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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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箱根美術館

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彫刻の森美術館、ポーラ美術館、岡田美術館、箱根ラリック美術館・・・etc
箱根には、たくさんの美術館がありますが、
それらの中で最も古くから箱根にあるのが、こちらの美術館↓




その名も、ズバリ箱根美術館
開館したのは、なんと昭和27年。
今年で開館68年目を迎える老舗中の老舗です。

そんな箱根美術館の見どころの一つとなるのが、苔庭。
約130種類ものコケが密生しているそうです。


(残念ながら、僕が訪れた日はちょうど苔の張り替え作業中でした)


それから、期間限定で公開されるという 「石楽園」。
巨岩の石組みを中心とした珍しい庭園です。




これらの庭園を含む箱根美術館の敷地内は、
平成25年に国の登録記念物に登録されているのだそう。
苔好き、庭好きなら、是非とも抑えておきたい美術館です。


ところで、こちらの箱根美術館。
実は、熱海にあるMOA美術館の姉妹館にあたります。
それゆえ、敷地内にある休憩スポットには、
MOA美術館でしか見たことが無いオリジナルドリンクの自動販売機がありました。




さてさて、箱根美術館もMOA美術館も、
世界救世教の教祖・岡田茂吉が蒐集した日本・東洋の古美術品を母体としていますが、
箱根美術館は、特に 「日本のやきもの」 を中心に展示しているようです。

庭園も写真撮影OKですが、展示室も写真撮影OK!
最初の展示室では、箱根美術館のコレクションの中から、
伊万里や鍋島といった日本各地のやきものが紹介されています。




MOA美術館のコレクションのほうには、
国宝にも指定されている野々村仁清の 《色絵藤花文茶壺》 がありますが。
箱根美術館にも、野々村仁清作のやきものがありました。
それが、こちらの 《褐釉瓢箪文茶碗》 です。




「轆轤の名手」 の異名を持つ野々村仁清。
その腕を遺憾なく発揮し、さすがに茶碗のフォルムは完璧も完璧でした。
が、文様の瓢箪は、ビックリするくらいにフリーハンド感満載。
そもそも、瓢箪なのかも怪しかったです。


フリーハンドといえば、伊万里の 《色絵赤玉龍文鉢》 も。




まぁ、大目に見て、龍の表現に関しては、これで良しとしましょう。
しかし、周囲に描かれた鳳凰の表現が。。。




一体、首はどうなっているのか?
なぜ、羽が櫛みたいなことになっているのか?
尻尾が長すぎやしないか?
観れば観るほど、不安になってくるものがありました。

そんな 《色絵赤玉龍文鉢》 と同じくらいに、
見れば見るほど不安がよぎってきたのが、こちらのお皿↓




赤い渦巻きは、もはやカニカマ (チーズinのタイプ) にしか見えなかったのですが。
タイトルは、《色絵カニカマ文皿》 ではなく、《色絵薔薇文皿》 とのこと。
どうやら、あのグルグルは薔薇をイメージしているようです。
・・・・・・・・あれっ?薔薇って何だっけ??
もはや概念から覆されてしまいました。


さて、続く2階の展示室では、
備前や丹波といった六古窯の大きな瓶や壺が中心に展示されています。




それらの中にはもちろん、
『スカーレット』 でお馴染みの信楽焼も。




さらには、六古窯よりも古い 「日本のやきもの」、
つまり、縄文土器やハニワといった古代のやきものも展示されていました。




個人的にもっとも印象に残ったのは、
ほぼ出土例が知られていないという兎の埴輪。




前脚と後脚が太いのは愛嬌ですが、
顔はキュートな仕上がりとなっています。
特に、口元。
どことなく、あのキャラクターを彷彿とさせるものがありました。
弥生のミッフィー。
グッズ化希望です。
星


なお、「日本のやきもの」 以外にも、
朝鮮や中国といった東洋のやきものも紹介されていました。




その昔、技術や文化が日本よりもはるかに進んでいた中国。
日本のやきもののような “ユルさ” は無いだろうと思っていたのですが。
中には、ユルいテイストのやきものもありました。




牛をモチーフにした斬新なデザイン。
これが本当の牛皿です。




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