現在、国立シン・美術館・・・もとい、国立新美術館で開催されているのは、
『シン・ゴジラ』 『シン・エヴァンゲリオン劇場版』 でお馴染みの庵野秀明さんの大規模展。
その名もズバリ、“庵野秀明展” です。
(注:展覧会は一部撮影可。展示室内の写真撮影は、特別に許可を得ております。)
「庵野秀明をつくったもの」「庵野秀明がつくったもの」「そして、これからつくるもの」。
いうなれば、庵野秀明さんの過去・現在・未来を、
1500点を超える展示物を通じて紹介する展覧会です。
まず冒頭で紹介されていたのは、
庵野秀明さんのルーツともいうべきアニメや特撮作品たち。
『ウルトラマン』 もあれば、『仮面ライダー』 や、
『宇宙戦艦ヤマト』、『機動戦士ガンダム』 に関するアイテムも。
男の子が好きなものが全部ありました。
まさに、男の子の夢を凝縮させたような空間。
世代こそ違いますが、思わず童心に帰ってワクワクしてしまいました。
子どもの頃にタイムスリップすること必至です。
さて、展覧会のメインとなるのはやはり、
庵野さん自身が作ったアニメや映画の貴重な資料の数々。
社会現象となった 『新世紀エヴァンゲリオン』 や、
特撮映画として異例の大ヒットとなった 『シン・ゴジラ』 はもちろん。
初の監督作品となる 『ふしぎの海のナディア』 や、
当時から才能が抜きんでていたというアマチュア (大学生) 時代の作品も展示されていました。
展示された資料の数々を目にして驚かされたのが、その設定の細かさ。
シーンにほんのちょっと映り込むだけのようなアイテムでも、
どういう材質なのか、どういう動きをするのか、裏側はどうなっているか、など、
さまざまな想定をした上で、設定が作り込まれていました。
この細かい設定をすべて積み上げることで、
あのアニメやあの特撮映画が完成していたのですね。
その気の遠くなるような作業を想像して、思わずボー然としてしまいました。
これから、庵野監督映画は、ながら見厳禁。
食い入るように視聴したいと思います。
さてさて、展覧会では、庵野さんの最新作となる、
『シン・エヴァンゲリオン劇場版』 シリーズまで余すことなく紹介されていました。
ここまでで十分お腹いっぱいになったのですが。
その先に待ち構えていたのは、今、絶賛制作中の映画、
『シン・ウルトラマン』 『シン・仮面ライダー』 を紹介するコーナーでした。
あまりに多くのものを生み出しているので、
すっかり回顧展のような印象で観ていましたが。
そうでした。庵野さんはまだまだ現役だったのでした。
これからもまだまだ多くのものを生み出してくれるに違いありません。
この壮大な規模の展覧会が、庵野秀明という非凡なクリエイターの通過点にしか過ぎない。
その事実に何よりも驚かされる展覧会でした。
ちなみに。
庵野さんといえば、明朝体。
展覧会ビジュアルのデザインはもちろんのこと、
章立てのキャプション、
さらには、オリジナルグッズと、
いたるところで、明朝体が見て取れました。
実は、展覧会には、油彩画をはじめ、
庵野さんが学生時代に作ったものも紹介されていたのですが。
そのうちのスケッチブックに・・・・・
明朝体が採用されていました。
それも手描きの!
この頃から、「庵野秀明=明朝体」 だったのですね。
┃会期:2021年10月1日(金)~12月19日(日)
┃会場:国立新美術館
┃https://www.annohideakiten.jp/