注:会期や開館時間、イベント等変更する場合があります。
最新情報は美術館ホームページ等でご確認くださいませ。
東京ステーションギャラリーにて、
4月18日より開催予定だった “神田日勝 大地への筆触” が、いよいよ開幕しました!
今年2020年は、神田日勝の没後50年という節目の年。
それを記念して開催される、東京では実に42年ぶりとなる大規模な回顧展です。
ちなみに、東京ステーションギャラリーを皮切りに、この後、2館を巡回するそうですが。
7月からは、北海道・鹿追にある神田日勝記念美術館で、
9月からは、札幌の北海道立博物館で開催されるとのこと。
つまり、北海道以外で開催されるのは、東京ステーションギャラリーだけなのです。
そんな北海道を代表する画家、神田日勝ですが、
北海道での知名度とは裏腹に、北海道以外ではほぼ知られていません。
まずは、その人物を簡単にご紹介いたしましょう。
何と言っても、神田日勝の大きな特徴は、
画家でありながらも、戦後の開拓農民として生きた点。
「農民である。画家である」
とは、神田日勝の言葉。
『結局、どういう作品が生まれるかは、どういう生き方をするかにかかっている。』
と、自身が語ったように、神田日勝の作品は、
農民であり、画家であった彼だからこそ描けたものばかりです。
特に彼が多く描いたのが、開墾のパートナーである農耕馬。
(注:館内は写真撮影禁止です。特別な許可を得て撮影しています。)
毛並みの1本1本まで、丹念に、
いや、執拗なほどに描かれています。
美術品には、絶対に接触してはいけませんが、
もし触ってみたなら、馬の毛並みと同じ感触で体温も感じられるはず。
そう感じさせるほどの圧倒的なリアリティーがあります。
なお、圧倒的なリアリティーに関しては、
彼の絶筆にして代表作でもある 《馬(絶筆・未完)》 がその真骨頂。
絶筆とあるように、神田日勝は、
この絵を完成させることなく、32歳と言う若さでこの世を去っています。
いつか全身像を完成させてもらえるその日を、
待ちわびているかのような馬の表情に、思わず心が揺さぶられる一枚です。
この1点を観るだけでも、訪れる価値はあります!
ところで、気になるのは、その描き方。
地となるベニヤ板はむき出しですし、馬の下半身は全く描かれていませんし。
全体的に描き進めるのではなく、
部分的に絵を完成させつつ、描き進めていることが見て取れます。
まるで、セーターやマフラーを編むかのように、
せっせとせっせと絵を完成させていく独特のスタイルです。
貧しさに耐えながら、北海道で制作を続けていた日勝。
その姿を想像 (妄想?) していたら、
「♪日本全国の人に観てはもらえぬ絵を寒さこらえて描いてます~」
というフレーズが頭の中を駆け巡りました。
ちなみに、神田日勝は、本名。
日中戦争のさなかに生まれたことから、
「日本勝利」 にちなんで名づけられた名前なのだとか。
生まれながらにして、なんとも大きなものを背負わされていますね。
さてさて、『神田日勝=馬の画家』 というイメージが強いかもしれませんが。
今回の展覧会では、壁をモチーフにした初期の作品や、
架空のアトリエをモチーフにしたカラフルな作品、
アンフォルメル (抽象表現) 風のダイナミックな作品など、
これまでの神田日勝のイメージを変えるような作品も余すことなく紹介されています。
短い生涯の中で、これほど画風の変遷を変えていたのですね。
中でも印象に残ったのは、《室内風景》 という一枚。
壁や床一面に、ビッシリと新聞紙が敷き詰められています。
2年前に同じく東京ステーションギャラリーで開催され、
話題となった “吉村芳生展” を思わず彷彿とさせる作品でした。
なお、この作品にインスパイアを与えたという、
海老原瑛さんの 《1969年3月30日》 という作品も特別に出展されていました。
手描きでみっちりと描かれた新聞紙。
新聞の折れ方の表現までもがリアルです。
ちなみに、絵そのものとは関係ないですが、
その描かれた新聞の中に、こんな広告を発見!
「もも肉がヒレの味になる」 とありました。
・・・・・・・いや、そんなわけねーだろ!!
いくら素晴らしい電子レンジだとしても、もも肉とヒレ肉とでは全くの別物です (笑)
最後に、どうしても言っておきたいことが1点だけ。
実は、昨年のNHK朝の連続テレビ小説 『なつぞら』、
その中で吉沢亮演じる山田天陽のモチーフとなったのが、何を隠そう神田日勝なのです。
・・・・・・・・が、しかし、それゆえに。
神田日勝は1mmも悪くないのですが、自画像を観るたびに、
「いや、どこか吉沢亮だよ!」
というツッコミが頭をよぎってしまいました。
吉沢亮というよりも、番長のほうです。
1位を目指して、ランキングに挑戦中。
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4月18日より開催予定だった “神田日勝 大地への筆触” が、いよいよ開幕しました!
