日比谷図書文化館で開催中の特別展、
“荒俣宏の大大マンガラクタ館” に行ってきました。
こちらは、作家にして博物学者、
そして、『トリビアの泉』 の品評会会員でもあった荒俣宏さんの展覧会。
荒俣さんがこれまでに創作したさまざまな品や、
荒俣さんがこれまでに集めたさまざまな品を紹介する展覧会です。
アラマタ先生の代表作ともいうべき 『帝都物語』 関連の品々や、
アラマタ先生のご自慢の稀覯本といったコレクションの数々が展示されています。
何よりも印象的だったのは、展示のチープさ (笑)
“大マンガラクタ” と銘打っているだけに、
段ボールやビールケースが、主な什器となっていました。
とはいえ!
段ボールの中に納まっていたのは、単なるガラクタに非ず!!
アール・デコを代表するイラストレーター、ジョルジュ・バルビエの作品や、
世界に30冊も現存していない世界最初のインド洋の魚類図鑑など、
貴重なコレクションが、会場の随所に無造作 (?) に置かれています。
見た目は地味だが、中身は深い。
まさにアラマタ先生を地で行くような展覧会でした。
良くも悪くも、しっちゃかめっちゃかで、何でもアリな展覧会でしたが、
個人的に特に興味深かったのは、三田平凡寺なる人物をフィーチャーしたコーナーです。
今、アラマタ先生が大注目しているのが、三田平凡寺 (1870~1960)。
19世紀末、当時日本で珍しかったローラースケートに熱中し、
自宅の一部を改装し、ローラースケート場を作ってしまったり。
ヘンなモノを蒐集するコレクターたちのために、
「我楽他宗 (がらくたしゅう)」 なる団体を設立したり。
『元祖オタク』 とでもいうような人物です。
展覧会では、そんな三田平凡寺のコレクションや著書などが多々紹介されていました。
それらの中には、『吾輩も猫である』 なる本も。
なんでも夏目漱石を尊敬するあまり、
『吾輩も猫である』 というパロディ本を出版してしまったのだそうです。
また関連品として、小林清親の掛け軸も出展されていました。
“なぜに、小林清親?” と思ったら、
なんでも三田平凡寺は、清親に絵を学んでいたこともあるのだそう。
名前は “平凡寺” ながら、実に多彩で “非凡” な人物。
それが、三田平凡寺です。
ちなみに、展覧会では、アラマタ先生が青年時代に描いた絵も紹介されていました。
意外と・・・と言っては失礼ですが、普通にお上手。
令和の三田平凡寺こと (?) 荒俣宏さんも、やはり非凡な人物です。