注:岡田美術館は、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、4月23日まで臨時休館しています。
状況により、休館期間の変更もあるとのこと。
その際にはHPで改めてお知らせするそうです。
なお、この取材は、緊急事態宣言が発令される前に行いました。
ちなみに、現在も自宅にこもり、ジグソーパズル中です。
今年2020年は、葛飾北斎の生誕260年という節目の年。
それを記念して、現在、東洋・日本美術の殿堂こと岡田美術館では、
“北斎の肉筆画 ―版画・春画の名作とともに―” という展覧会が開催されています。
実は意外にも、岡田美術館で北斎の展覧会が開催されるのは、今回が初めてなのだとか。
開館7年目にして、満を持してお届けする北斎展です。
展覧会の見どころは何と言っても、
岡田美術館が収蔵する北斎の肉筆画10点の一挙展示!
一切出し惜しみすることなく、全点もれなくお披露目されています。
(注:館内は写真撮影禁止です。特別な許可を得て撮影しています。)
それら10点の肉筆画の中には、
『画狂人北斎』 と名乗っていた40歳代前半頃の美人画や、
葛飾北斎 《立美人図》 江戸時代後期 19世紀初頭 岡田美術館蔵
北斎にしては (?) わりとあっさり目な風景画、
葛飾北斎 《桜花海浜図》 江戸時代後期 19世紀初頭 岡田美術館蔵
88歳の老人 (しかも当時の!) が描いたとは信じ難い 《雁図》 をはじめ、
葛飾北斎 《雁図》 江戸時代 弘化4年(1847) 岡田美術館蔵
貴重な作品が多数含まれています。
いや、むしろ10点すべてが貴重な作品と言っても過言ではありません。
これほどの北斎の肉筆画コレクションを収蔵していただなんて。
改めて、岡田美術館のポテンシャルの高さを思い知らされました。
甲乙つけがたいところではありますが、
その貴重な10点の中でも特に貴重なのが、《四季耕作図屏風》 です。
葛飾北斎 《四季耕作図屏風》(部分) 江戸時代後期 19世紀初頭 岡田美術館蔵
こちらは、なんとあのイギリス人建築家ジョサイア・コンドルが愛蔵していたもの。
コンドルの死後は、遺族によってデンマークへ。
2007年に、ようやく日本に里帰りを果たしたという逸品です。
描かれているのは、のどかな農村の情景。
縁側で赤ちゃんを優しく抱きかかえる母親や、
田植えにいそしむ人々や米俵を蔵に運び入れる人々など、
さまざまな人物が、実に生き生きとした姿で描かれています。
観ているだけで心が凪ぐような作品でした。
また、貴重と言えば、北斎の美人画の傑作と謳われる 《夏の朝》 ももちろん出展中。
葛飾北斎 《夏の朝》(部分) 江戸時代 後期 19世紀初頭 岡田美術館蔵
しかも!
今回は特別に、同時期に描かれたもう一つの美人画の傑作・・・・・
葛飾北斎 《美人夏姿図》 江戸時代後期 19世紀初頭 個人蔵
個人蔵の 《美人夏姿図》 が特別に出展されています!!
この2大美人画が並ぶのは、約30年ぶりとのこと。
北斎ファン、浮世絵ファンならずとも、
是非この奇跡の競演を、目に焼き付けておきたいところです。
ちなみに。
展覧会には、北斎の肉筆画の他にも、
北斎が手掛けた春画や 『北斎漫画』 (個人蔵) や、
「これぞ北斎!」 という代表的な版画も紹介されています。
葛飾北斎 《冨嶽三十六景 神奈川沖波裏》 江戸時代 天保2~4年(1831~1833) 岡田美術館蔵
(注:展示期間は4月5日~6月1日)
それに加えて、北斎の師匠である勝川春章や、
北斎のライバル (?) である歌川広重をはじめ、
北斎以外の絵師による肉筆画も多数展示されています。
勝川春章 《美人に犬図》 江戸時代中期 18世紀後半 岡田美術館蔵
歌川広重 《箱根温泉場ノ図・箱根湖上ノ不二》 江戸時代後期 19世紀中頃 岡田美術館蔵
さらにさらに、展示フロアは異なりますが、この展覧会に合わせて、
岡田美術館のマスターピース、喜多川歌麿の 《深川の雪》 も2年ぶりに展示されています。
喜多川歌麿 《深川の雪》(部分) 享和2~文化3年(1802~06)頃 岡田美術館蔵
(注:《品川の月》 と 《吉原の春》 は高精細複製画が展示されてます)
これでもかというくらいに、見どころがてんこ盛り。
あまりに大盤振る舞いすぎて、
逆に胸焼けしてしまいそうになるレベルでした (笑)
(もし胸焼けしそうになったら、すかさず足湯カフェに行って落ち着きましょう!)
