21_21 DESIGN SIGHTで開催中の “ルール?展” に行ってきました。
こちらは、我々が生活をする上では、
必要不可欠である 「ルール」 をテーマにした展覧会です。
ルールと聞くと、まずは法律が思い浮かびますが、
実は世の中には、もっとたくさんのルールが敷かれているそう。
その証拠に、展覧会のメインビジュアルに使われている、
何気ない日常の光景にも、これだけのルールが見て取れます。
我々は、知らず知らずのうちに、
さまざまなルールに縛られて生きているのですね。
さてさて。
言わずもがな、ルールですので、
まずは、受付で入場料金を支払う必要があります。
そして、入場券の代わりとなるシールを受け取ったら、
それを見えるところに貼って、展示室へと向かいましょう。
と、その前に、“ルール?展” を、
より深く楽しむためのガイドをもらうのをお忘れなく。
しかし、ここでも一つのルールがあります。
台に設置された無数のスタンプから、
2つを選んで、ガイドの表紙に押さなければなりません。
そこに書かれていた指示を、
会場で実践しなければならないようです。
ちなみに、僕が押したスタンプには・・・・・
「はなうたを歌わなければならない」
「3びょうかん 目をとじてから 作品をかんしょうしなければならない」
という指示が書かれていました。
作品を鑑賞するたびに、目を閉じて、
しかも、鼻歌を歌わなくてはいけないなんて!
「わしゃ谷村新司か!」 と思わずツッコみたくなりました。
郷に入っては郷に従え。
ルールを律儀を守ることも覚悟したのですが、
この展覧会は、ルールそのものを改めて考えるという趣旨ゆえ、
鼻歌のルールは、さすがに変人と思われそうなので自粛することに。
会場では多数の作品やプロジェクトが紹介されていたので、
そのたびに毎回鼻歌を歌わなくて、個人的にはマジで正解だったと思います (笑)
1人の髪を9人の美容師が切る様を収めた、
映像作家の田中功起さんによる映像作品や、
21_21 DESIGN SIGHTの建物そのものが、
いかに建築上のルールによって作られているか。
それらを事細かに紹介する 「21_21 to “one to one”」 など、
興味深い作品、プロジェクトもありましたが。
全体的には、ルールというテーマだけに、
ロジックがメインとなるような小難しいような展示が多かったです。
感性で楽しむ、というよりは、
思考で楽しむタイプの展覧会でした。
なお、個人的に一番印象に残ったのは、
石川将也 + nomena + 中路景暁による 《四角が行く》 という作品です。
テーブルの上に乗った3つの四角い箱が、
次々に迫りくる壁に、引っ掛かることないように、
穴をすり抜けるために、最適な動きをし続けるという作品です。
かつて 『とんねるずのみなさんのおかげでした』 の、
モジモジくんで行われていた “脳カベ” を彷彿とさせる作品でした。
それから、もう一つ印象的だったのが、「鬼ごっこのルール」。
文字通り、さまざまな鬼ごっこをルールごとに図式化したものです。
一言で “鬼ごっこ” と言っても、その種類は実にさまざま。
ドロケイや缶けり、高鬼、色鬼など、
昔遊んだことのある懐かしの鬼ごっこも多々ありましたが。
おそらく地方ルールなのでしょう。
知らない鬼ごっこも多々紹介されていました。
何だバナナ鬼って?!
鬼に捕まると、バナナのポーズを取って、
誰かに、バナナを向いてもらえると復活するって。
全くイメージが湧きません。。。
最後に紹介したいのは、こちらの作品。
中国人の葛宇路による 《葛宇路》 という作品です。
「路」 という字は、中国では、道や通りを示す語でもあるそう。
つまり、「葛宇路」 は、日本語で言えば、
「葛宇通り」 のような意味にもなるそうです。
ある時、葛宇路なる人物は、北京市内のとある道路に、
自分の名を表した 「葛宇路」 という標識を設置しました。
すぐさま撤去されるかと思いきや、数年間にわたってスルーされることに。
さらには、中国のGPSに反映され、
宅配便の送り状などにも、その名前が掲載されるようになったとか。
しばらくした後に、この標識は自分が作ったフェイクだと、
葛宇路がカミングアウトし、ネットやニュースで大きな話題に。
最終的には、中国当局によって標識は撤去されたそうです。
果たして、皆様が日常で目にしている標識は、
本当に公共によって設置されたものなのでしょうか。
もしかしたら、誰かによって設置されたニセモノの標識なのかも。
その標識に従ってしまうと、奇妙な扉が開いてしまうかもしれません。