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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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図録・オブ・ザ・イヤー2020

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さぁ、今年もこの季節がやってまいりました。
展覧会そのものの出来不出来は一切関係なし!
ただただ図録の素晴らしさを、
アートテラー・とに~が独断と偏見で評価する “図録の祭典”。
それが・・・・・


キラキラ図録・オブ・ザ・イヤーキラキラ

です。


アート業界のごくごく一部の人だけが注目しているという年末恒例企画 (笑)
展覧会の中止や延期など、いろいろあった今年2020年、

その栄冠に輝いたのは、果たして、どの図録なのでしょうか?!

 

 

第10位 神田日勝 大地への筆触

 

 

 

装丁はシンプルなのですが。

表紙を開くと、そこからまずは何ページも、

神田日勝が住んだ北海道鹿追町の美しい写真が続きます。

それも、撮り下ろしの。

 

 

 

神田日勝の図録としてはもちろん、

北海道鹿追町の写真集としても楽しめました。

 

 

 

第9位 TADのベスト版 コレクション+

 

 

 

図録というか、小冊子ですけど何か?

ゲストキュレーターとしてがっつり関わったので、それも評に足しましたけど何か?

 

 

 

とはいえ、冷静に考えても、

ゲストキュレーター4人が、それぞれ8ページの文章を描きおろし。

かつ、全ページカラー印刷で、税込み500円は破格だと思います。

 

 

 

第8位 長岡秀星回顧展 SPACE FANTASY

 

 

 

図録界の風雲児 (?) である、

鬼才のグラフィックデザイナー・おおうちおさむ氏渾身の一冊。

 

 

 

最大の特徴は、作品の紹介ページに、

一切、タイトルなどの文字が記載されていないということ。

作品に全集中できる図録です。

 

 

 

第7位 特別展「桃山-天下人の100年」

 

 

 

新型コロナウィルスの感染拡大を防ぐべく、

観客数を泣く泣く絞り、事前予約制を導入した “桃山展”。

その結果、展覧会の入館料が2400円 (一般) と、

跳ね上がったために、賛否両論を巻き起こしました。

個人的には、桃山文化は豪華絢爛なものであるため、

むしろ2400円くらいが適正価格だったような気がします。

ちなみに、図録は3000円 (税込み) の据え置きのままです。

ゴールドの表紙を開くと、《洛中洛外図屏風》 をイメージした表紙裏がお目見え。

 

 

 

なんとゴージャスな図録なのでしょう!

さらに、コラムも充実していました。

 

 

 

 

第6位 tupera tuperaのかおてん.

 

 

 

今年6月に立川に無事オープンを果たした複合文化施設PLAY!

そのオープニングを飾る “tupera tuperaのかおてん.” の公式ブックです。

どのページも遊び心満載で、大人の自分が読んでもワクワク。

遊び心が詰まりに詰まった一冊です。

 

 

 

さらに、表紙カバーにも遊び心が!

本から取り外して開くと、こんな大きさに。

 

 

 

そして、これを裏返すと・・・・・・・って、それは買った人だけのお楽しみです♪

不服そうな顔をしないでくださいませ。

 

 

 

第5位 ロンドン・ナショナル・ギャラリー展

 

 

 

2020年もっとも話題となった展覧会は、

やはり何といっても、“ロンドン・ナショナル・ギャラリー展” でしたね。

一時は開催が危ぶまれましたが、

無事に開催されて、ホッといたしました。

展覧会自体も、もちろん内容が充実していましたが・・・・・

 

 

 

出展作品すべてに、1ページ分の解説が書かれた図録も大充実しています。

読み返すたびに、展覧会のあの感動が蘇るようです。

ただ、残念だったのが。。。

 

 

 

英文のページも充実していること。

英語読めんし。こんなにいらんし。

 

 

 

第4位 The UKIYO-E 2020

 

 

 

この夏、東京都美術館で開催され、話題となった “The UKIYO-E 2020”。

その会場デザインや広告デザインなど、

トータルでデザインを手掛けたのは、長岡秀星展と同じく、おおうちおさむ氏でした。

図録のデザインも、おおうち氏。

従来の浮世絵展のイメージを覆すスタイリッシュな図録に仕上がっています。

 

 

 

 

第3位 おいしい浮世絵展

 

 

 

第4位に続き、第3位も浮世絵展の図録がランクインしました。

浮世絵の図版とともに、

江戸時代の料理のレシピが掲載されているのが最大の評価ポイント!

 

 

 

図録として、レシピ本としても使える一冊です。

しおりが同封されていたのも、嬉しい限り。

 

 

 

 

第2位 画家が見たこども展

 

 

 

三菱一号館美術館開館10周年を記念して開催された、

ナビ派の画家たちが描いた 「こども」 の絵画にスポットを当てた展覧会の図録。

それだけに、「こども」 が読んでも楽しい仕掛けが満載です。

 

 

 

目次ページまで、ちゃんと可愛らしかったです。

すべてのページにこだわりが詰まった図録でした。

 

 

 

 

第1位 目 非常にはっきりとわからない

 

展覧会自体は昨年に開催されましたが、

図録が納品されたのが今年だったので、今年にエントリー。

そして、1位を獲得しました。

展覧会そのものも、「非常にはっきりとわからない」 掴みどころのないものでしたが。

その図録も、非常にはっきりとわからないものとなっています。

 

 

 

なぜ、このように複雑な形なのか。

一体、どのように装丁されているのか。

というか、どのページが、どうなっているのか。

 

 

 

この謎多き図録も含めて展覧会。

図録を受け取って家で読むまでが展覧会という感じでした。

 

 

さてさて、今年1位に輝いた図録が、あまりにも斬新な形だったゆえに。

果たして、これは図録なのかと、

マジカルラブリーの 「漫才論争」 並みの 「図録論争」 が巻き起こりそうな気もします (←?)。

ただ、こういった新世代の図録が登場するということは、

それだけ図録のレベルが全体的に上がっているという証拠です。
果たして、来年2021年は、どんな図録が登場するのか?
また来年の図録・オブ・ザ・イヤーでお会いいたしましょう!




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