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埋忠〈UMETADA〉 桃山刀剣界の雄

約2年ぶりに、両国の刀剣博物館に行ってきました。

 

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久しぶりに訪れたら、館内のあちこちに、

刀剣のような鋭さが感じられる篠田桃江さんの作品や、

 

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「宝刀」 と力強く書かれた金沢翔子さんの書をはじめ、

 

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美術作品が数点ほど設置されていました。

刀剣以外も楽しめる。

それが、刀剣博物館です。

 

また、楽しめるといえば、

3階には眺めが楽しめる屋上庭園もあります。

屋上庭園自体の庭園は、たいしたことないですが (←コラッ!)

 

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そこから見下ろす旧安田庭園の景色は壮観です。

 

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刀剣博物館に行かれた際には、

是非、屋上庭園を訪れるのをお忘れなく!

 

 

さてさて、現在、刀剣博物館で開催されているのは、

“埋忠〈UMETADA〉 桃山刀剣界の雄” という展覧会です。

 

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埋忠とは、桃山時代から江戸時代にかけて、

京都を中心に活躍した華麗なる刀工の一族。

その一番の特徴は、刀剣の制作にとどまらず、

鍔や金具の制作、古くなった名刀の仕立て直し、

金象嵌銘の嵌入など、刀剣をめぐる幅広い領域に携わっていたこと。

いうなれば、刀剣の総合商事のような感じでしょうか。

 

展覧会は全2章で構成されています。

まず第1章は、「刀工・鍔工としての埋忠一門」

埋忠一門の中でも特に名工と名高い埋忠明寿の刀剣を中心に、

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重要文化財 《刀 銘山城国西陣住人 埋忠明寿(花押)/慶長 三年八月日他江不可渡之》  安土桃山時代 京都国立博物館蔵

 

 

埋忠一門が制作したとされる刀剣や鍔の数々が紹介されています。

埋忠明寿の刀剣の多くには、その刀身に不動明王や龍の彫刻が施されていました。

 

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重要文化財 《短刀 名 山城国西陣住人埋忠明寿 慶長十三年三月日/所持埋忠彦八郎重代》 慶長13年(1608) 個人蔵

 

 

目を凝らすと、不動明王の憤怒の表情がしっかりと見て取れます。

また、龍の刀身彫刻にいたっては、

鱗1枚1枚まで、手足の爪1枚1枚まで、精緻に表現されていました。

恐るべき、超絶技巧。

実に芸術性の高い刀剣です。

 

さて、埋忠明寿の芸術性の高さは、

刀剣に限らず、鍔でも遺憾なく発揮されていました。

 

 

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重要美術品 《蔦文鐔 銘 埋忠明寿》 桃山~江戸時代初期(17世紀) 個人蔵

 

 

本阿弥光悦とも交流があったという埋忠明寿。

この鍔では、金属をあえて腐食させることで、

琳派の 「たらし込み」 のような効果を狙っているのだそうです。

これまでに、琳派の絵画や蒔絵、やきものなどは、

数多く目にしてきましたが、琳派の刀装具には初めて出会った気がします。

 

 

展覧会の後半となる第2章のテーマは、「埋忠一門の実像」

こちらでは、国宝の 《短刀 無銘 正宗(名物 九鬼正宗)》 を筆頭に、

 

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《太刀 銘 助包》《短刀 銘 来国光 (名物 有楽来国光)》

《刀 金象嵌銘 正宗本阿(花押)/本多中務所持(名物 中務正宗)》 など、

国宝・重要文化財指定のものを多数含む貴重な刀剣が数多く展示されていました。

とはいえ、これらの刀を制作したのが、埋忠一門というわけではありません。

 

一般的に 『埋忠刀譜』 と呼ばれる・・・・・

 

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埋忠刀譜』 刀剣博物館蔵

 

 

埋忠の作業記録に掲載されている名刀、

すなわち、埋忠一門が修理などに携わった名刀ということです。

それらの中には、超希少とされる国宝の稲葉江も。

 

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国宝 《刀 金象嵌銘 天正十三十二月日江本阿弥磨上之(花押) / 所持稲葉勘右衛門尉(名物 稲葉江) 》 

南北朝時代(14世紀) 岩国美術館蔵

 

 

こちらは、諸大名が欲しがったという越中の刀工・郷義弘による刀です。
しかし、作刀する際に、銘を刻むことがほぼ無かったため、
「郷とお化けは見た事が無い」 と言われるほど激レアな刀とされていました。
そんな郷義弘の刀の中でも、この稲葉江は特に激レアな刀と言われています。

ところで、この稲葉江には、金象嵌で銘が施されていますよね。

この作業を行ったのが、埋忠一門と考えられているそうです。

 

昨年、トーハクで開催された桃山展も、

かなり豪華絢爛なラインナップでしたが。

こちらの “刀剣界の桃山展” (?) も、出展されているのは名物ばかり。

豪華絢爛な刀剣展でした。

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星

 

 

余談ですが。

刀剣博物館のロッカーが、地味に怖かったです。

 

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右上に貼られたステッカーをよく見てみると、

「はいらないで下さい。とじこめられます」 という注意書きが。

 

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閉じ込められる可能性があります、ではなく、閉じ込められます。

もはやデフォルト。

どうやらロッカーに入った瞬間に、

閉じ込めようとする何者かが存在しているようです。

 




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