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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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ゲストキュレーターへの道 #5

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人生で初めてキュレーションを担当した展覧会、

“TADのベスト版 コレクション+(プラス)─あなたならどう見る?─” が開幕して、早くも1週間―

 

 

 

東京に戻り、通常運転の日々を過ごしているため、

早くも、“アレは幻だったのではないか??” という感覚に捉われています。

今、富山県美術館では、本当に、
“TADのベスト版 コレクション+” が開催されているんですよね??

 

 

ゲストキュレーターとしての大仕事。

それは、ちょうど今から一週間前、開幕日にありました。

そう、開会式です。

 

これまでアートテラーとして、メディアの端くれとして、

数多くの開幕式に参加させて頂いたことはありますが。

人生で初めて、列席者として参加するのを経験しました。

 

 

 

と言っても、特にすることは無く。

周りの空気を呼んで、要所要所で一礼をするのが主な仕事でした。

もしコロナが無かったら、テープカットも予定されていたとのこと。

・・・・・・・残念。

一生に一度のテープカットチャンスを逃してしまいました。

 

そして、開会式が終わったら、皆で記念撮影を。

 

 

 

こちらは、公式に撮影されたものですが、微妙に右に傾いているような。

右肩下がり。

これが、何かを暗示していないことだけを、ただただ祈るのみです。

 

 

さて、開幕日のこの日には、もう一つ重要なお仕事がありました。

それは、ゲストキュレーター4人によるクロストークイベントです。

コロナの影響もあり、定員をグッと絞って30名での開催。

3月以降、多くのトークイベントが延期or中止になっていたため、

個人的には、実に半年以上ぶりとなるリアルのトークイベントでした。

それだけに失敗するわけにはいかない、と、いつも以上に気合を入れて臨みます。

 

事前に、担当のE藤学芸員に、どんな感じで進行するのか質問してみたところ、

「皆さん、喋り慣れている方ばかりなので、自然と質問し合う感じになりますよ」 とのこと。

 

「えぇ~~~。ざっくりしてるなァ・・・」

 

とは思いつつ。

まぁ、なんとかなるだろうと、気楽に構えて、会はスタートしました。

ゲストキュレーターとして、「実はここをこだわりました」 とか、

「この展示には、こんな意味を込めたのです」 とか、いろいろ話したいことを用意していたのですが。

 

 

・・・・・・・・・・・・。

 

 

やっぱりと言いますか、案の定と言いますか。

進行役がいないため、妙な間が何度か開くことに。

 

なんとかせねば!

 

気づけば職業病で、いつものように進行役になっていました。

 

 

 

ゲストキュレーター4人のクロストークイベントではなく、

ゲストキュレーター3人と、司会1人のクロストークイベントです。

話はだいぶ盛り上がったので、あっという間に約1時間が経過。

その時点で、

 

「まだまだ話し足りないでしょうが、

 残り5分となったので、この辺りで締めたいと思います」

 

という言葉が自然と口から出ました。

心の中では、

 

“俺、用意してきたキュレーションの話をほとんどしてないのに (泣)”

 

と、叫んでいました。

 

 

トークショー後。

E藤学芸員が近づいてきて、こんな一言を。

 

「とに~さんの回し、スゴかったです!

 職員全員、あの回しの能力を絶賛していましたよ!」

 

あ・・・ありがとうございます。

もちろんそう言っていただけて、本心から嬉しかったのですが。

1時間のクロストークで、結果的にアピールできたのは、

キュレーションうんぬんではなく、トークの回しのスキルだったようです。

この時、僕の脳裏をよぎったのは・・・・・

 

「きっとこの先キュレーションのオファーは無いだろう。うん。」

 

ということ。

 

全国の美術関係者の皆さま、回しの仕事をお待ちしております。

 

 

 

 

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