明日にでも美術館に足を運びたいところでしょうが、今はStay Homeです。
《夏の朝》 と 《美人夏姿図》 の競演を観るベストシーズンは、夏。
その頃には、きっと収束しているはずですよ。
ちなみに。
今回出展されていた北斎の肉筆画の中で、
個人的に一番印象に残っているのは、《傾城図》 です。
葛飾北斎 《傾城図》 江戸時代後期 19世紀前半 岡田美術館蔵
描かれているのは、傾城。
つまり、トップクラスの花魁です。
こちらは、「戴斗」 と名乗っていた頃に描かれた数少ない肉筆画のうちの一つとのこと。
さらに希少なのは、この作品に使われている落款なのだそう。
カタカナで 「ムサシシモフサ」 のように読めるこの印は、
現在までに、10点ほどしか確認されていないものなのだそうです。
ということで、ズームイン。
「ム」「サ」「シ」「モ」 はわかりましたが、「フ」 はどこに??
というか、「シ」 と 「モ」 は2回使ってオッケーなのですね。
もしかしたら、「ム」 と 「サ」 ではなく、「弁」 という字なのかも。
シモ弁?
いや、意味はまったくわかりませんが。
それ以上に気になったのは、表装の柄です。
「卍」 がいっぱい。マジ卍。
さすが、のちに画狂老人卍を名乗るだけのことはありました。
┃会期:2020年4月5日(日)~9月27日(日)
┃会場:岡田美術館
┃https://www.okada-museum.com/exhibition/
~読者の皆様へのプレゼント~
“北斎の肉筆画展” の無料鑑賞券を、5組10名様にプレゼントいたします。
住所・氏名・電話番号を添えて、以下のメールフォームより応募くださいませ。
https://ws.formzu.net/fgen/S98375463/
なお、〆切は、4月23日です。当選は発送をもって代えさせていただきます。
1位を目指して、ランキングに挑戦中。
下のボタンをポチッと押して頂けると嬉しいです!
状況により、休館期間の変更もあるとのこと。
その際にはHPで改めてお知らせするそうです。
なお、この取材は、緊急事態宣言が発令される前に行いました。
ちなみに、現在も自宅にこもり、ジグソーパズル中です。
今年2020年は、葛飾北斎の生誕260年という節目の年。
それを記念して、現在、東洋・日本美術の殿堂こと岡田美術館では、
“北斎の肉筆画 ―版画・春画の名作とともに―” という展覧会が開催されています。
実は意外にも、岡田美術館で北斎の展覧会が開催されるのは、今回が初めてなのだとか。
開館7年目にして、満を持してお届けする北斎展です。
展覧会の見どころは何と言っても、
岡田美術館が収蔵する北斎の肉筆画10点の一挙展示!
一切出し惜しみすることなく、全点もれなくお披露目されています。
(注:館内は写真撮影禁止です。特別な許可を得て撮影しています。)
それら10点の肉筆画の中には、
『画狂人北斎』 と名乗っていた40歳代前半頃の美人画や、
葛飾北斎 《立美人図》 江戸時代後期 19世紀初頭 岡田美術館蔵
北斎にしては (?) わりとあっさり目な風景画、
葛飾北斎 《桜花海浜図》 江戸時代後期 19世紀初頭 岡田美術館蔵
88歳の老人 (しかも当時の!) が描いたとは信じ難い 《雁図》 をはじめ、
葛飾北斎 《雁図》 江戸時代 弘化4年(1847) 岡田美術館蔵
貴重な作品が多数含まれています。
いや、むしろ10点すべてが貴重な作品と言っても過言ではありません。
これほどの北斎の肉筆画コレクションを収蔵していただなんて。
改めて、岡田美術館のポテンシャルの高さを思い知らされました。
甲乙つけがたいところではありますが、
その貴重な10点の中でも特に貴重なのが、《四季耕作図屏風》 です。
葛飾北斎 《四季耕作図屏風》(部分) 江戸時代後期 19世紀初頭 岡田美術館蔵
こちらは、なんとあのイギリス人建築家ジョサイア・コンドルが愛蔵していたもの。
コンドルの死後は、遺族によってデンマークへ。
2007年に、ようやく日本に里帰りを果たしたという逸品です。
描かれているのは、のどかな農村の情景。
縁側で赤ちゃんを優しく抱きかかえる母親や、
田植えにいそしむ人々や米俵を蔵に運び入れる人々など、
さまざまな人物が、実に生き生きとした姿で描かれています。
観ているだけで心が凪ぐような作品でした。
また、貴重と言えば、北斎の美人画の傑作と謳われる 《夏の朝》 ももちろん出展中。
葛飾北斎 《夏の朝》(部分) 江戸時代 後期 19世紀初頭 岡田美術館蔵
しかも!
