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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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第百八十六話 国宝ハンター、ミラクる!

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前回までのあらすじ~
 

「国宝。きゅんです。」 な国宝ハンター・とに~は、

すべての国宝を目にするべく、日本中を旅している。

国宝しか勝たん。

先日は佐賀県でのハンティングに挑むも、まさかの空振りという結果に。。。

ぴえん超えてぱおん。

 

 

今回は、飛騨高山へとやってきました。

降り立ったのは、飛騨国府という無人駅です。

 

 

 

ここから目指す国宝までは、徒歩で約4㎞。

つまり往復約8㎞。

何もない道のりをひたすら歩き続けます。

 

 

 

ただただ歩き続けます。

 

 

 

長い国宝ハンターの歴史の中で、

この手のパターンは何度も経験があるので、

長距離を歩くこと自体は、そこまで苦ではないのですが。

今回に限っては、遅々として足が進みません。

 

 

・・・・・・・というのも、遡ること数日前。

目的の国宝があるお寺に、拝観予約の電話をした際のこと。

 

 「もしもし。○日にそちらに訪れる計画をしておりまして。

  是非、拝観させて頂きたいのですが・・・」

 

 「あぁ、今、コロナだから拝観は受け付けてないんですよ」

 

 「えっ!あっ、そうなんですね・・・。

  あの、ちなみに、国宝の内部は拝見できなくても構わないので、外観は観られますか?」

 

 「外観から?階段の下からなら見られますけど」

 

 「階段ってどれくらいありますか?何段くらいですか?」

 

 「数えたことないからわからないなぁ」

 

 「そうなんですね・・・。

  (国宝ハンターの) 僕としては、外観の一部でも観られればいいのですが。

  階段の下から見えますか?」

 

 「見えるのは見えるよ」

 

 「どれくらいです?」

 

 「どれくらい、って言われても・・・・・・・・・」

 

 「・・・・・・・・・・・」

 

 「(切)」

 

 「・・・・・・・・・・・」

 

 

というわけで、お寺に着いたところで、

ちゃんと国宝が見られるかどうかは不明です。

合格発表を待つような足取りで、歩を進めました。

 

そして、駅を出発して約1時間後。

目的の安国寺に到着しました。

 

 

 

狙うは、こちらの 《安国寺経蔵》 (ジャンル:工芸品) 。

 

 

 

1408年に建立された日本最古の経蔵 (=経典を入れておく蔵) です。

経蔵内には、経本を納めた八角形の回転式の輪蔵があるのだそう。

 

さて、問題はどこまで 《安国寺経蔵》 に近づけるのか?!

行けるところまで行ってみましょう。

まずは階段の下から見上げてみました。

 

 

 

特に柵のようなものはありません。

しかも、よく見れば、階段の上に人がいます。

どうやらそこまでは進めるようです。

 

 

 

・・・・・・・って、あれ?!

普通に近くまで来れちゃいましたけど??

 

 

 

なんなら背後からも見学できちゃいましたけど??

 

と、しばらく様子をうかがっていたところ、ある事実が判明しました。

どうやら団体ツアー客が特別に内部見学をしているようです。

 

そういえば!

 

境内の入り口に観光バスが2台ほど停まっていましたっけ。

さすがに、そこまで厚かましくないので、

団体ツアー客のふりをして、経蔵の中に入るような真似はしませんでしたが。

遠巻きとはいえ、経蔵の内部もちゃんと拝見することができました。

 

 

ちなみに。

僕が経蔵に到着して3分後には、団体ツアー客は撤収。

経蔵への階段も封鎖されました。

あと数分でもタイミングがズレていたら、

決して、こんな風には鑑賞できなかったことでしょう!

 

国宝ハンター史上最も奇跡的な出来事でした。

 


今現在の国宝ハンティング数 1031/1125




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