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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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古典×現代2020-時空を超える日本のアート

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注:国立新美術館は、臨時休館中です。
開幕日は国立新美術館および展覧会HPでご確認下さいませ。

 国立新美術館HP https://www.nact.jp
 展覧会HP https://kotengendai.exhibit.jp



3月24日。
国立新美術館にて、3月11日からスタートする予定だった展覧会、
“古典×現代2020-時空を超える日本のアート” のプレス向け内覧会が行われました。


(注:館内は写真撮影禁止です。特別な許可を得て撮影しています。)


タイトルだけでは、イマイチどんな展覧会か伝わらないでしょうが。
古典・・・つまり、江戸時代以前の絵画や仏像などの名品と、
現代・・・つまり、現代アーティストの作品とを組み合わせて紹介する展覧会です。

例えば。
最初の展示室では、シンプルな仙厓の禅画と、


仙厓義梵 《円相図》 江戸時代・19世紀 紙本墨画 37.0×49.0cm 福岡市美術館(石村コレクション) 
(注:展覧会は開幕していませんが、展示終了したとのこと。展示作品については、出品作品リストをご確認くださいませ)



シンプルな作風に定評のある 「もの派」 の菅木志雄さん、


菅木志雄 《支空》 1985年 ステンレス板、木、石、竹 510.0×570.0×153.0cm 作家蔵 撮影:菅木志雄


2人の作品を組み合わせて紹介しています。
『シンプル』 という共通点があるとはいえ、
生きている時代も、素材も全く異なる仙厓と菅木志雄さん。
“いやいや、絶対合うないでしょwww” と思いきや・・・・・・・・・・・・




不思議とマッチングしていました!!

気を衒って組み合わせたというよりも、
もともとこういうインスタレーション作品だったような印象さえ受けました。


また、例えば。
ある展示室では、尾形乾山の陶芸作品と、


尾形乾山 《銹絵百合形向付》 江戸時代・18世紀 施釉陶器 (各)高5.2cm、口径15.8cm、底径5.8cm  MIHO MUSEUM 撮影:越田悟全


東京都現代美術館での展覧会が好評だったミナ ペルホネン、
その代表を務める皆川明さんの作品とを組み合わせて紹介しています。


minä perhonen 《ring flower》 2005-06年 秋冬コレクション


もはや共通点すら思い浮かばない取り合わせ。
“それはさすがに合うわけないでしょwww” と思いきや・・・・・・・・・・・・




こちらも不思議とマッチングしていました!!

何このシンクロ率?!
むしろ、今まで組み合わされなかったのが不思議なくらいに、
尾形乾山と皆川明さんの2人の世界観が見事に調和していました。

この他にも、「円空×棚田康司」 や、




「曾我蕭白×横尾忠則」 など、




思いもかけない 「古典×現代」 が続々登場!
どれもこれも不思議なほどにマッチングしていました。
「生ハム×メロン」 よりもマッチングしていた気がします (←?)

個人的に一番印象に残ったのは、
「刀剣×鴻池朋子」 という異色のカップリングです。





展示室の中央に展示されているのは、鴻池朋子さんの 《皮緞帳》
その幅は、実に24m。
動物の皮を縫い合わせて制作された作品です。
そんな 《皮緞帳》 の周囲に太刀や短刀が配置されています。
その取り合わせに、なんだか背筋がゾクッとするものがありました。


ちなみに、何度かコラボしているので、
目新しさこそ無かったものの、「葛飾北斎×しりあがり寿」 は安定の面白さ。




北斎の 《冨嶽三十六景》 シリーズを思いっきりパロディした、
《ちょっと可笑しなほぼ三十六景》 シリーズは必見ですよ。


画像上:葛飾北斎 《冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏》 江戸時代・19世紀 大判錦絵 25.2×38.5cm 和泉市久保惣記念美術館
画像下:しりあがり寿 《ちょっと可笑しなほぼ三十六景 太陽から見た地球》 2017年 和紙にインクジェットプリント 32.0×47.0cm 作家蔵





とにもかくにも、この企画を思いついた人の発想力には、ただただ感服するばかり。
日本美術の展覧会とも、現代アート展とも違う、新感覚の展覧会でした。
“古典×現代2020” といわずに、
“古典×現代2021”、“古典×現代2022” と続いていって欲しいものです。
星星星


・・・・・・・・・と、こんなにも素敵な展覧会だけに。
いまだ開幕の目途が立っていないのが、残念でなりません。
一人でも多くの人に、展覧会の会場の雰囲気を味わって頂きたい!
ということで、4月12日より特別に展示風景が展覧会HPで公開されています。
今日のところは、『Stay Home』 で 「古典×現代」 をお楽しみくださいませ。
おうちで美術鑑賞しよう。


 ┃会期:未定~6月1日(日)
 ┃会場:国立新美術館
 ┃
https://kotengendai.exhibit.jp




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