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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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あそぶひと-人形と子どもの暮らし

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現在、目黒区美術館で開催されているのは、

“あそぶひと-人形と子どもの暮らし” という展覧会です。

本来は、4月22日~6月14日の会期で開催予定でしたが、

コロナウィルスの影響により、会期を6月20日~8月23日にズラしての開催となっています。

 

 

 

こちらは、アトリエ ニキティキの現代玩具コレクションから、

ドイツやスイスを中心としたヨーロッパの子ども向けの人形やドールハウスなどを、

全部で3つのテーマに分けて紹介する展覧会です。
星星

 

 

最初のテーマは、「はじめて出会う人形」

 

(注:A展示室は写真撮影禁止です。特別な許可を得て撮影しています。)

 

 

赤ちゃんのために作られた人形や、

成長した子どもが遊ぶための抱き人形などが、ズラりと並べられています。

世界各国の衣装に身を包んだ子どもたち。

まるでイッツ・ア・スモールドワールドのような光景が広がっていました。

 

初めてヨーロッパの人形をまとまった形で目にしましたが。

何よりも強く印象に残ったのは、その多くの表情が真顔だったこと。

 

 

 

笑顔でもなく、無表情でもなく。

真顔。

どこか達観しているような感じさえありました。

 

特に印象に残ったのは、ケテ・クルーゼによる人形たち。

 

 

 

真顔どころか、表情には、どこか諦めのようなものが浮かんでいます。

“大人って汚いや・・・”

何かを目にして、子どもながらにして悟ってしまったのかもしれません。

ちなみに、作者のケテ・クルーゼは、元女優とのこと。

3歳の娘に、「私も赤ちゃんが欲しい」 と言われ、

まずはジャガイモとタオルで人形を作ったのだとか。

しかし、当たり前ですが、時間が経てば、ジャガイモは腐ります。

そこから様々な材料で試作を重ね、オリジナルの人形を完成。

数年後、百貨店に自作の人形を発表した際には、大評判となったのだそうです。

 

今展では、ケテ・クルーゼ以外にも、数名の人形作家が紹介されています。

日本ではほとんど知名度がありませんが、

そんな人形作家たちを知れるのも今展の魅力の一つです。

個人的に覚えておきたいのが、サーシャ・モルゲンターラー。

 

 

 

子どもの時から画家や彫刻家を目指しており、

なんと9歳の時に、あのパウル・クレーにその才能を認められたのだとか。

のちに画家のエルンスト・モルゲンターラーと結婚し、

3人の子どもたちのために人形を作り始めるようになったそうです。

子どもの身体のプロポーションや左右非対称な表情など、

細部までリアルにこだわった彼女の人形は、とても人気が高かったのだそう。

欧米の多くの美術館に、彼女の人形がコレクションされているそうです。

 

確かに、マジマジと観てみると、サーシャの人形は、

プロポーションや表情が実にリアルに作られているのがわかります。

そして、それと同じくらいに、人形が着ている服も細部までこだわって作られているのがわかります。

そんなファッションセンスの高さにスポットを当てるべく、

一部のサーシャ人形は、ファッションショーのランウェイ風に展示されていました。

 

 

 

なんとも遊び心のある展示スタイル!

あまりにも人形たちがフリーダムなので、

一瞬、本当に人形が動き出したのかと錯覚してしまいました (笑)

 

 

さてさて、ケテ・クルーゼやサーシャの人形をはじめ多くの人形が、

リカちゃん人形やバービー人形と比べると、一回り以上大きめだったので、

ヨーロッパには大きいサイズの人形しかないのかと思いきや。

 

 

 

逆に小さな人形はあるようでした。

中でもとりわけ小さかったのが、フラーデ社で作られているというこれらの人形。

 

 

 

どの人形も小さく、かつ精巧に作られています。

どの人形も可愛らしく、どの人形も水戸市のマスコットキャラみたいな髪型をしていました。

 

 

 

続きまして、展覧会の2つ目のテーマは、「人形の家 (ドールハウス)」

会場ではさまざまなタイプのドールハウスが紹介されていました。

 

 

 

大がかりなものもあれば、シンプルなものや個性溢れるものも。

また、壁の一面が開けられているものもあれば、屋根の一部が開いているものもありました。

こうしたドールハウスとともに紹介されていたのが、

ヨーロッパならではのキリスト教に関する人形セットです。

 

 

 

こちらは、キリストの生誕シーンを表した人形セット。

マリア様や幼いキリストはもちろん、

東方の三博士や祈る人々、動物たちもセットの中に含まれています。

この人形セットは、きっといいところの子が遊んだ人形セット。

その横には、そうでもない家の子が遊んだであろうキリストの生誕セットがありました (←偏見!)。

 

 

 

メンバー少なめ。

しかも、作り方もざっくり。

主役であるキリストとマリアにいたっては・・・・・・・・・。

 

 

 

ただ、観れば観るほど、味が出てきました。

逆に、これを商品として売ろうとしたこの会社の勇気と決断に、軽く感動すら覚えます。

 

また、キリスト教関連でいえば、

ノアの箱舟をモチーフにした人形セットも数点紹介されていました。

ヨーロッパではわりとポピュラーなようです。

 

 

 

動物たちがリアルに表現されたものもありましたが、

中には、動物たちがとてもシンプルに表現されたものも。

 

 

 

たべっ子どうぶつ??

もしくは、『まんが日本昔ばなし』 のエンディングに登場する動物たちのようです。

 

 

 

さて、展覧会の3つ目のテーマは、「あやつり人形」

紐を引っ張ると手足をバタバタ動かす “ハンペルマン” や、

 

 

 

パペットマペットのうしくんとカエルくんでもお馴染みの (?)  “ハンドマペット”、

 

 

 

BOØWYの歌でもお馴染みの (??) “マリオネット” をはじめ、

 

 

 

こちらのコーナーには、動かして遊ぶ人形の数々が展示されています。

いろいろと紹介したい人形はあるのですが、

前半から飛ばしすぎてしまったため、そろそろお別れの時間がやってきてしまいました (汗)

このコーナーを含め、展覧会全体の見どころをもっと知りたい方は、

目黒区美術館のFacebookページに、3体の可愛らしいパペットたちが、

展覧会を紹介する動画がアップされているので、是非そちらをご覧くださいませ。

https://www.facebook.com/megurokubijutsukan

 

 

 

 

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