例えば、薬師如来は左手に薬壺を。
また例えば、不動明王は倶利伽羅剣と羂索 (=ロープのようなもの) を持っています。
仏像が手に持つこれらの持ち物を、「持物(じもつ)」 と呼びます。
そんな持物をもっとも手にしている仏像が・・・・・・・・
そう、千手観音です。
右手に19コ。左手に19コ。
合わせて、38コ。
すべてを用意するのは、かなり大変そうです。
もしも、千手観音の母親が心配性だったなら。
きっと、こんな会話が繰り広げられているかもしれません。
母 「あんた、今日初出勤でしょ?ちゃんと持物用意した?」
千手観音 「したした」
母 「羂索持った?」
千手観音 「持ったよ」
母 「錫杖持った?」
千手観音 「持ったよ」
母 「法螺 (=ホラ貝) 持った?」
千手観音 「持ったって」
母 「数珠と葡萄と払子は持った?」
千手観音 「持った持った!」
母 「蓮華の花は?」
千手観音 「紅蓮華に白蓮華、青蓮華、それと、紫蓮華 も持ったよ。
何で4つも蓮華の花が必要なんかよくわからないけど」
母 「宝剣は?」
千手観音 「持ったって!いちいちうるさいなぁ!」
母 「何よ、アンタのために言ってるんじゃない!」
千手観音 「大丈夫だって!子どもじゃないんだから!」
母 「そんなこと言って、もし忘れ持物あったとしても、
お母さん、今日はパートあるから、届けてあげられないんだからね」
千手観音 「恥ずかしいから、そんなことしなくていいって」
母 「で、水瓶は持ったの?」
千手観音 「持ったっつうの!まだ続けんのかよ。
軍持と胡瓶の両方持った。中に功徳のある水も入れたし」
母 「法具系は持ったの?」
千手観音 「持ったよ。イマイチ使い方と違いがわかってないけど。
跋折羅と金輪と戟鞘と金剛杵も持った。
あと、月精摩尼も日精摩尼も持ったから」
母 「化仏は?」
千手観音 「化仏だけじゃなくて、頂上化仏も持った。
何で仏像の俺が、小さな仏像を持たなきゃいけないか意味不明だけど」
母 「あと、アレは持ったの?宝・・・なんとか」
千手観音 「どれだよ!『宝』 が付くヤツ多いんだよ。
宝鉢とか宝印とか宝弓とか宝箭とか宝珠とか宝鐸とか。
大体さ、『ほうきょう』 って同じ読み方のヤツが、
宝経、宝鏡、宝篋の3種類もあるのなんて、どんな嫌がらせだよ」
母 「楊柳は・・・」
千手観音 「持った!」
母 「玉環は・・・」
千手観音 「持った!」
母 「何て読むかわからないんだけど、
ほら、あの先端が直角に曲がってる棒状の武器みたいなのは?」
千手観音 「倶尸鉄鈎 (くしてっこう) ね!持ったよ!」
母 「ドクロのついたあのダサい杖は持った?」
千手観音 「髑髏杖ね。ダサいとか言うなよ!」
母 「じゃあ、ドラゴンがデザインされてるあのダサい盾は?」
千手観音 「傍牌な!だから、ダサいとか言うなって!」
母 「不老不死を得るっていう五色雲は持った?」
千手観音 「雲って持てるのかわかんないけど、一応持った」
母 「宮殿は持った?」
千手観音 「確実に手に持つものじゃあない気がするけど、なんとか持った」
母 「それじゃ、忘れ持物はないのね?」
千手観音 「だから、無いって!んじゃ、行ってきます!」
母 「あー、待って待って!ほら、玄関に鉞斧、忘れてる!」
千手観音 「あー、本当だ!ありがと!」
母 「まったくもう・・・。鉞斧を忘れるなんて信じられないんだから」
千手観音 「ごめんごめん。ところで、この斧って何に使うんだっけ?」
母 「確か、役人の難から逃れることができる法具だったはずだけど」
千手観音 「そういう斧なんだ」
母 「いざとなったら、これで役人の脳天をかち割れってことなんじゃないかしら??」
千手観音 「怖っ!」
・・・・・・とかなんとかいうやりとりが、
仏の世界のどこかで、行われているかもしれません。
