1年以上ぶりに、岩槻人形博物館に行ってきました。
昨年訪れた際は、まだオープン前ということで、
敷地内の駐車場は当然のごとく1台も車がありませんでしたが。
現在は、オシャレなカフェレストランが併設された、
さいたま市にぎわい交流館いわつきも人気とあって・・・・・
平日にも関わらず、駐車場はほぼ満車状態!
オープン1年目にして、すでに岩槻を代表する観光スポットとなっているようです。
さて、そんな岩槻人形博物館で、現在開催されているのは、
“天野家の雛祭り―人形が彩る商家の暮らし―” という展覧会。
こちらは、2018年にさいたま市に寄贈され、
岩槻人形博物館のコレクションに加わった天野家の雛人形を、
開館一周年を記念して、一堂に公開する展覧会です。
会場入り口に掲げられていたのは、
天野家の家紋が染め抜かれたのれん。
そして、展示室のセンターに飾られていたのは・・・・・
大正時代から続くロングセラー化粧品、
ヘチマコロンの貴重なビンテージものの容器の数々です。
“雛人形の展覧会で、なぜヘチマコロン??”
と疑問に思われた方もいらっしゃるでしょうが。
実は、このヘチマコロンを売り出し、大ヒットさせたのが、
江戸時代より日本橋で小物商を営んでいた天野家が興した天野源七商店なのです。
今回の展覧会の目玉となるのは、その六代天野源七が、
娘たちのために、日本橋の老舗人形店・永徳斎で誂えさせた豪華な雛飾り。
右上にお内裏様が2セットあるのは、
長女用と次女用それぞれ誂えさせたから。
ちなみに、戦時下ということもあり、
リアルタイムでは誂えることができなかったそうですが、
戦後、落ち着いてから、三女用のお内裏様も永徳斎で誂えたそうです。
これほどゴージャスな雛飾りを誂えることができたのも、すべてはヘチマコロンのおかげ。
特にヘチマコロンは広告にも力を入れていたようで、
その斬新なデザインは、大正文化の一翼を彩っていたそうです。
ところで、展示の目玉となるゴージャスな雛段。
よくよく見てみると・・・・・
あまり雛段で見かけないような人形も多く飾られていました。
実はこれらは、人形好きだった六代源七の母がコレクションしていたもの。
展覧会では、そんな六代源七の母による人形コレクションも多く紹介されています。
その中で個人的に特に印象に残っているのが、こちらの御所人形。
極楽とんぼの山本さんと舞の海さんを足して2で割ったような顔をしていました。
あと、白くてまんまるな顔なので、
LINEのキャラクターのようにも見えてきました。
また、六代源七の母コレクションの中には、
一風変わった雛人形も多々含まれています。
特にインパクトがあったのが、藤朝雛と呼ばれる雛人形。
マツコ・デラックスのようなフォルムをしています。
大食いなのでしょうか。
目の前に置かれた菱餅も特大サイズでした。
また、六代源七の母のコレクションの中には、
屋台玩具と呼ばれる精巧に作られたミニチュア玩具の数々も。
八百屋や雛人形屋、絵草紙屋など、
さまざまなお店に交じって、ブロマイド屋もあります。
どうやったらこんなに小さなブロマイドが作れるのか。
謎の超絶技巧が使われている屋台玩具でした。
展示室としては、そう広くはないのですが、
人形や屋台玩具が一つ一つ精巧に作られているため、
じっくり観ていると、大型展覧会を1つ観たくらいの充実感がありました。
この企画展の他に常設展示もあるので、
時間と体力には余裕をもって訪れることをオススメいたします。
ちなみに。
充実していたといえば、ミュージアムグッズも。
昨年訪れた際にはなかったアイテムが多数増えていました。
中でも気になったのが、オリジナルのにんぱく飴。
たぶん博物館のロゴと、たぶん御所人形がモチーフなのでしょうが。
なんかしらのデスメタルバンドのメンバーと、
なんかしらの微生物のように、思えてきました。
金太郎飴でモチーフを再現するのは、そう甘くはいかなかったようです。
(味は甘くて美味しかったです!)