現在、川崎市岡本太郎美術館では、
“挑む 岡本太郎” という展覧会が開催されています。
リアルタイムで知っている人はもちろんのこと、
あいみょんやOKAMOTO'Sといった若い世代からもリスペクトされる稀有な芸術家・岡本太郎。
その生涯は常に、何かに挑み続けたものでした。
そんな太郎さんのの人生と作品を、
時代ごとに7つの章に分けて紹介する展覧会です。
僕の記憶が確かならば、ここ数年以上、
川崎市岡本太郎美術館の企画展の会場で、
太郎さんオンリーの展覧会は開催されていなかったような。
強いてあげれば、2018年にこんな展覧会が開催されていますが↓
こちらは、太郎さんのパブリックアートに特化した展覧会。
今回のように、パブリックアートだけでなく、
絵画も立体も写真もモザイク壁画も建築も・・・と、
岡本太郎芸術をオールラウンドに紹介する展覧会の開催は、実は珍しい気がします。
川崎市岡本太郎美術館が所蔵する名品が勢ぞろいした展覧会。
すなわち、岡本太郎のベスト展と言っても過言ではありません。
さてさて、もうかれこれ何年も通っているので、
ある程度、太郎さんについて知った気になっていましたが。
今展を通じて、知った気になっていたに過ぎないことを実感させられました。
それほどに新たな発見の多い展覧会です。
例えば、バナーに採用されていたパリ留学時代の太郎さんの写真。
僕が知ってる太郎さんとは、全然違う顔をしていました。
・・・・・いや、誰よ?!
山崎樹範さんかと思いました。
また、バイタリティーの塊のような太郎さんでも、
戦時中の5年間は、空しさを日々感じていた様子。
あの太郎さんですら、精神的に参ってしまうだなんて。
逆説的に (?)、戦争の悲惨さを強く実感させられました。
また、今展を通じて、もう一つ実感させられたのが、
太郎作品のタイトルは、意外と絵の雰囲気からは予想が付かないということ。
例えば、こちらの作品。
そのタイトルは、《海辺》 でした。
海辺・・・・・なのか?
頑張れば、砂浜やテトラポットに見えないこともないですが。
それを踏まえて、ここでクエスチョン。
皆様には、タイトル当てクイズに挑んで頂きたいと思います。
この絵のタイトルは、一体何でしょうか?
ノーヒントで当たったら、天才。
もしくは、太郎さんの生まれ変わりでしょう。
正解は・・・・・・・・
《青空》 でした。
青空要素が一切無いのに、青空。
そのネーミングセンスは、さすが岡本太郎です。
せっかくなので、もう一問。
この絵のタイトルは、一体何でしょうか?
正解は・・・・・・・・
《球を抱く女》 でした。
逆に、捻りのない場合もある。
一筋縄でいかないのが、岡本太郎です。
ちなみに。
川崎市岡本太郎美術館の常設展示室では、
ポスターのビジュアルインパクトがスゴいこんな展覧会が開催中。
実は料理も得意だったという太郎さんの意外な一面や、
太郎さんが制作した食器の数々、
メキシコのホテルの食堂のために依頼された壁画の原画など、
太郎さんの 「食」 にまつわる作品やエピソードを掘り下げた展覧会です。
“挑む 岡本太郎” と同じく、こちらも見ごたえたっぷりでした。
いろいろ印象的な展示品がありましたが、
個人的に一番印象に残っているのは、こちらの写真です。
漫画やドラマなどでは、
一升瓶を一気に飲むシーンを見かけますが。
現実世界で、このように飲んでいる人がいるとは。
お酒も挑むように飲む。
それが、岡本太郎です。