今回は特別に、同時期に描かれたもう一つの美人画の傑作・・・・・
葛飾北斎 《美人夏姿図》 江戸時代後期 19世紀初頭 個人蔵
個人蔵の 《美人夏姿図》 が特別に出展されています!!
この2大美人画が並ぶのは、約30年ぶりとのこと。
北斎ファン、浮世絵ファンならずとも、
是非この奇跡の競演を、目に焼き付けておきたいところです。
ちなみに。
展覧会には、北斎の肉筆画の他にも、
北斎が手掛けた春画や 『北斎漫画』 (個人蔵) や、
「これぞ北斎!」 という代表的な版画も紹介されています。
葛飾北斎 《冨嶽三十六景 神奈川沖波裏》 江戸時代 天保2~4年(1831~1833) 岡田美術館蔵
(注:展示期間は4月5日~6月1日)
それに加えて、北斎の師匠である勝川春章や、
北斎のライバル (?) である歌川広重をはじめ、
北斎以外の絵師による肉筆画も多数展示されています。
勝川春章 《美人に犬図》 江戸時代中期 18世紀後半 岡田美術館蔵
歌川広重 《箱根温泉場ノ図・箱根湖上ノ不二》 江戸時代後期 19世紀中頃 岡田美術館蔵
さらにさらに、展示フロアは異なりますが、この展覧会に合わせて、
岡田美術館のマスターピース、喜多川歌麿の 《深川の雪》 も2年ぶりに展示されています。
喜多川歌麿 《深川の雪》(部分) 享和2~文化3年(1802~06)頃 岡田美術館蔵
(注:《品川の月》 と 《吉原の春》 は高精細複製画が展示されてます)
これでもかというくらいに、見どころがてんこ盛り。
あまりに大盤振る舞いすぎて、
逆に胸焼けしてしまいそうになるレベルでした (笑)
(もし胸焼けしそうになったら、すかさず足湯カフェに行って落ち着きましょう!)
明日にでも美術館に足を運びたいところでしょうが、今はStay Homeです。
《夏の朝》 と 《美人夏姿図》 の競演を観るベストシーズンは、夏。
その頃には、きっと収束しているはずですよ。
ちなみに。
今回出展されていた北斎の肉筆画の中で、
個人的に一番印象に残っているのは、《傾城図》 です。
葛飾北斎 《傾城図》 江戸時代後期 19世紀前半 岡田美術館蔵
描かれているのは、傾城。
つまり、トップクラスの花魁です。
こちらは、「戴斗」 と名乗っていた頃に描かれた数少ない肉筆画のうちの一つとのこと。
さらに希少なのは、この作品に使われている落款なのだそう。
カタカナで 「ムサシシモフサ」 のように読めるこの印は、
現在までに、10点ほどしか確認されていないものなのだそうです。
ということで、ズームイン。
「ム」「サ」「シ」「モ」 はわかりましたが、「フ」 はどこに??
というか、「シ」 と 「モ」 は2回使ってオッケーなのですね。
もしかしたら、「ム」 と 「サ」 ではなく、「弁」 という字なのかも。
シモ弁?
いや、意味はまったくわかりませんが。
それ以上に気になったのは、表装の柄です。
「卍」 がいっぱい。マジ卍。
さすが、のちに画狂老人卍を名乗るだけのことはありました。
┃会期:2020年4月5日(日)~9月27日(日)
┃会場:岡田美術館
┃https://www.okada-museum.com/exhibition/
~読者の皆様へのプレゼント~
“北斎の肉筆画展” の無料鑑賞券を、5組10名様にプレゼントいたします。
住所・氏名・電話番号を添えて、以下のメールフォームより応募くださいませ。
https://ws.formzu.net/fgen/S98375463/
なお、〆切は、4月23日です。当選は発送をもって代えさせていただきます。
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