(注:この記事は、 『新・無料で観れる 美術百選』 です)
東京駅。
京葉線の改札を抜けると、目の前に巨大なレリーフが現れる。
このレリーフには、知られざる男たちの物語があった―
戦後間もない昭和22年。
進駐軍の鉄道司令部であるRailway Transportation Office (通称RTO) が、東京駅設置された。
その設置工事中、とある運輸省の建築技術者が言った。
「進駐軍の目を驚かす意匠は施せないだろうか」
皆が湧いた。
東海道や国立公園などの日本の名所旧跡、
日本地図を石膏レリーフで表し、R.T.O待合室の壁3面に施すことを決めた。
図案と総監修を託されたのは、横浜高等工業高校 (現横浜国立大学) 教授の中村順平。
フランスのエコール・デ・ボザールに学び、
日本人初のフランス政府公認建築士 (D.P.L.G) の資格を得た男だった。
中村は、当時、新鋭の彫刻家だった本郷新や建畠覚造たちを集めた。
そして、いろいろあって (←ここのドラマについては知らないw) 、レリーフは完成した。
この完成したレリーフを見て、進駐軍は驚いた・・・に違いない。
新・無料で観れる 美術百選 004 中村順平ら 《R.T.Oレリーフ》
2012年秋。
東京駅は、元の姿に生まれ変わった。
それと時を同じくして、数十年ぶりに発見された 《R.T.Oレリーフ》 が、京葉線の改札近くに設置された。
進駐軍の目を驚かせた 《R.T.Oレリーフ》 は、
これからは、東京駅を行きかう人の目を驚かせるのである。
<無料で観れる美術 データ>
東京駅
住所:東京都千代田区丸の内1-9-1
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新・無料で観れる 美術百選 《東京駅(東京都千代田区)》
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