神奈川県川崎市。
かつて中村家が住んでいた藁葺き屋根の家は、
1971年に、 “抽象的建築の匠” 篠原一男の手によって、劇的に大変身!
まぁ、なんということでしょう。
『直方体の森』 と名付けられた、こちらの篠原一男の代表作に、
家主である日本画家の中村正義は、その晩年まで住み続けたのだそうです。
ただ、その独特過ぎる建築ゆえに、
訪れる人々は、 「美術館のような建物ですね」 と驚いたのだとか。
さてさて、家主である中村正義が、52歳という若さで亡くなってから、11年後。
この建物は、もう一度、劇的な大変身を遂げるのです!
「美術館のような建物ですね」 と言われていた一軒家が・・・
本当に、中村正義の美術館として生まれ変わってしまいました。
まぁ、なんということでしょう。
ちなみに、
メインの展示室となっている、こちらのフロアは、元々はリビングだったのだとか。
テレビとか普通に置いてあったそうです。
まぁ、なんということでしょう (笑)
そして、何よりも気になるのが、この天井の高さですが、住宅だった時も、この高さだったとのこと。
まぁ、なんという天井高でしょう。
・・・と、ついつい建物の話ばかりしてしまいましたが (笑)
僕にとってのメインは、建物よりも、中村正義の作品。
今年の春先に練馬区立美術館で開催されていた中村正義展で、
彼の世界観に、すっかり魅せられて以来、一度は訪れたい美術館だったのでした。
小田急線の読売ランド前駅から、バスで数分。
さらに、最寄りのバス停から徒歩で数分、
坂を上がり続けなくては美術館に辿り着けないとのことで、なかなか重い腰が上がらなかったのですが。
ようやく一念発起!
気合を入れて (←?) 、行ってまいりました。
念願の初中村正義の美術館で、
ちょうど開催されていたのは、 “正義の“かたち”展 ” という美術展。
中村正義が、慣習や時代に縛られることなく、
自由に素直に描いた “かたち” が登場する作品をフィーチャーした美術展です。
今回の美術展のメインビジュアルとなっている 《街》 という作品は、
美術館で、もっとも目を惹く特等席な場所に飾ってありました。
それだけに、いわゆる中村正義らしい (?) 『顔』 の絵も多数展示されていましたが、
印象に強く残っているのは、こちらのあまり中村正義らしくない (?) 《街》 という作品。
パッと見は、怖い感じの絵かもしれませんが、
しばらく見つめていると、優しさのようなものを感じられる不思議な作品でした。
どこからか、 『遠き山に日は落ちて』 が聞こえてくるような。
そんなノスタルジックな気分になる一枚です。
他にも、印象に残った絵は、たくさんあったのですが。
絵以上に印象に残ったのが、館長さんによるお茶のおもてなし。
中村正義の長女に当たる館長さんが、
父である中村正義のエピソードや、美術館の建物に関する話、
そして、来年1月にロードショーされる中村正義のドキュメンタリー映画の話などをお聞かせくだいました。
(館長さん、番宣しておきましたよw)
中村正義の作品に囲まれつつ、娘さんの父への愛情も感じられる美術館でした。
かつては、 「美術館のような建物ですね」 と言われていたようですが、
今は、 「人の家のような美術館ですね」 と言いたいくらいの居心地の良さです。
ちなみに、現在開催中の美術展は、11月30日まで。
・・・と言っても、開館日が金・土・日だけなので、残りの開館日は、11月30日オンリーです。
情報が遅くて、すいませんm(__)m
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正義の“かたち”展
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