Quantcast
Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
Viewing all articles
Browse latest Browse all 5005

CASE7 天津さんは泣いている・・・。

$
0
0

街を歩けば、きっと貴方もパブリックアートに出会うはず。
しかし、それらのパブリックアートは、

美術館の中で展示される作品と違い、誰にも守ってもらえません。
そう、常に、危機的状況に晒されているのです!
そんな街中で発見した “悲しいことになっているパブリックアート”
通称、“悲パブ” の事例を紹介しようという社会派企画 (←?)。

それが、「パブリックアートは泣いている…。」 です。
皆さま、パブリックアートには、是非優しく接してあげてくださいませ。

 


【パブリックアートは泣いている…。BGM】

 

 

 

 

渋谷駅を代表するパブリックアートといえば、

そう、岡本太郎の代表作の一つ 《明日の神話》 です。

一時は消失したと考えられており、

いろんな奇跡が重なって、再発見され、

いろんな奇跡が重なって、現在の渋谷の地に設置された作品です。

そんな奇跡のパブリックアートだけに、

国内に設置されたパブリックアートの中では、1,2を争うくらいに大事にされており、

毎年11月には有志の皆様によって、メンテナンスも行われています。

 

 

 

さてさて。

ここ最近、再開発が著しい渋谷駅。

屋上に展望デッキがある渋谷スクランブルスクエアが誕生したり、

銀座線のホームが移設されたり、湘南新宿ラインと山手線のホームが併設されたり。

その導線が大きく変わった関係で、

《明日の神話》 があるコンコースの導線にも変化がありました。

 

 

 

かつては、《明日の神話》 の目の前を、人々が行き交っていましたが、

今では、《明日の神話》 の一部の下を人が行き交っているような状況です。

 

と、この導線の変化のせいで、

悲しいことになってしまったパブリックアートが、このすぐ近くにあります。

それは、天津恵さんによる 《Bright Time》 という壁画作品です。

 

 

 

カラフルでパッション溢れる作風に定評のある天津さん。

そもそも、その近くに同じくカラフルでパッション溢れる作風の岡本太郎の壁画が、

しかも、その代表作の一つとされる巨大な壁画が設置された時点で悲しいことになっていました。

普通の場所に設置されていたら、

間違いなく目を惹くであろう 《Bright Time》 が、

キャラが大きく被っている 《明日の神話》 のせいで、ほとんど目立っていなかったのです。

 

それにくわえて。

最近、導線が変化してしまったせいで・・・・・

 

 

 

作品が完全に封鎖されてしまったのです!!

 

こんなにもソーシャルディスタンスを取られてしまった、

悲しいパブリックアートが、これまでにあったでしょうか。

 

 

 

作風が明るいだけに、逆に切なくなってきます。

誰にも近寄ってもらえない。

壁で隔離されてしまった壁画。

 

天津さんは泣いている・・・。





1位を目指して、ランキングに挑戦中。
下のボタンをポチッと押して頂けると嬉しいです!

Blogランキングへ にほんブログ村 美術ブログへ


Viewing all articles
Browse latest Browse all 5005

Trending Articles