫々たる大家巨匠と呼ばれたことなく、
それで居て非常な重量を以て、一方に存在し、其仕事に深い理解愛好者を持ち、
其芸術家的態度に殆ど異議なき信用を得て居た― (以下略)
友人からもディスられる。
実に埼玉人らしい画家といえましょう。
さて、初期の頃の恒友は、東京美術学校の先輩であった、
青木繁や坂本繁二郎らの影響を受けた洋画を描いていましたが。
1914年に渡欧すると、セザンヌの作品に感銘を受け、
その影響を強く受けた作品を制作するようになります。
翌1915年に、帰国。
日本各地を旅しながら風景画を描く中で、
恒友は、あることに気がついてしまうのです。
「日本の風景を描くには、油彩画よりも水墨画のほうが適している!」 と。
ヨーロッパに行く前に気づけよ!
いや、ヨーロッパに行ったからこそ気づけたのかもしれない。
すべてのことには意味がある。そうだろう?(←ぺこぱ風ツッコミ)
何はともあれ、それ以来、
恒友は、日本画も描くようになりました。
なお、日本画に取り組むようになってからも、
洋画を捨てたわけではなく、相変わらず油彩で風景画も多く描いています。
特徴的なのは、その中に必ずと言っていいほど、小さな人が描かれていること。
タイトルに採用されている恒友の言葉、
”自然と共に生きて行かう” を地で行くような風景画です。
とはいえ、52歳という若さでなくなった恒友、
その晩年に描いた尾瀬沼をモチーフにした穏やかな風景画には、人が登場していません。
ちなみに。
展覧会の冒頭で紹介されていた最初期の風景画にも、人は登場していませんでした。
青木繁やセザンヌの影響、水墨画への挑戦など、
紆余曲折あったものの、一周回って元の場所に戻ってきたような。
「時を戻そう!」 な画家人生を歩んだ人物です。
さてさて、穏やかな印象の風景画も多い恒友ですが、
同じくらいに、実はよく見ると、ヘンテコな風景画も多かったです。
何と言っても、クセがスゴいのが、木の生え方。
現実にはあり得ないような生え方をしています。
もはやシュルレアリスムの世界。
特にインパクトが強かったのが、《松原》 という一枚です。
完全に松が意思を持っています。
もしくは、完全に世界が歪んでいます。
じっくり見れば見るほど、正気ではいられなくなる一枚でした。
クセがないようでいて、噛めば噛むほど味が出る。
スルメのような画家、それが森田恒友。
皆さまも是非、”森田恒友アワー” をご堪能くださいませ。
最後に、余談も余談ですが。
《半月》 という作品を鑑賞している際、妙なデジャヴを感じました。
”うーん。この表具の柄、どこかで目にしたことがあるような??”
その時には、すぐに答えが出ませんでしたが。
後日、スーパーで買い物中に、答えが判明しました。
・・・・・・・あずきバーだ。
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”森田恒友展 自然と共に生きて行かう” という展覧会。
埼玉県熊谷市出身の画家・森田恒友 (1881~1933) の大々的な回顧展です。
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其芸術家的態度に殆ど異議なき信用を得て居た― (以下略)
友人からもディスられる。
実に埼玉人らしい画家といえましょう。
さて、初期の頃の恒友は、東京美術学校の先輩であった、
青木繁や坂本繁二郎らの影響を受けた洋画を描いていましたが。
1914年に渡欧すると、セザンヌの作品に感銘を受け、
その影響を強く受けた作品を制作するようになります。
翌1915年に、帰国。
日本各地を旅しながら風景画を描く中で、
恒友は、あることに気がついてしまうのです。
「日本の風景を描くには、油彩画よりも水墨画のほうが適している!」 と。
ヨーロッパに行く前に気づけよ!
いや、ヨーロッパに行ったからこそ気づけたのかもしれない。
すべてのことには意味がある。そうだろう?(←ぺこぱ風ツッコミ)
何はともあれ、それ以来、
恒友は、日本画も描くようになりました。
なお、日本画に取り組むようになってからも、
洋画を捨てたわけではなく、相変わらず油彩で風景画も多く描いています。
特徴的なのは、その中に必ずと言っていいほど、小さな人が描かれていること。
タイトルに採用されている恒友の言葉、
”自然と共に生きて行かう” を地で行くような風景画です。
とはいえ、52歳という若さでなくなった恒友、
その晩年に描いた尾瀬沼をモチーフにした穏やかな風景画には、人が登場していません。
ちなみに。
展覧会の冒頭で紹介されていた最初期の風景画にも、人は登場していませんでした。
青木繁やセザンヌの影響、水墨画への挑戦など、
紆余曲折あったものの、一周回って元の場所に戻ってきたような。
「時を戻そう!」 な画家人生を歩んだ人物です。
さてさて、穏やかな印象の風景画も多い恒友ですが、
同じくらいに、実はよく見ると、ヘンテコな風景画も多かったです。
何と言っても、クセがスゴいのが、木の生え方。
現実にはあり得ないような生え方をしています。
もはやシュルレアリスムの世界。
特にインパクトが強かったのが、《松原》 という一枚です。
完全に松が意思を持っています。
もしくは、完全に世界が歪んでいます。
じっくり見れば見るほど、正気ではいられなくなる一枚でした。
クセがないようでいて、噛めば噛むほど味が出る。
スルメのような画家、それが森田恒友。
皆さまも是非、”森田恒友アワー” をご堪能くださいませ。
最後に、余談も余談ですが。
《半月》 という作品を鑑賞している際、妙なデジャヴを感じました。
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