現在、練馬区立美術館では、“ピーター・シスの闇と夢” が絶賛開催中。
アメリカを代表する絵本作家ピーター・シスを本格的に紹介する日本初の展覧会です。
・・・・・・・・ピーター・シス?誰??
そう思われた方も多いことでしょう。
かくいう僕もそう思った一人でした。
ピーター・シスとは、どんな人物なのか?
まずそこを知りたい!でも、文字を読むのが面倒くさい。
そんな方は、僕が出演・監督・編集・その他もろもろを務めたこちらの動画をどうぞ!
なお、動画では触れていなかったので、一つ補足しますと、
アカデミー賞映画 『アマデウス』のインパクトあるポスターをデザインしたのもピーター・シスです。
展覧会では、そんな 『アマデウス』 のポスターはもちろんのこと、
ピーター・シスの代表的な絵本の原画の数々が展示されています。
《『かべ 鉄のカーテンのむこうに育って』原画》 2007年 ©Peter Sis, 2007
《『飛行士と星の王子さま: サン=テグジュペリの生涯』原画》 2014年 ©Peter Sis, 2014
これらはすべて、今展のために初来日した原画。
今展を見逃したら、おそらく二度と日本で目にできないであろう貴重な原画ばかりです。
ちなみに。
ピーター・シスの絵本を観ていない方でも、
純粋に絵画としてピーター・シスの作品は楽しめるのでご安心を。
何より目を奪われるのが、その緻密さです。
《『三つの金の鍵 魔法のプラハ』原画》 1994年 ©Peter Sis, 1994
《『星の使者 ガリレオ・ガリレイ』原画》 1996年 ©Peter Sis, 1996
絵本を読む際には、さらっと捲ってしまいそうですが。
改めて、原画をじっくり観てみると、
その細部の細部にまで、こだわり抜かれて描かれているのがわかります。
あまりの完成度の高さゆえに、ついつい見入ってしまう原画は数多くありましたが。
とりわけ印象に残っているのが、こちらの一枚です↓
《『三つの金の鍵 魔法のプラハ』原画》 1994年 ©Peter Sis, 1994
街の地図が猫になっているアイディアも秀逸でしたが、
よく目を凝らして見てみると、家が一軒一軒ちゃんと描き分けられていました。
その発想力と根気に脱帽せざるを得ない一枚です。
ちなみに。
地図と言えば、こんな作品もありました。
《Whale》 2001年 ©Peter Sis, 2001
こちらはニューヨーク都市圏交通社より、
地下鉄車内に飾るポスターの依頼を受けて描いたもの。
マンハッタンの形をクジラに見立てています。
千葉県の形を犬に見立てたチーバ君と通ずるものがあり、
千葉県出身の自分としては、ピーター・シスとマンハッタンに親近感を覚えました (←?)。
なお、よくよく見てみると、このマンハッタンクジラは、潮ではなくバスを噴き出しています。
ほのぼのした絵ですが、そこだけ冷静に見ると、わりと大惨事。
とりあえず、地下鉄車内用のポスターでよかったです。
他に印象的だった絵本もあるのですが、
それらに関しては、2本目の動画で十分すぎるほど話したので割愛させていただきます。
あしからず。
まだまだ日本での知名度はそこまでですが、
この展覧会を通じて、ピーター・シスのファンが増えることは確実!
絵本好きならずとも抑えておきたい展覧会です。
最後に、練馬区立美術館繋がりで告知を一つ。
『アートテラー・とに~のそろそろ美術の話を...』 の最新回に、
練馬区立美術館の小野寛子さん、真子みほさんがゲスト出演してくれています。
笑いの絶えないめちゃめちゃ楽しい回となっていますので、良かったらお聴きくださいませ。