今年2020年は、神田日勝の没後50年という節目の年。
それを記念して開催される、東京では実に42年ぶりとなる大規模な回顧展です。
ちなみに、東京ステーションギャラリーを皮切りに、この後、2館を巡回するそうですが。
7月からは、北海道・鹿追にある神田日勝記念美術館で、
9月からは、札幌の北海道立博物館で開催されるとのこと。
つまり、北海道以外で開催されるのは、東京ステーションギャラリーだけなのです。
そんな北海道を代表する画家、神田日勝ですが、
北海道での知名度とは裏腹に、北海道以外ではほぼ知られていません。
まずは、その人物を簡単にご紹介いたしましょう。
何と言っても、神田日勝の大きな特徴は、
画家でありながらも、戦後の開拓農民として生きた点。
「農民である。画家である」
とは、神田日勝の言葉。
『結局、どういう作品が生まれるかは、どういう生き方をするかにかかっている。』
と、自身が語ったように、神田日勝の作品は、
農民であり、画家であった彼だからこそ描けたものばかりです。
特に彼が多く描いたのが、開墾のパートナーである農耕馬。
(注:館内は写真撮影禁止です。特別な許可を得て撮影しています。)
毛並みの1本1本まで、丹念に、
いや、執拗なほどに描かれています。
美術品には、絶対に接触してはいけませんが、
もし触ってみたなら、馬の毛並みと同じ感触で体温も感じられるはず。
そう感じさせるほどの圧倒的なリアリティーがあります。
なお、圧倒的なリアリティーに関しては、
彼の絶筆にして代表作でもある 《馬(絶筆・未完)》 がその真骨頂。
絶筆とあるように、神田日勝は、
この絵を完成させることなく、32歳と言う若さでこの世を去っています。
いつか全身像を完成させてもらえるその日を、
待ちわびているかのような馬の表情に、思わず心が揺さぶられる一枚です。
この1点を観るだけでも、訪れる価値はあります!
ところで、気になるのは、その描き方。
地となるベニヤ板はむき出しですし、馬の下半身は全く描かれていませんし。
全体的に描き進めるのではなく、
部分的に絵を完成させつつ、描き進めていることが見て取れます。
まるで、セーターやマフラーを編むかのように、
せっせとせっせと絵を完成させていく独特のスタイルです。
貧しさに耐えながら、北海道で制作を続けていた日勝。
その姿を想像 (妄想?) していたら、
「♪日本全国の人に観てはもらえぬ絵を寒さこらえて描いてます~」
というフレーズが頭の中を駆け巡りました。
ちなみに、神田日勝は、本名。
日中戦争のさなかに生まれたことから、
「日本勝利」 にちなんで名づけられた名前なのだとか。
生まれながらにして、なんとも大きなものを背負わされていますね。
さてさて、『神田日勝=馬の画家』 というイメージが強いかもしれませんが。
今回の展覧会では、壁をモチーフにした初期の作品や、
架空のアトリエをモチーフにしたカラフルな作品、
アンフォルメル (抽象表現) 風のダイナミックな作品など、
これまでの神田日勝のイメージを変えるような作品も余すことなく紹介されています。
短い生涯の中で、これほど画風の変遷を変えていたのですね。
中でも印象に残ったのは、《室内風景》 という一枚。
壁や床一面に、ビッシリと新聞紙が敷き詰められています。
2年前に同じく東京ステーションギャラリーで開催され、
話題となった “吉村芳生展” を思わず彷彿とさせる作品でした。
なお、この作品にインスパイアを与えたという、
海老原瑛さんの 《1969年3月30日》 という作品も特別に出展されていました。
手描きでみっちりと描かれた新聞紙。
新聞の折れ方の表現までもがリアルです。
ちなみに、絵そのものとは関係ないですが、
その描かれた新聞の中に、こんな広告を発見!
「もも肉がヒレの味になる」 とありました。
・・・・・・・いや、そんなわけねーだろ!!
いくら素晴らしい電子レンジだとしても、もも肉とヒレ肉とでは全くの別物です (笑)
最後に、どうしても言っておきたいことが1点だけ。
実は、昨年のNHK朝の連続テレビ小説 『なつぞら』、
その中で吉沢亮演じる山田天陽のモチーフとなったのが、何を隠そう神田日勝なのです。
・・・・・・・・が、しかし、それゆえに。
神田日勝は1mmも悪くないのですが、自画像を観るたびに、
「いや、どこか吉沢亮だよ!」
というツッコミが頭をよぎってしまいました。
吉沢亮というよりも、番長のほうです。
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