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また例えば、不動明王は倶利伽羅剣と羂索 (=ロープのようなもの) を持っています。
仏像が手に持つこれらの持ち物を、「持物(じもつ)」 と呼びます。
そんな持物をもっとも手にしている仏像が・・・・・・・・
そう、千手観音です。
右手に19コ。左手に19コ。
合わせて、38コ。
すべてを用意するのは、かなり大変そうです。
もしも、千手観音の母親が心配性だったなら。
きっと、こんな会話が繰り広げられているかもしれません。
母 「あんた、今日初出勤でしょ?ちゃんと持物用意した?」
千手観音 「したした」
母 「羂索持った?」
千手観音 「持ったよ」
母 「錫杖持った?」
千手観音 「持ったよ」
母 「法螺 (=ホラ貝) 持った?」
千手観音 「持ったって」
母 「数珠と葡萄と払子は持った?」
千手観音 「持った持った!」
母 「蓮華の花は?」
千手観音 「紅蓮華に白蓮華、青蓮華、それと、紫蓮華 も持ったよ。
何で4つも蓮華の花が必要なんかよくわからないけど」
母 「宝剣は?」
千手観音 「持ったって!いちいちうるさいなぁ!」
母 「何よ、アンタのために言ってるんじゃない!」
千手観音 「大丈夫だって!子どもじゃないんだから!」
母 「そんなこと言って、もし忘れ持物あったとしても、
お母さん、今日はパートあるから、届けてあげられないんだからね」
千手観音 「恥ずかしいから、そんなことしなくていいって」
母 「で、水瓶は持ったの?」
千手観音 「持ったっつうの!まだ続けんのかよ。
軍持と胡瓶の両方持った。中に功徳のある水も入れたし」
母 「法具系は持ったの?」
千手観音 「持ったよ。イマイチ使い方と違いがわかってないけど。
跋折羅と金輪と戟鞘と金剛杵も持った。
あと、月精摩尼も日精摩尼も持ったから」
母 「化仏は?」
千手観音 「化仏だけじゃなくて、頂上化仏も持った。
何で仏像の俺が、小さな仏像を持たなきゃいけないか意味不明だけど」
母 「あと、アレは持ったの?宝・・・なんとか」
千手観音 「どれだよ!『宝』 が付くヤツ多いんだよ。
宝鉢とか宝印とか宝弓とか宝箭とか宝珠とか宝鐸とか。
大体さ、『ほうきょう』 って同じ読み方のヤツが、
宝経、宝鏡、宝篋の3種類もあるのなんて、どんな嫌がらせだよ」
母 「楊柳は・・・」
千手観音 「持った!」
母 「玉環は・・・」
千手観音 「持った!」
母 「何て読むかわからないんだけど、
ほら、あの先端が直角に曲がってる棒状の武器みたいなのは?」
千手観音 「倶尸鉄鈎 (くしてっこう) ね!持ったよ!」
母 「ドクロのついたあのダサい杖は持った?」
千手観音 「髑髏杖ね。ダサいとか言うなよ!」
母 「じゃあ、ドラゴンがデザインされてるあのダサい盾は?」
千手観音 「傍牌な!だから、ダサいとか言うなって!」
母 「不老不死を得るっていう五色雲は持った?」
千手観音 「雲って持てるのかわかんないけど、一応持った」
母 「宮殿は持った?」
千手観音 「確実に手に持つものじゃあない気がするけど、なんとか持った」
母 「それじゃ、忘れ持物はないのね?」
千手観音 「だから、無いって!んじゃ、行ってきます!」
母 「あー、待って待って!ほら、玄関に鉞斧、忘れてる!」
千手観音 「あー、本当だ!ありがと!」
母 「まったくもう・・・。鉞斧を忘れるなんて信じられないんだから」
千手観音 「ごめんごめん。ところで、この斧って何に使うんだっけ?」
母 「確か、役人の難から逃れることができる法具だったはずだけど」
千手観音 「そういう斧なんだ」
母 「いざとなったら、これで役人の脳天をかち割れってことなんじゃないかしら??」
千手観音 「怖っ!」
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